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トップニュース2019年4月6日 / 08:44 / 2日前
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グーグルアシスタントに潜む検索結果の「落とし穴」
Paresh Dave
4 分で読む
[サンフランシスコ 1日 ロイター] - グーグルのフィリップ・シンドラー最高事業責任者(CBO)は、先月行われた投資家会議の壇上で、同社にとって極めて重要な音声アシスタントに悩ましい課題があることを認めた。
同社の音声アシスタント機能「Google(グーグル)アシスタント」でユーザーの検索に対応するのは、収益を生み出す上で理想的ではない、とシンドラーCBOは示唆した。
検索結果が単に音声ではなく可視化できるのであれば、「当然、そこには広告の余地が生まれる」と同CBOは語った。グーグルは、検索するとその結果の上部に表れる検索連動型広告収入で年間700億ドル(約7.8兆円)を稼いでいると推定される。
米アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルは、シンドラーCBOの発言についてコメントするのを控えた。
だがグーグルが抱える課題は、他のテクノロジー大手も共有している。ユーザーが音声アシスタントスピーカーや機器による助けをこれまで以上に求めているからだ。その課題とは、無料検索を可能とする広告収入を得ながら、いかに利便性を高めることができるか、ということだ。
これは、世界最大の検索広告事業を展開するグーグルにとって最も喫緊の課題だ。
ほとんどの場合、今のところ消費者は広告に邪魔されずに音声アシスタントから簡単な答えを得ている。またテクノロジー企業は、米国などの規制当局が「スポンサー付き」あるいは「広告」といった免責条項の付与を義務付けている検索連動型広告をどのように音声アシスタントに組み込むかについて、方針を明らかにしていない。
グーグルアシスタントのある機能はすでに、開示規則にほぼ違反していると、ロイターが取材した広告に詳しい弁護士5人は語った。グーグルはコンプライアンス(法令順守)に基づいていると主張している。
この機能は、グーグルのマーケティングプログラムに参加する企業で主に構成されているデータベースから得られた検索結果であるということを開示せずに、配管工など地元の業者を推奨するものだ。
「完全に公平な推奨とは言えない」と、マーケティングの規則に詳しい米弁護士事務所イフラー・ローの弁護士ミシェル・コーエン氏は指摘。「金銭的なコミットメントがあるなら、それは公開しなければならない」
寝室の目覚まし時計であろうと、自動車のオーディオシステムであろうと、あるいは高級ヘッドフォンであろうと、世界中の多くの人にとって、音声アシスタントと会話することは日常となっている。そのようなグーグルアシスタントを搭載する機器は10億台以上に上る。インターネット通販最大手の米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)の音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」は1億台、米アップルの「Siri(シリ)」の場合は少なくとも10億台に搭載されていると推定される。
規制当局は新たなテクノロジーに対する規制には消極的だと、法律事務所マナット・フェルプス・アンド・フィリップスのパートナーで、かつて米フロリダ州検事総長事務局で消費者保護の責任者を務めたリチャード・ローソン氏は指摘。だが、当局はそれでも「意義ある開示をどう(消費者に)伝えるか」と問いかけるだろうと同氏は語った。
グーグルのシンドラーCBOは投資家会議で、グーグルアシスタントの広告は、テレビやスマートフォン、ノートパソコンやディスプレー付きのスマートスピーカーなど、近くにスクリーンがあってそこに検索結果が表示されれば、さらに「面白く」なると語った。
そうすれば、従来の検索と「非常に良く似た」収益モデルとなり、まさに熟知している世界と同じになると、同CBOは話した。
<新しい検索技術>
不正な商慣行を取り締まる米連邦取引委員会(FTC)は検索エンジンに対し、検索結果が広告と連動している場合は、「目に付きやすく理解しやすい」方法でユーザーに知らせることをずっと求めてきた。それ故、グーグルで検索した際、画面の上位に出る検索結果には、「広告」あるいは「スポンサー付き」といった表示が付いている。
