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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13810483.html
福島県甲状腺検査の資料を見ての疑問点
前提として、まず、次のことを理解して置いていただきたいと思います。
福島県の甲状腺検査の仕組みです。
大きく、先行検査と本格検査の二つに分かれています。先行検査は事故直後の平成23年から同26年3月まで行われた検査、本格検査は平成26年4月から同28年3月まで行われる検査ですp。
それぞれの検査は、次のような形で進行します。
1.一次検査:基本的に公的負担で、無料。ソナー検査を行い、その結果を受けて、A1:異常無し、A2:軽微な異常あり、B:二次検査が必要、C:ただちに二次検査が必要に分かれ、A1とA2の方は次回の福島県甲状腺検査1次検査を受ける。
2.二次検査:基本的に通常診療(普通の保険診療)、つまり、有料であり、福島県の制度を利用するメリットは特にない。詳細なソナー検査、血液検査及び尿検査を行い、その結果を受けて、細胞診が必要かどうかを判断。細胞診が必要でない場合は、次回の福島県甲状腺検査一次検査を受ける。
3.細胞診:「悪性ないし悪性疑い」であるかどうかを判断。「悪性ないし悪性疑い」出ない場合は
基本的に全員通常診療で継続的に詳細なソナー検査、血液検査及び尿検査。「悪性ないし悪性疑い」である場合は、時期を見て手術。
4.手術:ほぼ全員が癌確定。今まで福島県の甲状腺検査での手術件数115件中、良性結節は1名のみ。
(*上の様な分類を一応してありますが、福島県の公開資料はあいまいな書き方をしていて、「通常診療等」から「次回検査」への→が「(3)検査の流れ」に記載されているだけです。福島県のサイトの「よくある質問」(http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/000167.html)によると、通常診療になっている方は主治医のアドバイスを受けて次回検査を受けるかどうかを判断するというような回答がされています。また、二次検査でA1、A2相当とされなかった方たちへ、どう細胞診を勧めているのか、つまり、細胞診を受けることが必須とされているかどうかはあいまいなままです。
疑問点は、2月15日に第22回福島県「県民健康調査」検討委員会で公開された「県民健康調査『甲状腺検査(本格検査)』実施状況」(https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/151272.pdf)にある次の記述です。
(*以下引用開始:)
先行検査結果との比較
先行検査で A 判定(A1 及び A2 判定)と判断された 202,122 人のうち、本格検査で A 判定(A1 及び A2 判定)は 200,992 人(99.4%)、B 判定は 1,130 人(0.6%)であった。
また、先行検査で B 判定と判断された 1,081 人のうち、本格検査で A 判定(A1 及び A2判定)は 502 人(46.4%)、B 判定は 579 人(53.6%)であった。
(*以上引用終わり)
「先行検査で B 判定と判断された 1,081 人」の部分が問題です。先行検査(最終的には平成27年に終了)の確定資料(https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/129302.pdf)から、関係する部分を引用します。
(*以下引用開始:)
二次検査結果(平成 27 年 6 月 30 日集計)
(1)二次検査実施状況
一次検査結果が B,C 判定であった 2,294 人のうち、2,108 人(91.9%)が二次検査を受診し、結果確定者は 2,056 人(97.5%)であった。
その 2,056 人のうち、700 人(表 3 の次回検査 A1 の 122 人と A2 の 578 人)(34.0%)は詳細な検査の結果 A1 もしくは A2 判定相当として、次回検査(本格検査)となった。
一方、1,356 人(66.0%)は、概ね 6 か月後または 1 年後に通常診療(保険診療)となる方等であった。この 1,356 人のうち、537 人(39.6%)が穿刺吸引細胞診検査を受診している。
(*以上引用終わり)
つまり、先行検査の一次検査でB判定になり、二次検査で次回の一次検査、つまり、本格検査を受けるようになったのは、「700 人(表 3 の次回検査 A1 の 122 人と A2 の 578 人)(34.0%)は詳細な検査の結果 A1 もしくは A2 判定相当として、次回検査(本格検査)となった」ということで700名であるのです。
本格検査では、一次検査の受診率自体が先行検査よりも大幅に低下していて、62.1%しかありません。そうであれば、本格検査ではこの700名よりも減少していると推定できますが、本格検査では「先行検査で B 判定と判断された 1,081 人」となっていて、381名も増加しているのです。これ、700名よりも50%以上の増加です。
仮に先行検査の二次検査でA1、A2判定された方700名が全員が本格検査を受診したと考えても、増加分の381名はどこから来たのでしょうか。
可能性は二つあります。一つは、先行検査の二次検査結果の集計日平成 27 年 6 月 30 日よりも後で判明した先行検査分です。しかし、本格検査の集計が平成 27 年 12 月 31 日ですから、いくらなんでもたった半年で50%超の増加は有り得ません。先行検査は4年間にわたってやっていたわけで、その締切の後の半年で4年分の50%超が追加にはなり得ないはずです。
もう一つの可能性は、一次検査の結果、二次検査に回り、その結果A1、A2相当には該当しないとされ、通常診療等となった方が、主治医と相談したりした結果、再度本格検査の一次検査を受けているということです。しかし、そもそも、先行検査の二次検査でA1、A2相当ではないとされたのですから、再度一次検査を受診し、でA1、A2になるかどうかを判定してもらおうと思うでしょうか。
福島県の甲状腺検査で疑問に思うことは他にもあります。それは、一次検査でB判定であったのに、二次検査でA1判定になっている方がかなり多数あるということです。A1、A2、Bの定義は次のようになっています。
A1:結節やのう胞を認めなかった場合。
A2:5.0 o以下の結節や 20.0 o以下ののう胞を認めた場合。
B 判定:5.1 o以上の結節や 20.1 o以上ののう胞を認めた場合。
Bは「5.1 o以上の結節や 20.1 o以上ののう胞を認めた場合」であり、ある程度大きな結節やのう胞があった場合ですから、A1の「結節やのう胞を認めなかった場合」とは明らかに異なるはずです。しかし、先行検査、本格検査とも、次のような二次検査結果になっているのです。
先行検査:A1相当 122 人
本格検査:A1相当 40 人
仮に、これを誤診率と考えて計算すると、次のような結果になります。
先行検査:(122÷2293)×100=5.32%
本格検査:(40÷1819)×100=2.199%
なお、この計算は、一次検査でB判定だった人数を分母にしています。二次検査受診者の結果確定者数を分母にすると次のような結果になります。
先行検査:(122÷2056)×100=5.93%
本格検査:(40÷1087)×100=3.68%
こういった結果について、なぜ先行検査で6%、本格検査で4%近い誤診が発生したのか、検証が必要だと思います。また、最初に述べたこと、つまり、先行検査の一次検査でB判定となり、二次検査でA1、A2相当とされて、本格検査の一次検査を受けたとされる1,081 人の増加分381名の内訳がハッキリする必要があります。
更に、先行検査でB判定で、本格検査の一次検査でA1とされた方が90名もいます。これもある意味おかしな状況と言えるはずです。
2016年02月22日17時20分 武田信弘
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