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「経済産業省HP」-「鉱工業(生産・出荷・在庫)指数速報」-「鉱工業生産・出荷・在庫・在庫率指数の推移」
日本経済、今年半ばから確実に活況へ 家計収入と実質賃金アップ、雇用者数と輸出も増
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150210-00010005-bjournal-bus_all
Business Journal 2月10日(火)6時1分配信
●成長加速が期待される日本経済
昨年4月の消費税率引き上げ以降、日本経済はマイナス成長となり、特に個人消費はいまだに影響を引きずっている。しかし、鉱工業生産指数等、先行きを占うデータは昨年末頃からかなり勢いよく持ち直し始めている。この指数は経済成長率と密接に関係しているため、少し割り引いて3月は生産が横ばいになると仮定しても、今後経済成長率はかなりプラスに加速すると見込まれる。
生産が大きく戻った理由としては、消費はともかく設備投資が非常に好調なことがある。事実、設備投資より1四半期ほど先を行く機械受注は昨年7−9月からV字回復している。これがGDPに反映されれば、昨年10−12月の経済成長率は大きく上向くはずである。
また、設備投資以上に期待されるのが、輸出の伸びである。輸出は昨年末あたりからアジア向けを中心に大きく戻している。背景には、アジア経済自体はさほど良くないが、アジアからアメリカへ向けての輸出が非常に増えていることがある。アメリカ経済が昨年後半から力強い回復を示す中で、アメリカの需要増がアジアの輸出を増やし、それが日本から部品等の輸出を増やしていると考えられる。
今年も引き続きアメリカ経済の拡大による輸出増加が期待されるが、それに原油価格の下落が加わって、アジア経済も若干持ち直すことが期待される。原油価格があまりにも下がりすぎたために、資源国のデフォルトやエネルギー関連企業の経営破たん等を懸念してマーケットは過剰に反応しているが、世界の経済規模から見ると7割以上は原油の純輸入国になるため、原油安そのものは世界経済的にはプラス材料となる。特に原油を大量に輸入するアジア経済においては大きくプラスに効いてくるため、アジアを最大の輸出先とする日本では、さらに輸出の押し上げ効果が高まるはずである。
さらに、異常な円高が是正されたことで、昨年後半あたりから日本の製造業に国内回帰の動きが活発になってきていることから、今年は輸出の伸びが相当増えるのではないかと期待される。
また、財だけではなく、サービスも含めた輸出を見ると改善が明確となっている。企業の技術革新によって特許権の使用料収入が増加していることもあるが、円安や観光ビザの発給緩和により、外国人観光客が増加していることがその最大の理由である。昨年の訪日観光客数は1300万人を突破したが、昨年12月にはインドネシア人向け、今年1月には中国人向けの観光ビザの発給要件緩和も進んでいるため、今年は1500万人を突破しても不思議ではない。
●アベノミクスの効果について
個人消費については消費税率引き上げのダメージがまだ残っているが、家計に関連するデータを調べると、家計は確実に潤っていることが確認できる。アベノミクスが始まってからこの2年で、家計の金融資産は140兆円以上も増えている。中でも株価は2年で2倍になり、家計の株・出資金も50兆円以上増えている。
一方で、現預金も30兆円以上増えているが、これは株で儲けたお金のほか、この2年で働く人が100万人以上増えたことが大きな要因となっている。非正規労働者しか増えていないという批判もあるが、マクロ経済全体では正規であれ非正規であれ、今まで給料をまったくもらっていなかった100万人以上の人が給料をもらうようになったわけであるから、明らかにプラスである。
さらにいえば、実際に増えた雇用はさらにその人数を上回る可能性が高い。なぜなら、今の日本では15歳以上の人口は減っているため、労働参加率が変わらなければ雇用は減って当たり前だったはずである。それがネットで100万人以上増えているということからすれば、仮に労働参加率が変わらなかった場合を仮定すると、この2年で実質150万人以上雇用が増えていることになる。これはまさにアベノミクスのプロビジネス的な政策の効果であるといっても過言ではない。
また、正社員についても増加の兆しが見えている。正社員の雇用に関してはどうしても時間を要するので、直近の7−9月の雇用者数でようやく前年比10万人増という状況だが、このまま景気回復が持続すれば今年は正社員の数が増えることが予想されるため、家計の収入もさらなる増加が期待できる。
●今年の日本経済を予測する
今年の日本経済を予測する上で最大のポイントは、春闘でどれだけ賃上げが実現できるかであろう。報道を見る限り、組合は昨年以上の要求をしており、経営者側からも前向きな発言が相次いでいるため、最低でも昨年以上の賃上げが達成され、今年は実質賃金がプラスになると期待される。
実質賃金は17カ月連続でマイナスであることから、アベノミクスの効果が出ていないと批判する向きもあるが、今年度から1人当たり賃金は15年ぶりの勢いで増え始めている。まさに近年稀に見る状況なのだが、それ以上に物価が上昇したために個人消費が落ちこみ、実質賃金もマイナスになってしまったのである。ただし、一時は4%を超えていた物価上昇率のうち2%分は消費増税分であるため、消費増税がなければ実質の雇用者報酬は昨年6月からプラスになっていたはずである。
ただ、消費増税の影響を除いた物価の伸びは足元で鈍化してきているため、今年前半には一時的に物価がマイナスになる可能性がある。その一方で、1人当たり名目賃金は最低でも昨年程度は上がることが期待されるため、実質賃金も今年4月からは前年比でプラスに転じると予想される。
物価の伸びが鈍化する理由の一つに、原油価格の下落がある。日本のような原油の大量輸入国は、円建ての原油価格が下落すると、所得の海外流出が急激に減ることになる。仮に年末にかけて原油価格が60〜70ドル/バレルまで戻ったとしても、今年は所得の海外流出が年間9〜10兆円抑制されることになり、家計への影響を計測するだけでも消費税率を1%程度引き下げるのと同等の効果となる。
さらに春先以降は、今年度の補正予算3.5兆円の効果が出てくることが期待される。昨年度の補正予算ではかなりの部分が公共事業に回され、家計向けの減税は6000億円ほどにとどまったが、今回はアベノミクスの副作用で割を食っている家計や中小企業、地方に半分程度割り当てられることになっている。
以上より、4月以降は実質賃金がプラスになることで個人消費も力強さを増すことが予想されるため、今年の景気は年半ば頃から勢いを増すことになりそうである。
(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト)
永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト
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