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仁義なき銀行再編戦争が勃発!発火点は三菱UFJ、弱肉強食の淘汰が加速
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150512-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 5月12日(火)6時1分配信
地方銀行の再編が関西、四国に広がっている。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)系列の第二地銀・大正銀行と、四国の第二地銀・香川銀行、徳島銀行を傘下に持つトモニホールディングス(HD)が、2016年4月をメドに経営統合することで合意した。トモニHDは株式交換方式で大正を買収、完全子会社化する。
統合後は、トモニHDの傘下に3つの銀行がぶら下がるかたちになる。将来的には、香川、徳島、大正の3行合併も視野に入れているという。トモニHDは、10年に香川と徳島の経営統合により発足した持ち株会社だ。現在は香川が86店、徳島が80店を構え、2行の合計預金残高は2.6兆円となっている。
一方、MUFGが株式の25%を保有している大正は、大阪府、兵庫県、京都府に26店舗を構え、預金残高は4000億円と少ないが、貸出金残高の5割以上が不動産業界という特徴がある。統合後、トモニHDの預金残高は3兆円規模となり、第二地銀の上位5行に迫る勢いだ。
「四国は人口減少が加速度的に起きる。大阪というマーケットで成長するため(統合に踏み切った)」(トモニHDの柿内愼市会長)
「システムが同じため、将来的なコスト削減につながる」(大正の吉田雅昭社長)
大阪市内で記者会見した両トップは、経営統合の狙いをこう説明した。トモニHDは、地元の香川と徳島で、それぞれトップバンクの百十四銀行、阿波銀行の壁が厚く、越境進出する道を選ばざるを得なかった。一方、大正は大阪や兵庫に拠点網を持ち、地域再編の際にネックとなりがちな基幹システムがトモニHDと同じという利点があった。
大阪を含む5府県の貸出金残高の業態別シェアは、かつては大手行が圧倒的だったが、大手行が貸し出しを縮小しているため、地銀が逆転して上位となった。トモニHDにとっては、事業拡大のまたとないチャンスだ。大阪が地盤で、不動産融資の専門といえる大正をうまく活用してシェアを伸ばせるかどうかに、経営統合の成否がかかっている。
●MUFGの地銀保有株整理が決め手に
関東では昨年11月、横浜銀行と東日本銀行が経営統合を発表した。九州では、肥後銀行と鹿児島銀行が今年10月に持ち株会社の九州フィナンシャルグループ(FG)を設立し、統合する。九州FGは総資産9.6兆円規模になり、九州・山口地区では、ふくおかフィナンシャルグループに次いで、山口フィナンシャルグループや西日本シティ銀行に匹敵する金融グループとなる。
「次の再編はどこか」とさまざまな噂が飛び交う中、続いたのがトモニHDと大正の鳴門海峡をまたいだ広域統合だった。そして、それを後押ししたのがMUFGだ。大正の25%の株式を保有するMUFGが、地銀の保有株の整理に動いたことが決め手になった。
大手行はかつて、地銀に出資して関係を強化することで、地銀を勢力下に置いてきた。大正は、00年に旧三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)が第三者割当増資により同行の株式を取得したことで、旧三和の持分法適用会社となっていた。
メガバンクは、縮小が続く国内市場から、成長が見込める国際業務の強化に軸足を移しており、MUFGは米モルガン・スタンレーへの出資や、タイのアユタヤ銀行の買収など海外事業に力を入れている。
そういった背景もあり、MUFGにとっては地銀を傘下に抱える必要性が薄れている。経営統合の記者会見に同席した、三菱東京UFJ銀行の荒木三郎常務は、メガバンクと地銀のビジネスモデルや顧客層の違いを挙げて「地銀に出資する必要性が薄れている」と語った。
●次なる再編のキーマンは、中京銀行と千葉興業銀行
トモニHDと大正に続く再編は、3メガバンク傘下の地銀だろう。金融機関同士の株式保有の規制が強化されたことも、メガバンクの地銀離れを招いた。
13年から適用が始まった国際規制「バーゼル3」の影響で、金融機関同士の株式持ち合いが難しくなった上、今年6月には金融庁と東京証券取引所が定めたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の適用も始まる。メガバンクは、地銀株を保有する意味を厳しく問われることになる。
3メガバンク傘下の地銀について、見てみよう。MUFGは、大正のほかに中京銀行に39.2%を出資している。みずほフィナンシャルグループの持分法適用会社は、23.4%出資する千葉興業銀行だ。三井住友フィナンシャルグループは、53.5%出資の関西アーバン銀行と、44.9%出資のみなと銀行を連結子会社にしている。
引く手あまたなのが、中京と千葉興銀だ。愛知県で三番手の第二地銀である中京は、自動車産業が集積し、今後も成長が見込まれる東海地方が営業地盤だけに、東海各県に本店を置く地銀からのオファーが引きも切らない。MUFGが保有株の売却に踏み切れば、東海地方の地銀による争奪戦が繰り広げられることになるだろう。
千葉興銀も、首都圏に拠点が欲しい地銀にとっては、魅力的な統合相手となる。そうした事情を踏まえて、次なる再編カードとして、中京と千葉興銀に衆目が集まっている。メガバンクによる地銀株の売却が、新たな地銀再編の発火点となるだろう。
文=編集部
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