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ファミマ、本部の不正追及する加盟店を突然契約解除 一方的に高額請求&店舗明け渡し
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150210-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 2月10日(火)6時1分配信
今年1月、ファミリーマート八王子旭町店で全品半額セールが行われていることがインターネット上で話題となった。セール後、同店は閉店となったが、その裏にはファミリーマート本部の不正が関係しているといわれている。
同店を含め、4店舗のオーナーを務めていた竹内稔氏は、昨年3月に本部のスーパーバイザーと棚卸し業者によってプリペイドカードの一種であるクオカードが着服されていることに気づいた。同年7月と9月に行われた店長集会で、その不正について本部に説明を求めたところ、同氏は退場させられた。その後、本部から詳しい説明がないどころか、同年11月には突然同氏が経営する店舗のひとつである稲城長峰店のフランチャイズ契約が解除された。さらに竹内氏の立ち会いなしに店舗の明け渡し作業が行われ、本部の顧問弁護士から約3000万円の請求書が送りつけられたという。
その時の状況について竹内氏は、ブログで「笑うか死んでやるか」と表現しており、「日刊ゲンダイ」の取材に対して「(半額セールは)奇襲だった」「ファミマ本部と戦う姿勢を示すために、世間の注目を集めようと思い立った」と語っている。同氏は本部を訴える構えだという。
そもそも、コンビニエンスストアの本部とフランチャイズのオーナーは、どのような関係性なのだろうか。現在、コンビニ店舗のオーナーを務めている50代男性はこう語る。
「本部はオーナーと事細かに契約を結んでおり、オーナーの裁量で判断できることはほとんどありません。その契約と少しでも違うことをしようとしたら、内容に応じて、あらためて契約を結び直す必要があります。例えば、賞味期限が切れた商品は基本的にすべて廃棄処分をしなければなりません。本当に廃棄したかどうかまで管理されており、廃棄したふりをして販売したり、従業員が持って帰るということもできません。しかし、期限が切れる前に割引して売りたい場合、そのための契約を結びます。その契約では、弁当やデザートなど種類ごとに『期限の何時間前になったら割引販売してよい』と決められていて、さらに『販売に関してはオーナーが全責任を負う』となっています」
つまり契約主義の本部とそれを順守するオーナーという構図で、契約にないことを行う場合には新たに契約を結び、その責任はすべてオーナーが負うことになる。また、この男性は竹内氏の店舗の騒動について「たとえ何か契約違反があったとしても、通常はすぐに契約解除されるわけではありません。まずは本部から指導やペナルティなどの処置があり、その後も問題があるようなら閉店という流れだと思います」と語る。いずれにせよ、店舗がいきなり本部から契約解除を通告されたのが事実であれば、同業者の目から見ても異例のようだ。
●悪質なクレーマーが急増
また、本部の契約主義の裏には、コンビニ業界ならではの悩みが透けて見える。大手コンビニチェーン本部の社員は次のように明かす。
「店舗でのオペレーションを細かくマニュアル化するのは、どんな場所でも均一のサービスを提供するためですが、同時にクレーム対策でもあるのです。お客様からのクレームは、ここ10年ぐらいで特にひどくなった印象があります。『お弁当を温めてもらったら、中に入っているポテトサラダまで熱くなった。どうしてくれるか』といった、言いがかりのようなクレームが毎日のように寄せられます。以前はお金目当てのケースが多かったですが、最近は『私の言っていることが何より正しい』といった正義を振りかざす人が多いです。インターネットで自身の主張を発信するだけならまだましで、搬入しているメーカーに『あんなところに商品を卸したら、あなたの会社の評判が下がりますよ』といった電話やメールをするケースもあります。本部としては、こういったクレーム対応に時間を取られてしまっているのです」
取引先に連絡を入れられるのは企業にとって死活問題で、もはや営業妨害といっても過言ではなさそうだ。過熱する消費者からのクレームについて、別のコンビニオーナーは実体験から、本部に従うことが得策だという。
「20年くらい前までは、廃棄処分の食品を一般ごみとして出していました。しかし、それをホームレスの人があさって食べてしまうのです。それだけなら大した問題ではないのですが、しばらくして近隣住民から『私たちはお金を出して買っているのに、ホームレスにはタダで食べさせるとはどういうことか。この地域にホームレスが増えて治安が悪くなったら御社の責任です』といったクレームが本部に殺到したそうです。おそらく、本当に治安の悪化を憂いているのではなくて、『タダ食いなんてずるい』という感情から来る行動でしょう。オーナーの裁量が増えるということは、そんな消費者を1人で相手にしなければならなくなるわけですから、本部の指示に従っていたほうが無難で間違いないのです」
コンビニ店員が店外のごみ箱付近を頻繁に掃除している姿を見かけるが、それもクレームから始まったものだという。弁当などの食べ残しをホームレスが拾って食べてしまうため、店側がすぐに処理しなければならないのだ。物議を醸した竹内氏の行動からは、コンビニのオーナーという立場、そして本部との関係性には独特の苦悩があることが透けて見えてくる。
編集部
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