http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/168.html
Tweet |
「ユニクロ HP」より
ユニクロ、連続客数減地獄に突入か…値上げの一方で巨額広告費、失敗or長期利益拡大?
http://biz-journal.jp/2016/01/post_13101.html
2016.01.02 文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授 Business Journal
■品質維持のためのやむを得ない値上げ?
快進撃を続けてきたユニクロの業績が、最近は芳しくないようです。具体的には11月まで6カ月連続で国内の既存店客数が前年を下回っているという状況です。
こうした主たる要因として、イオンやイトーヨーカ堂といった総合スーパー(GMS)が本格的に衣料品に力を入れてきたといった外部要因に加え、ユニクロにおける値上げという内部要因が指摘されています。値上げに対して、ユニクロは「今の品質を守るため」と説明しています。
■自らが意図した値上げ?
ユニクロの値上げに対して、もちろん円安という状況で品質を維持するためにやむを得ずという理由もあるでしょうが、それ以外にもユニクロ自身が積極的に値上げを推進している面もあるように思われます。
たとえば、主要都市の一等地に立地する大型で豪華なフラッグシップ店(旗艦店)、テニス界の王者ノバク・ジョコビッチや錦織圭、ゴルフ界の王者アダム・スコットなどとのスポンサーシップ契約、テレビCMをはじめとした大々的なマス広告の展開など、認知度の向上やイメージアップを主としたブランド戦略に対して極めて大きな投資が行われています。
こうした費用は当然のことながら商品の価格に上乗せされることになります。さらに、ユニクロを展開するファーストリテイリング(ファストリ)は、GUというユニクロよりも低価格帯となるブランド展開を始めたことにより、GUよりも明確に高価格に設定しなければならない事情もあるでしょう。
■GAPのビジネスモデル
ユニクロはこれまで基本的にファストファッションの元祖ともいえる米GAPの戦略を追随してきています。GAPはアパレルメーカーから商品を仕入れて販売するという従来の衣料品小売の形態を、小売商自らが商品の企画を担う製造小売業というスタイルに変化させました。
また、GAPは傘下に低価格ブランドとなるOLD NAVYという衣料品小売店を展開しています。これにより、現在のGAPの価格はもはやファストファッションとはいえないほど高価格化してきています。こうした状況を踏まえれば、ファストリがユニクロの価格を上げる余地は、まだあると考えても不思議ではないでしょう。
仮にユニクロの客数が減少することになっても、ある程度の高価格を許容してくれる消費者を一定数確保でき、そうでない消費者がGUに流れるというストーリーを構築できれば、ファストリにとっては決して悪い話ではないでしょう。
■本格的な国際市場への展開を見据えた戦略
日本では飽和感が強いユニクロですが、欧米ではいまだに一部の大都市にしか出店できておらず、GAP、H&M(スウェーデン)、ZARA(スペイン・インディテックス)はあるものの、ユニクロは見当たらないという光景を筆者は幾度となく見てきました。つまり、海外においてはまだこれからという部分が数多く残っているのです。
さらに将来を見据えれば、中国などの新興国から今後、大型のファストファッション・ブランドが登場してくることは容易に想像でき、そうなるとユニクロはコスト面では太刀打ちできないでしょう。このような状況を踏まえれば、低価格志向の強い消費者をGUでしっかりと確保しながら、ユニクロのブランドは向上させていくという戦略はファストリ全体の利益を長期にわたり拡大させていくことに大きく貢献する可能性を秘めているといえるかもしれません。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民104掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。