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いよいよ3月26日、北海道新幹線の新青森―新函館北斗間が開業する
2016年は、「新幹線が激動する1年」になる ついに3月、新幹線が北海道の大地を走る
http://toyokeizai.net/articles/-/98671
2016年01月01日 大坂 直樹 :東洋経済 記者
2015年のヒット商品番付の1位に選出されたのは、同年3月に開業した北陸新幹線だった。2016年も新幹線が世間の大きな注目を集めそうだ。3月26日に北海道新幹線の新青森―新函館北斗間が開業するからである。
ただ、北海道新幹線が北陸新幹線のような観光ブームを巻き起こすかというと、疑問の余地がある。北海道と北陸、両新幹線の運行本数を比較すれば、その理由が浮かび上がってくる。
■本数は北陸の半分以下
ブームのカギを握るのは「首都圏からどれだけの人数が新幹線で現地に向かうか」だ。
北陸新幹線は速達タイプの「かがやき」、停車タイプの「はくたか」を合わせると、1日に東京―金沢間を24往復する。一方、北海道新幹線では東京―新函館北斗間を走る「はやぶさ」が1日10往復のみ。北陸新幹線の半分以下の本数にとどまる。
その背景には、時間的なハンデがある。北陸新幹線が東京―金沢間を2時間半で結ぶのに対し、北海道新幹線は東京―新函館北斗間で4時間かかる。新幹線と航空機の間には「4時間の壁」という通説がある。新幹線の移動時間が4時間を切ると、航空機から新幹線に利用がシフトするというものだ。
北陸では、新幹線の開業によって航空機から多くの利用者がシフトした。しかし、北海道新幹線は4時間を切れなかったことに加え、新函館北斗から函館市内に行くにはアクセス列車に乗り換える必要がある。これでは航空機に対する優位性は低い。
2030年になれば、北海道新幹線は札幌まで延伸する。東京―札幌間の所要時間は5時間程度とされる。通説にのっとれば優位性は高くないが、冬場に新千歳空港で遅延や運休が発生しやすいことを考えると、冬季に関しては新幹線が優位に立てそうだ。
そもそも北海道新幹線には、首都圏とのアクセスだけでなく、道央と道南の交通利便性を向上させるという目的がある。その意味では、北海道新幹線が真価を発揮するのは札幌延伸まで待たなくてはいけない。
■北陸は「金沢からの延伸」が焦点
北陸新幹線の当面の焦点は、金沢からの延伸だ(撮影:尾形文繁)
一方の北陸新幹線は、今後も話題が尽きない。焦点は「金沢からの延伸」だ。
金沢─敦賀間は当初の予定を3年前倒しして2022年度の開業が決まっている。が、昨年の今頃に、金沢―福井間をさらに2年前倒しして2020年度に開業するという案が与党内で持ち上がった。
福井県が自民党の稲田朋美政調会長の地元であることと無関係ではないと見る向きは多い。とはいえ、用地買収や工期など、実現には課題山積。結局、「早期開業に最大限努力する」という、いかようにも解釈できる結論に落ち着いた。
目下、議論の的になっているのは敦賀─新大阪間の未定ルートだ。もともとの案は「若狭ルート」「湖西ルート」「米原ルート」の3つ。各案には一長一短がある。
福井県小浜市、京都府亀岡市を経由する若狭ルートは、新幹線整備計画に明記された公式ルート。県の全域に新幹線を走らせたい福井県は、当然ながらこの案を推す。だが、3ルートの中で建設距離が最も長く、費用も割高なのが難点。大都市を通らないため、経済効果はいちばん小さい。
一方、京都市を通る湖西ルートは旅客需要の期待が高い。しかし、京都以降は「JR東海が運行する東海道新幹線への乗り入れ」が前提。JR東海は、ただでさえ過密なダイヤに北陸新幹線が割って入ることに難色を示す。
滋賀の米原を通るルートは建設距離が最短で済む。名古屋との行き来も便利になるため、名古屋経済との結び付きが強い石川県も乗り気だ。ただ、米原から先は東海道新幹線に乗り入れる計画で、この点が湖西ルートと同様に障害となる。
JR西日本から新たな案も飛び出した。小浜市経由で京都駅に乗り入れる「小浜・京都ルート」である。京都からは東海道新幹線に乗り入れず、全線フル規格で大阪と結ぶ。小浜市を経由するので、福井県も異論はない。
最大のネックは建設費である。最長だった若狭ルートより長いうえ、京都─大阪という大都市圏に新線を敷けば、巨額の費用がかかるのは確実だ。
さらに与党内からは、敦賀から小浜、舞鶴を経て、京都を経由して、けいはんな学園都市、天王寺から関西国際空港に至るという案まで出てきた。これ以上ルートが複雑になれば、コストはさらに膨らむ。
与党は検討委員会をスタートさせており、今年5月をメドに候補を絞り込む予定だ。2045年にはリニア中央新幹線の大阪延伸も控える。リニアも北陸新幹線も、東海道新幹線に続く東京─大阪間のバイパス機能を果たすという。だが、東京─大阪間に新幹線が3本も必要なのか。将来を見据えた議論が必要だ。
■フリーゲージは車両試験が正念場
フリーゲージ新幹線は2022年度の投入が予定されている(撮影:尾形文繁)
2022年度の開業を目指す九州新幹線・長崎ルートの動きも慌ただしくなってきた。
このルートは一部で在来線に乗り入れるため、異なる軌間を直通走行できるフリーゲージトレインの導入が予定されている。目下、鉄道・運輸機構が開発中だ。
実験は1999年からスタートし、2014年4月には営業仕様に近い第3次車が登場した。このとき、2022年度の開業に向けたタイムスケジュールも発表された。
まず、2014年10月から2017年3月まで耐久走行試験を行う。その結果を踏まえて量産先行車を開発し、量産化に向けた課題洗い出しを行い、営業車両の量産に移る。量産先行車と量産車の製造には5年程度かかるとみられる。順調に進めば、2021年度中に営業車両の製造と訓練運転が終わり、2022年度から営業運転を始める。
ただ、2014年10月19日にスタートした走行試験は、わずか1カ月でつまずいた。11月29日に車両の走行部分に不具合が判明し、試験は中断。1年にわたる原因調査を踏まえて、昨年12月に国土交通省が不具合の原因と対策を発表した。
さらに調査・分析を進めており、順調にいけば、今年後半から走行試験を再開する。仮に10月に再開できたとしても、当初計画から2年遅れることになる。トラブルの発生前、政府・与党は「2022年の開業時期をできるだけ早める」としていたが、この状況では前倒しなど無理だろう。
沿線の県や自治体はあくまで予定どおりの開業を要望しており、「2022年春の量産先行車を使った暫定開業」という案も出ている。これは、不具合対策を施してからの走行試験が無事終わるかどうかにかかっている。
だが何より、それ以前の問題として、走行試験の再開時期が遅れれば、2022年度の開業という目標は絵に描いた餅に終わってしまう。その意味で、2016年は長崎ルート開業のカギを握る1年といえる。
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