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知らないと損する「遺族年金」 妻・夫が死んだら、あなたの「年金」はこんなに変わる(週刊現代)
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/812.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 26 日 11:27:20: igsppGRN/E9PQ
 


知らないと損する「遺族年金」 妻・夫が死んだら、あなたの「年金」はこんなに変わる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46967
2015年12月26日(土) 週刊現代 :現代ビジネス


伴侶を失って悲しみの淵に沈んでも人生は続く。妻に先立たれたとき、あるいは妻を遺して逝くとき、その後の年金はどうなるのか? 意外に知らない遺族年金の仕組みを学び、もしもの時に備えよう。


■夫が遺族年金をもらえる場合


「夫が58歳で末期の肺がんの告知を受けたときは頭が真っ白になりました。結局、わずか半年で夫は亡くなりましたが、その死を悲しむ暇もなく突きつけられたのが、おカネの問題でした。


私はずっと専業主婦で、老後の資金のことは夫に任せっきりでしたから、夫婦二人で贅沢しなければ少ない年金でも問題ないとぼんやり考えていました。ところが、支給される遺族年金が思ったよりずっと少なかった。こんなことなら、もっと準備しておけばと今になって後悔しています」


こう語るのは、2年前に夫を亡くした山路仁美さん(56歳、仮名)。高齢化が進み、誰もが自分の年金生活に不安を抱いている昨今だが、夫婦のどちらかが亡くなった場合を想定し、その後の年金の額まで試算している人は意外に少ない。


夫が先立てば、専業主婦の妻は遺族厚生年金がもらえるが、その額は老齢厚生年金の4分の3以下。遺族から「意外に少なかった」という声が聞かれることも多い。また、妻が亡くなれば、その国民年金額(満額で7万円弱)が、ごそっとなくなることになる。家賃や光熱費、食費といった費用は一人でも二人でもほとんど変わらないもの。夫婦二人でつつましやかな生活を送ってきた世帯にすれば大きな減額だ。


遺族年金は、大黒柱を失った遺族が路頭に迷わないために設計され、'86年から施行されている制度だ。もちろん実際は、人によって支給額が充分でないこともあるし、逆に想像以上に手厚く支給されることもある。いずれにしても、配偶者が亡くなったら、その後の年金設計が大きく変わるということを肝に銘じておいた方がいい。


制度が煩雑なため、ケーススタディをしたほうがわかりやすいだろう。年金問題の専門家たちに、よくある相談事項に基づいて解説してもらった。


Q.妻が死んだ場合、夫も遺族年金を受け取れるのでしょうか?


A.結論から言うと、もらえるケースもある。まずは話をわかりやすくするため、遺族年金の構造を説明しよう。


遺族年金は大きく分けて2種類ある。遺族基礎年金と遺族厚生年金だ。社会保険労務士の井戸美枝氏が語る。


「亡くなった人が国民年金加入者の場合は、遺族基礎年金を受け取ることになります。遺族基礎年金は、かつて『母子年金』と呼ばれていたもので、一家の大黒柱である父が倒れたら遺された母子が困るので、それを助けるために作られた制度です」


したがって、遺族基礎年金は、18歳未満の子供がいる子育て中の家庭にしか支給されない。逆に、18歳未満の子供がいる場合は、妻を亡くした夫でも年金を受け取れる。ただし、残された遺族の収入が850万円以上ある場合は支給されない。


次に遺族厚生年金だ。亡くなった妻が会社員で厚生年金の加入者だった場合、夫は遺族厚生年金を受け取る資格を持つ。しかし、制限は多い。


「妻を亡くしたときの夫の年齢が55歳以上であることが絶対条件です。それより若い場合は『自分で自分の生計を立てなさい』というわけです。


また、夫が元サラリーマンで自分の老齢厚生年金がある場合は、その額が遺族年金より高くなるケースが多く、年金はほとんどの場合、受け取れません」(井戸氏)


では、夫が妻の遺族厚生年金を受け取れるのはどういうケースか? それは夫が自営業で、国民年金しか加入していなかった場合だ。そうなると夫の年金受給額が少なく、妻の厚生年金がないと暮らしていけないとみなされるので、遺族年金を受給できるケースが多い。


■なんと年200万円支給も!


