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(回答先: 輸出は国民生活を向上させない、向上させるのは輸入と内需、経済政策の大転換が不可避 投稿者 公平君 日時 2015 年 8 月 13 日 13:15:50)
公平君さん、お気持ちはわかりますが、「近代資本制経済システム」のなかで国民生活を持続的に向上させたいとお思いなら、「輸出は国民生活を向上させない、向上させるのは輸入と内需」と考えのは誤りです。
(輸出で得た利益を国民生活の向上に役立てる方策は必要ですが)
先ほどASEAN拡大外相会議に出席した米国ケリー国務長官は、シンガポール大学で講演を行い「国内に売っても利益は得られない。輸出の増加こそが重要」と語っています。
貴殿の「輸出は国民生活を向上させない、向上させるのは輸入と内需」という説明より、ケリー国務長官の説明のほうを評価します。
ミクロ(個別企業)的には国内市場向けに販売するのも輸出するのも経理的には同じですが、マクロ(国民経済)的には国内売上と輸出とは性格がまったく異なります。
家族経営の農家や商店さらにはちょっとした工場が集まっているイチバ(市場)をイメージしてください。
そこでは一定量のおカネが流通し、働き者が揃っているとします。
農家は、基礎食糧品を生産販売し、それで得たおカネで日用品や農機具を購入します。イチバを構成する別の事業者も同じように営業を行っています。
モノとおカネの交換が連鎖的継続的に行われることでイチバに所属する人たちの生活が維持されているわけです。
このようなイチバで、誰かが売って稼いだおカネを利益としてとっておこうと(退蔵)すると、モノが今まで売れていた量ほど売れなくなり、人々の生活維持の連鎖にヒビが入ることになります。
農家が知恵者で収穫を増やしたとしても、売上ないし利益が増えるというより、単価が下がるだけで売上は変わらないでしょう。
生産性を向上させても売上は増加せず単価が下がるだけという状況は国民生活の向上にはつながることなのでまだ害が少ないほうで、生産性が上昇することで生産に必要な就業者が減少し生活苦に陥る人が出てくるという重大な問題も発生します。
生産性の向上を売上(利益)の増大につなげていける条件は、“経済共同体外部”からの稼ぎである輸出の増加のみと言っても過言ではありません。
(赤字財政支出(財政政策)も、輸出に近い“機能”を持っていますが、経済共同体内部のやりくりなので一時しのぎの謗りをまぬかれません)
貿易収支の黒字にこだわるような重商主義的価値観は不要(害にさえなる)ですが、輸出の増加は、投資の増加によって達成できる生産性の向上(ひいては国民生活の向上)を継続するために不可欠の要素です。
現在の日本にとって重要な経済政策は、新興(非先進)国のGDP合計が世界の過半を占めようとする歴史段階で、如何にして輸出を増大させるのか、そして、その輸出で得た利益(国民経済的意味)をどのように循環させ国民生活の向上に役立てるのかということだと思っています。
- 対外純資産の増加はそれ自体として無問題:近代資本制経済は本源的に「過剰生産構造」 あっしら 2015/8/13 22:24:55
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- 対外純資産大幅赤字の米国には言えるが大幅黒字の日本には言えない、全ての国が対象ならケリー長官は経済音痴 公平君 2015/8/14 00:35:48
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- 対外純資産大幅赤字の米国には言えるが大幅黒字の日本には言えない、全ての国が対象ならケリー長官は経済音痴 公平君 2015/8/14 00:35:48
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