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(回答先: [医 出づる国]揺らぐ信頼(1)放置された技量不足 医局の閉鎖性 ミス生む温床 投稿者 あっしら 日時 2015 年 7 月 19 日 06:14:41)
[医 出づる国]揺らぐ信頼
(2)使われる薬大丈夫? ガバナンス不全、安全意識薄く
男児(当時2)の首にできた小さな膨らみを切り取る手術はわずか7分で終わった。3日後、短い生涯を閉じるとは、このとき誰も予想しなかった。
東京女子医大病院(東京・新宿)で手術を受けたのは昨年2月。1〜2日で集中治療室(ICU)を出られるはずが、様子がおかしい。「いま使っている薬は大丈夫ですか」。顔のむくみに気づいた両親は耳鼻咽喉科の主治医に何度も尋ねた。答えはいつも同じだった。「安全な薬です」
鎮静剤プロポフォール。ICUで人工呼吸中の子供に原則使ってはいけない薬が体重12キロの幼い体に成人の許容量の2.7倍も投与された。その影響で小さな心臓が急に止まった。
気づいていたが…
異変に気づいたのは両親ばかりでない。一部の看護師は「心電図がおかしい」などと指摘した。それなのに麻酔科医らは影響を十分に検討せず、主治医に至っては子供への投与が禁じられていることを知らなかった。複数の職種がそれぞれの強みを生かすチーム医療が機能しなかった。
「過去の教訓が何ら生かされなかった」。厚生労働省の幹部が指摘する。過去とは、2001年に起きた心臓手術による死亡事故を指す。東京女子医大病院はこれを受けて「職員研修の強化」などの改善策に取り組んだはずだった。
だが、安全文化は根付かなかったようだ。「01年の事故の後、遺族と交わした覚書を提示してほしい」。厚労省が今回、病院側に求めたところ「文書はなかなか見つからず、複数の段ボールをひっくり返したあげくにようやく見つかった」(病院関係者)という。
大学と病院対立
同病院の経営に詳しい関係者が明かす。「大学側と病院側が激しく対立してガバナンス(統治)がきかず、組織が一丸となって医療安全に取り組むことができなかった」。この言葉を裏付けるように、今回の問題後も病院長が3回にわたって交代している。
医療事故を巡り、転機になった報告書がある。米国の研究所が1999年に発表した「人は誰でも間違える」。過去の失敗を収集・分析し、再発防止に生かす考え方を提唱した。日本でも01年に国主導の取り組みがスタート。報告件数は年々増え、ミスを隠さない流れは定着しつつある。
02年に死亡事故を起こした名古屋大病院(名古屋市)では、当時の院長がリーダーシップを発揮し「逃げない、隠さない、ごまかさない」との基本方針を定め、事故調査委員会に外部人材を入れた。11年からは医療安全部門に専従の医師や弁護士を置いている。
同部門のトップ、長尾能雅教授は「重大事故が起きれば、最先端の治療や研究も中断を余儀なくされる。安全は最も優先すべきテーマだと認識しなければならない」と訴える。
東京女子医大病院は今回の問題で高度な医療を提供する「特定機能病院」の承認を取り消された。01年の事故後に続く処分で、同じ病院が2度取り消されたのは初めてだ。もう後がないことは言うまでもない。
[日経新聞7月10日朝刊P.1]
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[医 出づる国 Q&A]
(2)政府「チーム医療」を推進 専門職が集い文殊の知恵
医師を中心に様々な専門職が連携して治療にあたる「チーム医療」は医療の質を高めるだけでなく、事故を防ぐとの期待もある。東京女子医大病院(東京・新宿)で起きた死亡事故ではチーム内の連携や意思疎通が不十分で、患者の異変が放置された。(1面参照)
Q チーム医療とは。
A 医師や看護師、薬剤師、管理栄養士などが対等な立場で意見を交わし、患者の治療にあたることをいう。病院ではこれまで職員全体の1割しかいない医師が頂点に立ち、ほかの専門職に一つ一つ指示することが多かった。
Q 政府はチーム医療を推進しようとしている。
A 医療の進歩に伴って各職種の専門性が高まり、医師1人で最善の治療法を考えるのが難しくなっていることが背景にある。例えば、薬は後発医薬品の普及で種類が大幅に増えて、医師が把握しきれなくなっている。医師の負担を軽くする狙いもある。医師不足といわれるなか、医師が余裕を持って治療にあたれるようにする。
チーム医療を普及させようと、国は看護師ができる仕事の範囲を広げた。一定の研修を受ければ、床ずれで壊死(えし)した組織を取り除いたり、カテーテル交換ができたりする。医療機関が受け取る報酬もチーム医療をすれば上乗せされるようになっている。
Q 東京女子医大病院の事故では、チーム医療が機能しなかった。
A 主治医が所属する耳鼻咽喉科と集中治療室(ICU)を管理する麻酔科医が治療方針を話し合う会議が開かれず、薬剤師は医師の処方箋の内容に疑問を感じて問い合わせる「疑義照会」をしなかった。チーム医療は体裁だけを整えても機能せず、各スタッフの意識改革が不可欠だ。
[日経新聞7月10日朝刊P.34]
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