消費者と「話す」新たな検索サービスは「広告を区別できるようにする長年の原則」を免れるものではないと、FTCは2013年、グーグルや他のテクノロジー企業に書簡で通知した。
FTCには違反の可能性について消費者からたびたび苦情が寄せられ、問題が続くようなら罰金を科すとして、商慣行の改善を企業に求めている。
米情報公開法に基づく開示結果によると、グーグルアシスタントの広告に関してFTCは苦情を受けていない。音声アシスタントを調査しているかどうかについてコメントを求めたが、FTCは回答しなかった。FTCは昨年、大学受験生向けの小規模な検索エンジンに対し、警告せずに検索連動型広告が含まれていたとして罰金を科した。
<グーグルの課題>
グーグルのユーザーは、グーグルニュースやグーグルフライトといった限定したソースを使った専門ツールを利用しているとき以外は、インターネット上のあらゆる関連ソースからの検索結果が表示されると思うようになっている。
2017年、グーグルアシスタントにある専門ツールが導入された。「ローカルサービス」というもので、米国のユーザーが配管工や錠前師といった家事の助けを必要として検索するとき、精査された業者のみを提供する。
4月1日、グーグルのフィリップ・シンドラー最高事業責任者(CBO)は、先月行われた投資家会議の壇上で、同社にとって極めて重要な音声アシスタントに悩ましい課題があることを認めた。写真は、同社の音声アシスタント「グーグルアシスタント」が搭載されたシステムを宣伝するデモンストレーター。ラスベガス家電見本市のJVCケンウッドのブースで1月撮影(2019年 ロイター/Steve Marcus)
検索結果は「グーグルギャランティード」として知られるマーケティングプログラムに基づいており、グーグルによれば、加盟するメンバーは認可を受け、保証され、法的な問題に煩わされることはない。メンバーが仕事をしくじった場合、消費者は最大2000ドルの返金を受けられる。
メンバーシップは無料だが、業者はグーグルから「ローカルサービス」の検索広告枠を買うためにメンバーになる必要がある。保証された業者はたいてい、「配管工」といった質問がされたときのために広告枠を購入していることをロイターは確認した。
グーグルのサイト上で「スポンサー付き」との表示のある広告からユーザーが業者に連絡すると、グーグルに金が支払われる仕組みだ。
だがグーグルアシスタントで「配管工」を調べた場合、同じ「グーグルギャランティード」のオプションを使った結果が示されても、その回答に免責事項や追加説明が示されることはない。
グーグルは書面で、グーグルアシスタントの検索結果に広告と表示されないのは、「グーグルがこれら検索結果から対価を得ていないから」だと説明した。
たとえ対価を得ていなくても、グーグルアシスタントの検索結果は、広告枠を買いたがっている多くの業者が集まったフィルターのかけられたデータベースに基づいているということを、ユーザーは知らされるべきだと、前出の広告に詳しい弁護士らは主張する。
「『推奨されている業者の多くは、われわれの紹介ネットワークのメンバーかもしれない』と開示することは適切だろう」と前出のコーエン弁護士は言う。
一部の都市では、グーグルアシスタントの検索結果には、同社のパートナーである検索サービス「ホームアドバイザー」と「ポーチ」によって選ばれた業者も含まれている。だが、これら検索サービス会社が一部の業者から顧客誘導料を得ていることを、グーグルアシスタントは明示しない。
検索の仕方によって免責条項の表示方法はさまざまだ。グーグルのサイトで「ロサンゼルスへのフライト」と検索すると、「スポンサー付き」と表示されたフライト予定が提供される。それをクリックしたユーザーには、グーグルがそのデータソースの一部から「支払いを受けているかもしれない」ことが分かる。
しかし、グーグルアシスタントの「スポンサー付き」広告はそれを示す追加の情報にリンクが飛ぶわけでもない。航空会社の名前は言わずに最安値をスマートスピーカーで読み上げるだけだ。
スポンサーについては全く何も語らない。
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
https://jp.reuters.com/article/google-assistant-idJPKCN1RH0QQ
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