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歯周病で死の危険!アルツハイマー病や動脈硬化の原因に…虫歯や歯茎から細菌侵入
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14570.html
2016.04.06 文=蒲谷茂/医療ジャーナリスト Business Journal
わたしたちのからだの中では、いろいろなことが起きている。最近話題になっているのが、慢性の感染症だ。感染症といえば、誰もが知っているのはインフルエンザ。インフルエンザはウイルスの感染によって起こる。ウイルスの感染で起こるものは、ジカ熱もそうだ。ジカ熱は蚊が媒介するが、ウイルスが原因である。
ウイルスだけでなく、細菌によっても感染は起こる。細菌によって起こる感染症といえば、食中毒がよく知られている。感染症にかかると、白血球などの免疫機構が働いて細菌を排除する。自身の免疫で間に合わないときは、抗生物質を取り入れれば細菌を殺すことができる。ウイルスに対しては抗生物質のような特効薬はなく、増殖するのを防ぐ程度のものしかなく、予防のためにワクチンを前もって打っておくことが対策となる。
ところで、細菌やウイルスがからだの中に侵入すると、これらを殺したりするために免疫が働き、闘う。これが炎症である。炎症とは、細菌やウイルスが闘っている状態で、発赤、熱感、腫脹、疼痛という4徴候が起こる。場合によって、これに出血が伴うこともある。急性の炎症では、これらが激しく起こる。そして、細菌やウイルスに勝利すれば、炎症もすぐにおさまっていく。
この炎症に、急性のものだけでなく、慢性のものがある。ピロリ菌によって起こる炎症は、多少の痛みはあるが常にそれもあるわけでなく、慢性の炎症といえるだろう。肝炎ウイルスによる症状も慢性炎症であるという医師もいる。
慢性の炎症はからだの中に入り込んだ細菌などによって起こるが、急性の炎症と異なり、痛みも感じないものが多いという。
慢性の炎症が原因で発症するといわれているものが、アルツハイマー病、がん、リウマチ、糖尿病などである。過剰な内臓脂肪も炎症を起こすといわれている。肥満でも炎症が起こるのだ。
■口内には100億個の細菌
おもに細菌やウイルスが侵入する部位は、呼吸器や消化器、とくに問題となるのは口だ。細菌の量を調べると、口の中には約700菌種、100億個の細菌がいる。もちろんすべてが悪い菌ではない。虫歯があればその傷口から、歯周病があれば歯と歯茎の隙間から細菌が侵入する。血管に入った細菌は免疫機構によって排除されるが、一部は生き残り、炎症を起こす。
この歯周病菌によって、アルツハイマー病や動脈硬化が引き起こされることがわかっている。動脈硬化によって心筋梗塞が起こり亡くなった人の心臓の血管を調べたところ、歯周病菌が見つかっている。アルツハイマー病も同様に、亡くなった人の脳から歯周病菌が見つかっている。
本連載では、「歯は磨くものではなく、細菌を除去するために行うものだ」と述べてきたが、慢性炎症を防ぐために、口内の悪玉菌をできるだけ減らすことが肝心だ。慢性炎症を抑える食べものや運動があるが、まずは清掃が第一といえよう。
(文=蒲谷茂/医療ジャーナリスト)
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