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肉の生食や過熱不足は超危険!「新鮮だから安全」は嘘!素人レベルの調理人が間違った料理
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15117.html
2016.05.17 文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表 Business Journal
4月28日から5月8日まで開催されていた「肉フェス TOKYO 2016 春」および「肉フェス FUKUOKA 2016 春」で提供されていた鶏肉の寿司「ハーブチキンささみ寿司」を食べた人たちに、食中毒の症状が発生しました。
報道されている写真を見る限り、鶏肉の表面のみを軽く炙り、鶏肉の中心部はほとんど生の状態で提供されています。寿司を販売した店舗が掲載しているポスターには「新鮮だから可能なお寿司に」と記載してあります。
確かに、鹿児島県では鶏肉を刺身で食べる習慣が存在します。そこでは長年の経験を積み上げた上で、鳥肉の刺身を提供しています。
2011年に石川・金沢で発生した、牛肉のユッケによる食中毒事件も、生食には適さない肉を、素人まがいの調理人がユッケとして提供したことで発生しました。
今回の鶏肉の寿司の食中毒も、屋外の温度管理が十分にできない環境での提供が、果たして適切であったかという点が疑問です。また、使用した鶏肉が寿司用として適切であったか、調理・提供方法が適切であったかということも検証しなければなりません。
■食中毒を出さないための手順
食品は、安全という土台の上でおいしいものを提供することが基本です。食材が潜在的に持っている危害(potential hazard)を把握し、食中毒が起きない処理を行ってからお客様に提供することが最低限必要です。
「新鮮な食材には危害がない」「うちで取り扱っている食材には危害などない」と思い込むのではなく、鶏肉にはサルモネラ菌、カンピロバクター等の潜在的危害があると思って取り扱うことが必要なのです。
一定数以上の食中毒菌を体内に取り込んだ場合に、食中毒は起きます。食材に潜在的に付いていた細菌などが増殖し、一定数以上に菌が増えた状態で体の中に入れると食中毒になるのです。
つまり、取り扱う食材の菌が増えないような管理が必要なのです。鶏肉を保管するときには、菌が増殖しない摂氏5度以下で保管しなければなりません。鶏肉の寿司を提供した店舗は、保存温度および表面を炙ってからお客に提供するまでの温度管理が適切であったのでしょうか。また、調理した人物は、適切な温度管理を行わなければ食中毒の危険があると認識していたのでしょうか。
■PHF食材の取り扱い方を知っていたか
潜在的な危害のある食材を使用した食品(PHF=potentially hazardous foods)を取り扱うときには、細心の注意が必要です。
日本人は長年かけて、生魚を刺身として安全に食べる術を学んできました。鱗のある生魚には、腸炎ビブリオが必ず付いています。しかし、鱗を取る場所と刺身にする場所を完全に区分けする、鱗を取った後は十分に真水で洗う、温度管理をしっかりする、これらを守ることで食中毒を出さずに、おいしく刺身を食べられるようになったのです。
スーパーマーケットのバックヤードや寿司店の厨房でも、鱗を取る場所と刺身を切る場所は必ず区分けしています。生簀から出したばかりの魚の鱗を、刺身を切るのと同じまな板で取るような店はあり得ません。
鶏肉を取り扱う上での温度管理、鮮度管理、調理過程の管理を十分行っていれば、食中毒は防げたはずです。特に鶏肉由来のカンピロバクターは、食中毒のほか、急速に四肢の筋力低下などが起こるギラン・バレー症候群と関連があるといわれており、鶏生肉や中心部まで加熱されていない鶏肉を食べることは極めて深い注意が必要です。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)
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