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文科省の特別機関「地震調査研究推進本部」のデータ
熊本だけじゃない!800年力を溜めこんだ地震発生確率「最大30%」の危険地帯
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160509-00508094-shincho-soci
「週刊新潮」2016年4月28日号 掲載
災厄は誰の身にも降りかかる。なにしろ、1000年単位の周期で動く活断層のなかで、その眠りから覚め、ズレそうな危険なもののリストがあるのだ。
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日本列島には2000になんなんとする活断層がちらばっている。そのなかから、活動間隔と直近の活動時期を勘案し、30年以内に地震が発生する確率を評価した資料がある。
文科省の特別機関「地震調査研究推進本部」のデータがそれ。不名誉ながらワーストに位置するのが、他ならぬ〈糸魚川─静岡構造線断層帯〉。これはざっくり言えば長野県安曇野〜諏訪湖周辺地域で、600年ほど間隔を空けて活動する活断層。すでに約800年に亘って沈黙を続けていることから、30年以内の地震発生確率は「最大30%」と見積もられているのだ。
「今回の地震が起こった場所の一部である〈日奈久(ひなぐ)断層帯〉は、全国でも一、二と言っていいくらい、地震の発生確率が高まっていた地域です」
と解説するのは、元京大総長の尾池和夫・京都造形芸術大学学長(地震学)。事実、先のデータによれば、30年以内に起こる可能性が16%と規定されている。ちなみにこの活断層は、最短で1100年に1度目覚めるのだが、ここ900年ほどは動きが見られない状況だった。
さらに、1000年程度動くことなく力をため込んでいるであろう箇所を見て行くと、〈中央構造線断層帯〉内の和泉山脈南縁に突き当たる。
「そこは、和歌山市から紀伊半島の真ん中くらいまでの、紀ノ川に沿ったエリアです。今後こういったところで、活断層が動く可能性があるわけです」
その場合、地震の規模はM7・6前後、14%と高い地震発生確率を見込むのだ。
「そもそも西日本は」
と、尾池氏がこう続ける。
「すでに内陸の活断層が活動期に入っており、今回の熊本のケースもその一環。そうこうするうちに、活動のピークが2038年ごろにやってくると予測されています」
とにかく自然は取りつく島もないのである。運命のいたずら嘆く外(と)の瓦礫。
「ワイド特集 『熊本地震』瓦礫に咲く花」より
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