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仏週刊新聞「シャルリー・エブド」襲撃事件で犯行を指示したとされるアルカイダ系の国際テロ組織は、今後もテロ攻撃を続ける構えを見せている。イラク、シリアで勢力を伸ばした過激派組織「イスラム国」が世界的脅威となっているなか、今回のアルカイダ系組織によるとみられる事件に刺激を受けた各地の過激派が活動を活発化させる恐れが強まっている。
イエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」は声明で「預言者(ムハンマド)への冒涜(ぼうとく)に報復できる者はまだいる。フランス人よ、安全に暮らしたいのならイスラム教徒への攻撃をやめた方がよい」と脅した。
アフガニスタンで軍事訓練を受けたサウジアラビア人らによって結成されたAQAPは、イエメン、サウジアラビア両政府の打倒を目標とする一方、「標的とする国」として、預言者の冒涜に際だった役目を果たしたと見なす国を掲げる。
ロイター通信は11日、新聞社襲撃事件の容疑者の兄弟2人ともがイエメンを訪れ、軍事訓練を受けていたとイエメン当局者の話として伝えた。2人は2011年7月にオマーン経由でイエメンに入国。AQAPが支配する砂漠地帯で3日間、銃の撃ち方を学んだという。AQAPの有力指導者だったアンワル・アウラキ師とも面会したという。
一方、「イスラム国」は昨年6月にカリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家を宣言し、欧米人人質や敵対者を斬首するなどして恐怖支配を敷いた。その半面、行政も運営し、理想郷としてのイスラム国家をうたい、巧みな宣伝戦略でアラブ諸国や欧米のイスラム教徒の若者を引きつけてきた。ナイジェリアで女子生徒200人以上を誘拐する事件などを起こしている「ボコ・ハラム」など、「イスラム国」への忠誠や連帯を表明する過激派が各地に出ていた。
「イスラム国」は元々はアルカイダ系組織だったが、残虐性を非難されアルカイダとたもとを分かったとされる。勢いを増す「イスラム国」に比べ、アルカイダ系などの既存組織は、存在感の衰えとともに資金や活動が停滞していた。だが、今回の事件が他の過激派組織を刺激する懸念が高まることは必至だ。
実際、各地の過激派組織は今回の事件を称賛。AFP通信によると、「イスラム国」は、組織が運営するラジオ局が今回の事件を起こした容疑者たちを「ジハード(聖戦)の英雄」と称賛する声明を流した。
アルジェリアなどを拠点とする「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」もツイッターで襲撃をたたえた。AQIMは2013年にアルジェリアの天然ガス生産施設で起きた人質事件への関与が疑われる組織で、AQAPとも協力関係にある。
一方、アフガニスタン中部のウルズガン州では9日、パリの襲撃犯を支持するデモがあった。地元通信社などが伝えた。デモは数百人規模で、襲撃犯を「真のムジャヒディン(イスラム戦士)。英雄だ」などとたたえた。事件を受けてアフガンではガニ大統領が「無防備な市民を殺害した憎むべきテロ」と非難する声明を出したが、デモ隊は新聞社がイスラム教を侮辱したとして、大統領に声明の撤回を求めたという。
パキスタンでは、反政府勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)の報道担当者が10日、「襲撃した人々を称賛する」とする声明を出した。TTPは昨年12月にペシャワルの学校を襲い、生徒ら150人近くを殺害し、12年には女子学生マララ・ユスフザイさんを銃撃している。
過激なイスラム勢力を抱えるアフガンやパキスタンでは、風刺画騒動が表面化するたびに報復テロや抗議デモが起きている。アラブ諸国では、今回のテロ行為を非難する一方、「表現の自由」を絶対に守ると強調する欧米の姿勢に反発する声も少なくない。
(カイロ=翁長忠雄、イスラマバード=武石英史郎)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11546601.html
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