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「経験則がない」は気象庁の嘘。慶長大地震を見よ!
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2016/05/08/post-840.html
サンデー毎日 2016年5月 8日号
牧太郎の青い空白い雲 連載569
地震、雷、火事、オヤジ......と言うけど、地震ほど恐ろしいものはない。熊本地震は特別、恐ろしい。「本震」並みの地震があちこちで起こって「前震」「本震」「余震」の呼び名がクルクル変わる。
「経験則がない」なんて無責任に話す気象庁を信じていいのか?
「経験則がない」は真っ赤な嘘(うそ)である。経験則は存在する。
俗に「慶長の大地震」と言われるうちの3連続の慶長伊予地震、慶長豊後(ぶんご)地震、慶長伏見地震のことだ。この三つの地震は1596年(文禄5年)9月に起こった。慶長伊予地震は9月1日、伊予国(愛媛県)でM7・0。寺社が倒壊する程度の被害だったが、人的被害は不明。震源は中央構造線断層帯沿いと推定された。
その3日後、慶長豊後地震が起こる。豊後国(大分県)でM7・0〜7・8。死者約710人。中央構造線と連続しているとされる別府湾―日出生(ひじう)断層帯で発生した。誘発地震である。そして慶長伏見地震はその翌日、近畿地方でM7・0〜7・5。京都や堺で死者は1000人以上。伏見城の天守や石垣が損壊、余震が翌年春まで続いたという。明らかに誘発地震の「経験則」はあるのだ。
× × ×
今回は......4月14日夜の大地震の震源は日奈久(ひなぐ)断層帯の北部とみられている。これが「本震」で、余震が続いたが、16日未明に「(専門家がいう)本震」が、その北東側の布田川(ふたがわ)断層帯で起こる。20分後にM5・3を超える地震が続き、さらに、この断層帯から北東にある阿蘇地方で午前3時台にM5・8の地震が2回発生。さらに北東の大分県中部でも午前7時すぎにM5・3と揺れ続ける。どれが「前震」で「本震」かも分かりづらい。
地震には素人だが、これらは「誘発型地震」で、次々に「別の地震」が起こっている!のではあるまいか? どれが「前震」か?どれが「本震」か?という範疇(はんちゆう)のものではないように思えるのだ。
これらの震源は「別府―島原地溝帯」と呼ばれ、多数の活断層が溝状に存在する地域。さらに北東には、四国を横断し紀伊半島に延びる長大な活断層「中央構造線」が存在する。慶長伊予地震→慶長豊後地震→慶長伏見地震の「誘発地震」に極めて似ている。
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専門家は「阿蘇山の噴火」とは無関係!と言うが、素人は阿蘇大爆発を想像してしまう。
これは「経験則」とは言い難いが、九州地方の縄文文化は破局噴火で全滅した歴史を持つ。阿蘇山の最大級の噴火は約9万年前で火砕流は瀬戸内海を超え中国地方を襲ったという。極端なことを言って恐縮だが、人間は自然に勝てない。地球はいつどんなことが起こってもおかしくない。
ただ言えることは、日本列島はどこへ行っても「活断層」だらけということ。今回の熊本地震の「経験則」がそれを教えている。
にもかかわらず、気象庁は「経験則がない」と逃げる?
「原発再稼働」と関係があるのではないか? 安倍政権の大方針に水を差す「地震予測」は自粛した方が良い、と思っているのでは?(僕は「一定期間、安全を優先に原子力発電は利用すべきだ」と考えているが)今回の地震で「地震国ニッポン」の原発はリスクが多すぎる!と思うようになった。
丸川珠代・原子力防災担当相は4月16日、熊本地震の非常災害対策本部会議で、稼働中の九州電力川内(せんだい)原発について「現在のところ、原子力規制委員会は停止させる必要はないと判断」と報告した。
原発では、周辺の活断層などで起こる大地震を想定して地盤の状態を加味し、原発直下の最大の揺れ「基準地震動」を見積もる。これをもとに原子炉、建屋、配管などの構造や強度を決めるが、川内原発ではそれが620ガル。
「今回の地震で川内原発において観測された地震動は最大で12・6ガル。620ガルの地震動を受けたとしても、安全上重要な機能は確保される」と言うのだが......川内は熊本地震の引き金になった「日奈久断層帯」の南西にある。少なくとも当分の間、稼働停止すべきではないのか?
旧ソ連はチェルノブイリ原発事故で崩壊したが、日本が再び原発事故を起こしたら......東京五輪中止ぐらいでは収まらない。
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