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列島に潜む“連鎖型地震”の危険 「地盤の割れ目」伊豆、小田原、山梨にも
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160507/dms1605071530001-n1.htm
2016.05.07 夕刊フジ
震度７に襲われた熊本県益城町。痛々しい姿が残る＝５日午後
大きな被害のあった益城町には倒壊した建物が並ぶ。建物には「危険」、「要注意」と書かれた赤や黄色の紙が貼られていた＝熊本県益城町（三尾郁恵撮影）
地震の割れ目地図
発生から３週間が過ぎても収まる気配がない熊本地震。活断層の活発な動きは、前例のない事態として「世界からも注目されている」（地震学者）が、最新の研究で日本の地下に、もう１つ重大なリスクが潜んでいることが分かった。新たに見つかった「地盤の割れ目」で、「連鎖型地震の危険が高まっている」（専門家）という。
震度７に２度襲われた熊本地方。揺れの連鎖は、県内を北東から南西方向に延びる布田川（ふたがわ）、日奈久（ひなぐ）両断層帯がそれぞれズレたことによる。
今回のような直下型地震を引き起こす活断層は、全国に２０００以上あるとされ、「都心をはじめとして未発見の活断層が無数にある」（地震学者）とも言われる。だが、警戒しなくてはならないのは、それだけではない。
「活断層が存在しないエリアにも地震のリスクがあることが分かってきた」と指摘するのは、京都大学防災研究所の西村卓也准教授だ。
西村氏は、全国約１３００カ所に設置された全地球測位システム（ＧＰＳ）のデータを基に水平方向の大地の動きを解析する研究を行ってきた。
その結果、日本列島の地下に新たな脅威があることをつかんだという。
「日本列島の陸側は、ユーラシアと北米の２つの大きなプレートに分かれている。しかし、ＧＰＳの地殻変動データを細かく分析すると、さらに小さいプレートに分かれている。そうした小さなプレートの境界である『地盤の割れ目』では、地殻の急変動が起きる。それぞれのプレートが違う方向に動くために“ひずみ”が発生し、地震の発生頻度を高めている」（西村氏）
別図は、西村氏の研究で判明した「地盤の割れ目」だ。「九州中央ブロック」の境界線、熊本から大分に走る地盤の割れ目が、熊本地震の震源域と合致するのが興味深い。
「熊本から阿蘇を通って大分に至るラインは、活断層が点在する地域でもあるが、ここでは地殻が年間最大１センチほど動いており、特にひずみが蓄積していた。地震の発生リスクが高まっていたと言える」（西村氏）
熊本から大分を抜け、四国、紀伊半島を横切り、愛知、長野、一説には関東にも続くという中央構造線（ＭＴＬ）断層帯。そのライン上にも地盤の割れ目があるのが気になる。
西村氏は「活断層がない鳥取、島根では昨年１０月に地震が相次いだが、ＧＰＳデータの解析で地盤の割れ目で起きるひずみがあることが判明した。近畿地方では淡路島や神戸、大阪を含む『大阪ブロック』や、京都を通って琵琶湖を取り囲む『琵琶湖ブロック』にも同様のひずみがある。東日本のデータ解析は十分に行えていないが、これまでに伊豆半島周辺や神奈川県小田原市、山梨県でも同じようなひずみが見つかっている」と解説する。
「こうしたひずみのあるブロックの境界上では連鎖型地震が発生する恐れもある。将来の地震の発生頻度も高いとみられ、注意が必要だ」（西村氏）
防災グッズに非常食。準備できることはいますぐしておこう。
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