Q.専業主婦だった妻が亡くなりました。残された夫は遺族年金はもらえるのでしょうか?


A.夫に扶養されていた主婦が亡くなっても遺族年金が出るはずがない—そう思い込んでいる人は意外に多い。


だがそれは間違いだ。ファイナンシャル・プランナーの福一由紀氏が解説する。


「専業主婦は自分で年金保険料を払っていなくても『第3号被保険者』として年金に加入しているとみなされます。従って、遺族に18歳未満の子供がいる場合、遺族基礎年金は支給されるのです。ただし、夫の年収が850万円を超えた時点で受給資格はなくなります」



Q.元サラリーマンの夫を失った妻(専業主婦)はどれくらいの額をもらえますか?


A.まずは二人とも高齢者で老齢年金を受け取っている場合を考えよう。社会保険労務士の和田雅彦氏が解説する。


「妻のもらえる遺族厚生年金は、夫の老齢厚生年金の4分の3です。ただし、注意したいのは『夫の老齢厚生年金全体の4分の3ではない』という点。厚生年金は、報酬比例部分に経過的加算部分という2段構えで成り立っていますが、このうち報酬比例部分の4分の3だけ支給されるのです。ですから夫がもらっていた老齢厚生年金の4分の3すべてが支給されると期待していると、実際の支給額と違って、がっかりする人も多いですね」


おおよその年間支給額がどれくらいか知りたい場合は、現役時代の月給×1・6倍が一つの目安になる。月給50万円だったとすると年間80万円、月に7万円ほどの支給額だ。


次に夫が若く、まだ厚生年金を受給していない場合はどうか。これは、夫がその時点から年金を支給されるとした場合を計算して支払われることになる。


もし加入期間が短く、厚生年金支給開始の条件である25年に満たない場合は、25年間保険料を支払い続けたとみなして支給されるので、若い受給者にとっては優遇された制度といえる。


一方、18歳以下の子供がいる場合にもらえる遺族基礎年金は一律定額で年間78万100円。


「この額に子供人数×22万2400円が加算されます(ただし子供3人目からは加算額7万4100円)。子供が2人いる場合は基礎年金だけで120万円もらえる計算になりますね」(経済評論家・荻原博子氏)


これに遺族厚生年金が加われば結構な額、場合によっては200万円近くになる。


また、子育てを終えた主婦は基礎年金をもらえなくなるが、自分の老齢年金をもらい始めるまでの空白期間を埋めてくれる制度もある。これは中高齢寡婦加算と呼ばれるもので、年額58万5100円支給される。


■脱サラした人は要注意


Q.専業主婦でなくても遺族年金はもらえますか?


A.亡くなった人の妻が働いていても、年収が850万円を超えていなければ、遺族年金はもらえる。ただし、夫が亡くなったときに妻が30歳未満で子無しの場合、遺族厚生年金が支給されるのは5年間に限られる。


「妻が30歳未満なら、まだ若いから出直しも可能だろうという理屈でしょう」(前出の井戸氏)


また、遺族厚生年金は、亡くなった人の配偶者でなくても、子供、父母、孫、祖父母なども受け取ることができる。父母、祖父母の場合は55歳以上、子と孫が受け取る場合は18歳未満で、ともに亡くなった人に生活を頼っていた場合に限り受給可能だ。


Q.夫が脱サラした場合でも、遺族厚生年金を受け取れますか?


