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保育所に入れない!悲惨すぎる待機児童の実態…百人待ち、無認可すら入れず会社辞める
http://biz-journal.jp/2016/01/post_13221.html
2016.01.09 文=日下部貴士/A4studio Business Journal
女性が輝ける社会を目指して国は、さまざまな施策を投じている。少子高齢化や人口減により労働人口が減少している日本において、女性の就労は経済成長の上でも今後ますます重要になるだろう。そのためには女性が働きやすい社会環境が整っていることが前提になるのはいわずもがなだ。
しかし、出産した女性が職場復帰をするために子どもを保育所に預けようとしても定員オーバーで受け入れてもらえず、会社を退職せざるを得ないケースが多々あるというのが現状である。
なかでも東京23区の待機児童問題はとりわけ深刻な状況。子どもの数が減っているにもかかわらず、保育所に預けられないというのは一見矛盾しているように思えるが、実際に区役所には「子どもが保育所に入れない」という相談が多数寄せられているというのだ。
■江東区や世田谷区などの惨状
2020年の東京五輪関連施設の建設予定地として注目を浴び、高層マンションの建設ラッシュが続く人気エリア・豊洲などを抱える江東区に住む30代女性は語る。
「江東区は年間1万人単位で人口増が続いているため、小中学校の収容数が足りずに仮設校舎での授業を検討するなどして全国的に話題を呼んでいます。そのため、保育所についてもある程度覚悟していたのですが、これほどひどい状態だとは思いませんでした。先日、子どもが生まれたので保育所入園について区役所に相談したのですが、認可保育所はすでに100人近く“待ち”があることを知らされ、職員からあからさまに『空いているわけないじゃないですか』という態度を取られてしまいました」
「認可保育所」とは、国が定めた設置基準を満たした保育所を指す。自治体からの補助金によって運営されているため保育料が安く、質の良い保育を受けられるとされ非常に人気だ。それに対して、「認可外保育所」は基本的に民間によって運営されており保育料は高額になる場合も多い。
また、東京都では独自に認可保育所とは別に認証保育所を設置しているが、こちらも自治体によって保育料はまちまち。
「少なくとも来年4月までは預けることは不可能で、11月から翌年度(来年4月〜)受け入れ分の受付が始まったのですが、申し込み人数が保育所の定員を大幅に超えているため、選考で漏れて入れない確率がかなり高いと言われました。一応、区役所で認可外施設についても聞いたのですが、『認可外の詳細はわかりません』と冷たい返答。近所の知り合いのママさんの話によると、数年待っても認可外保育所すら入れないのが江東区の現実らしく、その方は職場復帰もできず先日ついに泣く泣く会社を辞めたそうです。こんなことなら、江東区なんかに住むんじゃなかったと後悔しています」(同)
急激な人口増に対応できないというのは理解できるが、人口があまり多くない区でも同様に待機児童問題が発生しているという。千代田区在住の20代女性は語る。
「千代田区は居住者が少ないため保育所も入りやすい、といわれているので安心していたのですが、現実は厳しかったです。区役所に相談したところ、『そもそも人口が少ないため施設数も少ないので、倍率的には待機児童問題が深刻といわれるほかの区と同じくらいと考えてください』と諭されました。また、年度初め分の申し込みでは、希望する保育所を限定してしまうと入れる確率が5〜6割くらいとのこと。『区内すべての保育所を選択して申し込めば、どこかには入れますよ』と言われましたが、千代田区も広いので自宅から遠い保育所になんか預けられるはずがありません」
このほかにも待機児童問題に頭を抱える親は後を絶たない。世田谷区在住の30代女性も次のように嘆いている。
「世田谷区は“待機児童数全国一”と不名誉な称号で注目を浴びてしまっていたので、一定の条件を満たした無認可保育所を認可保育所に切り替えるなど、行政の取り組みも熱心なことで知られています。しかし、私の住む地域では0歳児の認可保育所で約80人の定員のところに約150人の申し込みがあるなど、半数の人は入れないようです。無認可施設ならばなんとか入れる可能性もありますが、保育料が高額なので諦めて仕事を辞めるママさんも多いです」
■施設を増やしても「待機児童が減らない」
このように、女性の活躍を謳う一方で、子どもを預けることができずに職場に戻れないという既婚女性は少なくない。東京大学で教鞭を取る傍ら保育所の運営にも携わる瀬地山角氏はこの状況を次のように分析する。
「東京23区では当分の間、保育所の数は足りない一方だと思います。各自治体がその年の待機児童数を公表していますが、たとえその人数分を受け入れられるだけ保育施設を増やしたとしても、翌年また待機児童が生まれるだけでしょう。なぜなら、待機児童には第一希望の認可保育所に入れず、そこが空くまで子どもを認可外保育所や認証保育所に入れている親御さんや、認可外の高額な保育料を払えず入園を断念してしまった親御さんの数は含まれていませんからね。さらには、「保育所に預けられるのなら働きたい」という潜在的需要も存在します。つまり新しい保育所を建てたとしても、そういった待機児童にカウントされていない人たちからの応募が殺到し、結局また新たな待機児童が生まれることになるのです」
それならば、その“隠れた待機児童”の数も計算した上で多くの保育施設を建てればいいのではとも思うが、問題はそう簡単ではないらしい。
「そもそも都内で保育所を運営するのは採算が取れません。東京都は地価が高く、決められた範囲の保育料で決められた土地の広さを必要とする保育所は、経営が成り立たないのです。民間が認可外の保育所を作った場合も、自治体からの補助金は受けられますが、経営難であることは変わりありません。したがって新造するなら土地代のかからない公園のような公有地に絞られるのですが、すると今度は近隣住民からうるさいと苦情が出る。この際、少子化に直面する小学校の土地を保育所などに変えてしまえば、ある程度は待機児童問題が改善するのでしょうが、保育所は厚労省の管轄、幼稚園と小学校は文科省の管轄なのでそう簡単にはいきません。幼稚園と保育所の機能を持った『認定こども園』の設置も進められていますが、幼稚園側から見ると、文科省の補助金が手厚いためにあまりメリットがないのでなかなか増えないという状態ですね。根本的な問題の解消にはまだまだ時間がかかります」(同)
各省の連携を強化していけば、瀬地山氏の言うように小学校を保育所に変えていくといったフレキシブルな施策も打ち出せると思うのだが、そこは“お役所仕事”の弊害が如実に表れているのかもしれない。
■最善の対策
では、現時点でできる最善の対策はないのだろうか。
「東京23区内にお住いのご家庭であれば、子どもが生まれる前から行動を起こすことでしょう。具体的には妊娠中の安定期に入った頃からすぐに保育所を探し始めること。そして生まれた後も働き続けることを前提に考えること。もし認可保育所の空きがなくても申し込みを続け、待っている間は認証保育所、認可外保育所、さらには小規模保育や保育ママさんを活用することが重要です。仕事を辞めなければ認可保育所が子どもを受け入れる際の優先度が高くなりますし、収入面での大きなメリットがあります。ただ、自営業やフリーランスで働いている人は自身で保育可能と見なされ優先度が下がってしまうので注意が必要です」(同)
現状ではやはり諦めずに探し続けるしかないということのようだ。そして、もしどこの保育所にも入れられないとしても、保育ママといった小規模保育で代替しつつ収入源を確保することが重要といえよう。
(文=日下部貴士/A4studio)
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