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DNAから見ると、男というのは女から派生して出来るものにすぎません。男尊女卑なんてバカらしい話だと言えるでしょう。
この記事の画像はすべてウィキペディアより
というわけで、今回のテーマは「遺伝子から見る、人間の性別」。遺伝子を研究してみると、性別について驚きの事実が発見されたのです!
目次(クリックでジャンプ)[閉じる]
1.人間の基本は、女
2.性染色体の発見と価値観の大逆転
3.まとめ
人間の基本は、女
人間の性別は遺伝子によって決定されます。人間には染色体という遺伝子のかたまりが46個あり、性別を決めるのは最後の2つ。性別を決める性染色体が「XX」であれば女性であり、「XY」であれば男性になります。
↑人間の染色体は23セット46個。
この性染色体についてはX染色体の方がY染色体よりも長く情報量も多いことが分かっています。そして、どうも生命の維持に必要なのはX染色体だけらしい。
X
XX
XY
YY
Y
この5つのパターンの内、人間が生きていけるのはX・XX・XYだけ。YY・Yだけでは性別の問題の前に死んでしまいます。Xだけの場合は女性として生きていけますが、Yだけの場合は男性として生きていけるわけじゃない。
また胎内の発生過程を見ても、Y染色体があった場合に途中で男性ホルモンが分泌されて体の構造が変化して男になっていくのであり、Y染色体が無い場合は女になります。
つまり「受精卵から女と男が生まれる」というよりも、「女が生まれる途中で男に変わる」の方が近いってこと。
さらに、X染色体とY染色体の違いは平均寿命にも表れています。2016年の世界保健機関(WHO)の資料によると、世界の平均寿命は男性が69.1歳、女性が73.8歳。
男女別のトップ10を比べてみても、
男性 女性
1 スイス 81.3 1 日本 86.8
2 アイスランド 81.2 2 シンガポール 86.1
3 オーストラリア 80.9 3 韓国 85.5
4 スウェーデン 80.7 3 スペイン 85.5
5 イスラエル 80.6 5 フランス 85.4
6 イタリア 80.5 6 スイス 85.3
6 日本 80.5 7 オーストラリア 84.8
8 カナダ 80.2 7 イタリア 84.8
9 スペイン 80.1 9 イスラエル 84.3
10 オランダ 80.0 10 カナダ 84.1
このように女性の方が明らかに寿命が長くなっています。まぁ原因としては色々とあるのでしょうが、大きな理由として「男性の持つY染色体の方が、X染色体よりも短い」ことは無視できません。
XYである男性よりもXXの女性の方が生物として安定しているので寿命が長いのでは。
・性染色体がXXだと女性として普通に生きていけるが、YYだと死んでしまう
・胎内の発生過程を見ると、女が変化して男になっていると言える
・平均寿命は女性の方が男性より長い
これらの事実から、「人間の基本は女である」と言わざるを得ないでしょう。少なくとも男ではないんですよ
免疫学者の多田富雄さんという方は、
"
私には、女は「存在」だが、男は「現象」に過ぎないように思われる。
"
という感想を述べています。「生命の意味論」という本の中で出てくる言葉だけども考えさせられますよ。この記事を書いている私は男なので、ちょっと悲しいですけどね……(笑)
ちなみに、今まで書いた話は人間の話なので注意。他の生き物だとXだけでもオスになる生き物とか、Yだけでも死なない生き物とかもいるみたいなので。遺伝子ってのも面白いシステムですよねぇ。
性染色体の発見と価値観の大逆転
しかしまぁ、この発見って人間社会の価値観を大逆転させるものだと思いません?
性決定機構についての科学的知識が得られたのは、1890年のドイツの生物学者ヘルマン・ヘンキングによるX染色体の発見が最初だとされています。
20世紀初頭にはクレランス・マックラングという人が、X染色体が性決定と関連があるとして「X染色体は男性決定染色体である」と主張しました。この考えは間違っていましたが、染色体と性決定を結びつける1番初めのもの。
そして、1905年にネッティー・マリア・スティーヴンスがコメノゴミムシダマシの幼虫においてY染色体を発見しX染色体と共に性決定に関与することを発見。
X染色体以外に小さな別の染色体があることを見つけ、それを持つ個体の方がオスになることを知ったのです。
ネッティー・マリア・スティーヴンスは女性の研究者。「小さな染色体を持つ方がオスになる」という世紀の大発見をしたのが女性であるってのも面白い。
コメノゴミムシダマシだけでなく、人間の場合もY染色体の方が短いという事実をいつだれが発見したのかは調べてみても分からなかったですが、発表された時は世の中の男性に大きなショックを与えたと思いますね(笑)
男にする染色体の方が小さい。男尊女卑的な発想だと「男の方が大きな染色体を持っているから強いんだ!」みたいに考えたくなるのでは(笑) でも、事実は逆。遺伝子の研究は男の優位性を証明しませんでした。逆に、男尊女卑を否定する根拠になったと言えるでしょう。
人間の多くの文明は男性優位・男尊女卑で進んできました。最高権力者は基本的に男であり、宗教の中にも男性優位を前提としているものがたくさん存在します。
ユダヤ・キリスト・イスラム教の聖典である旧約聖書には
"
神はアダムを深く眠らせ、アダムは眠った。神は彼の肋骨を1本取り、そこを肉で塞いだ。そして神はアダムから取った肋骨で女性を作り、彼女をアダムの元に遣わせた。
"
という記述があります。イヴはアダムの骨から作られた! 「先に男が生まれ、男から女が作られた」という話。しかし、遺伝子的にはむしろ逆に近い。
この記事を書いている私は男なので「遺伝子の構造的には女性の方が偉い! 女尊男卑にしろ!」なんて言うつもりはありませんし、言われると困ります(笑) それに人間の行動は遺伝子だけで決まるものでもないわけで。
でも、少なくとも男尊女卑なんて全く根拠のない話だと思いますねぇ。
まとめ
・人間の性別は遺伝子によって決定される。性染色体が「XX」であれば女性であり、「XY」であれば男性に。
・Xだけの場合は女性として生きていけるが、Yだけの場合は性別の前に死んでしまう。
・遺伝子的には「人間の基本は女である」と言わざるを得ないのでは。少なくとも男ではない。
・遺伝子の研究は男の優位性を証明しなかった。逆に、男尊女卑を否定する根拠になったと言える。
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