A.夫が死亡したときに自営業者であっても、過去にサラリーマンとして働いていた時期があれば、そのとき加入していた厚生年金の恩恵を受けられる可能性がある。「注意が必要なのは、夫が独立後に厚生年金から国民年金への移行手続きをしていない場合です。老齢基礎年金の受給資格を得られていないと、遺族厚生年金ももらえないという仕組みになっているのです」(井戸氏)


さらに、サラリーマン時代に初診で診てもらった病気が原因で、初診後5年以内に亡くなった場合も、遺族厚生年金は支給されることになっている。その病気が原因で会社を辞めざるを得なかったとみなされるわけだ。


配偶者がどのような年金制度に加入していたのかは、意外にわからないものだ。不安に思った場合は、最寄りの年金事務所や年金相談センターに行くと、担当者が確認してくれる。


Q.死亡一時金と寡婦年金、どちらがお得でしょう?


A.亡くなった夫が自営業者だった場合、厚生年金には加入していないので、もらえるのは遺族基礎年金だけだ。ただし、先に述べたように遺族基礎年金は、母子家庭の子育て年金という意味合いが強いため、18歳未満の子供のいない妻は、遺族年金を一切もらえなくなってしまう。


そのような状況を救済するために設けられているのが、死亡一時金と寡婦年金という制度だ。この年金はどちらか一つを選択することになる。


「当然、おトクな方を選択することになります。死亡一時金は一回のみの給付で、保険料納付済期間の長さによって異なりますが、12万円~32万円支払われます。


一方で寡婦年金は60歳~65歳までの5年間、夫が受け取れたであろう老齢年金額の4分の3を受け取れるというもの。保険料を30年ほど支払っていたとすれば、年額45万円受け取ることになります」(前出の和田氏)


■再婚するかどうかで変わる


Q.再婚しても遺族年金はもらえますか?


A.遺族に18歳未満の子供がいない場合は、再婚するとあらゆる遺族年金の受給資格を失うことになる。たとえ再婚相手が病気で働けない人であったり、遊び人で稼ぎのない人だったりしても同様である。再婚することによって、以前結婚していた人との経済関係は途絶えたとみなされるからだ。その後、再婚相手と離婚しても、かつての結婚相手の遺族年金はもらえない。年金制度において「ヨリ」を戻すことは不可能なのだ。


18歳以下の子供がいる場合はどうだろうか。子供が新しい再婚相手とともに親元で暮らすことになれば、「母子年金」の性格を持つ遺族基礎年金の支給はストップされる。だが、遺族厚生年金は子供が18歳到達年度の末日まで支給される。再婚前までは遺された妻に支払われていた遺族厚生年金の払い込み先が、子供に変更されるというわけだ。


「遺族のなかには再婚予定があっても、子供が18歳になるまでは遺族基礎年金がもらえるから籍は入れないという人も多いですね」(前出の福一氏)


Q.内縁の妻であっても遺族年金は受け取れますか?


A.籍を入れずに夫婦関係を営んでいたとみなされれば、受給可能。ここで重要になるのは、住民票だ。内縁関係であっても住民票が同一世帯にあれば、受給のための審査が通りやすくなる。さらに可能であれば、住民票上の続柄を「未届けの妻」としておけば理想的だ。


以上さまざまなケースがあるが、制度をよく知らず、申請しないでいると1円ももらえないのが遺族年金。身近な人を亡くした悲しみのうちにあっても、経済的な助けになってくれる制度があることを心にとめておこう。


「週刊現代」2015年12月26日より


 

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コメント
 
1. 2015年12月26日 12:28:45 : Fmeg2lAc8E : zguraS7DhaU[10]
二人で暮らしていた時の3/4が支給されるんだぜ。総額が少ないのは仕方が無いが、まあまあ良いんじゃね。

2. 2016年11月08日 23:09:09 : YjLq0Xsg52 : Cp3xB_zA4Nw[75]
60歳~65歳までの5年間だけな。

それ以上生きるなってことだよねえ。


3. 2018年8月05日 11:57:04 : 45qP55FaI2 : 6VuA8Te7WTo[256]
国民年金の死亡一時金のみは他の年金制度と比較して
著しく運用の不公正さがある。
憲法違反の訴訟を起こされれば国は敗訴する可能性があるのだが。

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