同社はワシントン州の裁判所に提出した訴状の中で、「自分の利益や一部の不正直な販売・製造業者の利益のために、アマゾンの顧客を欺き、アマゾンのブランドに傷がついている」と主張した。

　「やらせ」の評価投稿者は仲介専門サイト「Fiverr.com」で、この投稿の仕事を見つけた。このサイトを通して、投稿や編集、プロブラミングといったサービスを1回5ドルで引き受けることができる仕組みだ。

　アマゾンの広報担当者、ジュリー・ロー氏はウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）に対し、「当社の目標はレビューを顧客にとって出来るだけ役に立つものにすることだ」とし、「当社の指針に違反するごく一部のレビューを発見および排除するため、複数のメカニズムを引き続き使用していく」と述べた。訴状によると、アマゾンはFiverrユーザーの「やらせ」レビューをめぐり「広範な調査を行い」、プロセスの一環として「やらせ」レビューを購入した。

　一方、Fiverrは、不正なレビューを求める業者は、電子商取引サイトに挑戦していると指摘。同社の使用条件に違反するサービスを「積極的に」排除していくと表明した。

　アマゾンは4月にも、同社サイトで無制限に「4つ星」や「5つ星」のレビューを投稿することを約束したとして、複数のサイトおよびそのドメイン所有会社を提訴している。

　では、どうずれば「やらせ」レビューを見つけられるだろうか？米コーネル大学の研究者たちが開発したウェブサイト「ReviewSkeptic.com」では、ユーザーがホテルのレビューをコピーして貼り付け、それが偽物か本物か確かめられるという。これは「いかさま」を示唆する言葉に関する彼らの研究に基づいている。例えば、副詞や代名詞の多用は危険信号だ。

原文（英語）：Amazon sues 1,000 people for writing fake reviews

米インターネット通販大手のアマゾン・ドット・コムは2015年10月16日、「やらせ」のカスタマーレビューを投稿したとして1114人を米シアトルの裁判所に提訴した。海外メディアなどが19日に報じた。

報道によると、同社は被告の氏名を特定しないまま提訴。訴状では、何者かが仕事の受発注ができるネットサービスを通じ、アマゾンのサイト上で高評価のレビューを投稿する仕事を1回5ドル（約600円）程度で請け負っていたとされている。

同社はレビューの信頼性を高めるため「やらせ」根絶に積極的な姿勢を見せており、今年4月にも偽造レビュー投稿を商売にしていた複数のウェブサイトを提訴していた。