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2014-03-15 07:51:46
安倍首相は昨日3月14日の国会答弁(参院予算委員会)で、「戦後レジームからの脱却をして、新しい日本を作っていきたい」と述べました。昨夏の参院選前から封じていた「戦後レジームからの脱却」というお気に入りのフレーズを久しぶりに復活させたわけです。実に厭な予感がします。
安倍という男がめざすのは、民主主義国・日本などという”なよなよした”国柄ではなく、強い軍隊を持って周辺諸国を睥睨(へいげい)する「神国・日本」のイメージです。天皇を頂点にいただく、「教育勅語の国」です。
教育勅語は、12の徳目を掲げ、人間として当然あるべき姿も掲げていますが、肝は「一旦緩急ある時は皇運を扶翼(ふよく)すべし」にあります。つまり、「ひとたび国運をかけるような重大局面に至るときは、おっとり刀で駆けつけ天皇を守るべし」ということです。
最も大事に守らなければならないのは民主主義や主権在民ではなく、「天皇中心の国体」であり、国民は天皇の良き忠良として働けということです。
下村博文・文科相は昨日、沖縄の竹富町教育委員会に「教科書を選び直すよう」是正要求を出しました。国が市町村レベルの自治体にまで教科書問題で直接介入するのは初めてです。
文科相の是正要求を分かりやすく言えば、「東京書籍版の教科書ではなく、育鵬社版を使え」という国のあからさまな介入です。日本史の教科書ですが、文科相らの感覚では、東京書籍版は「自虐史観」にいろどられており、これからの子どもたちが学ばなければならないのは、「南京虐殺などはなかった」という”正しい日本史”であるとなります。
もともと竹富町の教科書選びは極めて不明朗で、教科書調査員が最低の評価を与えた育鵬社版を、無記名投票で強引に採択したいきさつがあります。竹富町を含む3市町の教育委員13人による「全員協議会」は東京書籍版を採択、沖縄県の教育委員会も文科相の是正要請を蹴っ飛ばしていました。
竹富町がある島には高校がないため、島の人々は中学生までは家庭で大事に育てるという教育がいきわたり、全国平均を上回るレベルを達成してきた実績があります。
文科相は、子どもに寄り添う人間的な教育を国家権力という強権をもって押しつぶそうとしていると言えます。安部政権はいよいよ教科書選定にも口出しする姿勢をあからさまにしてきました。いやな予感が募ります。
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