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飲酒で顔赤くなる人、毎日飲むと「がん発生率」急増…赤くならない人も危険、どうすべき?
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14418.html
2016.03.26 文=新見正則/医学博士、医師 Business Journal
今回は、アルコールとがんの話で盛り上がっています。2月に松尾恵太郎・愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部部長らが発表した、酒を飲んで顔が赤くなる人が大量飲酒を続けると80歳までに20%の人が食道や喉のがんになるという件についてです。同研究所が正式に発表した報告なので、信憑性がありますね。
この報告において「大量飲酒」とは、アルコールの量が1日量で46グラム以上となっています。1合は180ミリリットルですから、約13%のアルコール度の日本酒で換算すると、ちょうど2合になります。ビールはアルコール度数約5%なので、約1リットルになります。顔が赤くなる人が、毎日日本酒2合またはビール1リットルを週5日以上飲み続けると20%の人が80歳までにがんになるそうです。
しかし、アルコールが23〜46グラムで週5日以上では、20%が約5%に激減します。また、顔が赤くならない人が大量飲酒(46グラム以上を週5日以上)しても80歳までに食道や喉にがんができる確率は3%だそうです。
この発表を受け、“非常識君”は「僕は顔が赤くならないから、いくら飲んでもたった3%しか食道や喉のがんにはならないのか。顔が赤くなる人の7分の1の確率だから、がんがんアルコールを飲む」と主張しています。“極論君”は「僕は顔が赤くなるから、今日からアルコール量が45.9グラム以下となるようにしっかりと計算して飲む。46グラム以上で20%、それ未満では5%だから超意味がある行為だ」と自慢しています。“常識君”は、「各人がほどほどの量のお酒をたしなめばいいんじゃないの」といつものように大人のコメントです。
おもしろいですね。アルコール度数の高いお酒を飲む習慣がある地域には食道がんが多い、といったことを筆者は医学生の頃に習いました。しかし、今回の研究は直接に粘膜をアルコールが刺激してがんが発生するというストーリーではなく、体に吸収されたアルコールが食道や喉のがんを引き起こしているということだそうです。だからこそ、アルコールを代謝できる人、つまり顔が赤くならない人はアルコールの害が少なく、アルコールを代謝できない人、つまり顔が赤くなる人は1日量46グラムを超えるとがんの発生率が急激に上昇します。ともかく、顔が赤くなる人は要注意というメッセージですね。
では、非常識君のように顔が赤くならない人は、アルコールの量に制限はないのでしょうか。この研究は食道と喉のがんに関して、顔が赤くならない人は少々飲んでも、顔が赤くなる人がお酒を控えた場合と差はあまりありませんよ、という結論です。
■正しい飲み方
アルコールは基本的に蓄積毒です。人が一生に飲めるアルコールの量は決まっているといわれていますが、その量をあらかじめ正確に知ることはできません。アルコールを飲みすぎると、肝炎から肝硬変、そして肝がんなどで死亡します。つまり食道や喉に限っては大した問題ではない顔が赤くならない人の飲酒も、肝臓そのものに対する危険はあるのです。
肝臓は8〜9割の機能がなくなってようやく不具合が認められるともいわれます。生体肝移植では自分の肝臓の約半分を切り取って、そして移植用に提供します。こんなことをしても、提供者の肝機能はそれほど問題ありません。つまり、結構な予備能力が肝臓にはあるので、「沈黙の臓器」などともいわれます。
極論君は45.9グラムのアルコールを飲むという主張ですが、その線引きもひとつの基準で、実は人それぞれなのです。そして、45.9グラムを正確に量ることも結構面倒です。何より、そんな飲み方ではお酒もおいしくありません。
結論は、深酒しないように、アルコールを楽しみながら少々いただくことが、「酒は百薬の長」ともいわれる所以だと思います。アルコールは蓄積毒ということを念頭において、ご自身の体と相談しながら、それぞれの適量の範囲で楽しみましょう。結局、常識君の言う通りです。
(文=新見正則/医学博士、医師)
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