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脳の性分化と性ホルモンの関わり
清水昌広 ( 33 愛知 建築設計 ) 07/08/26 PM06 【印刷用へ】
>XYの性染色体構成をもつ男では、SRY遺伝子により性腺原基が精巣へと分化。胎児精巣から分泌される男性ホルモンは、8〜10週頃から上昇し、12週頃にピークに達し、17週頃には低下。この男性ホルモンが脳に作用し特定のニューロン群の分化やシナプスの形成に影響を与え、脳を男性型に分化させる。
脳の性分化における性ホルモンの関与を示す実験がありましたので、紹介します
なお、実験では、脳の性の指標としては,脳の周期性を表している排卵とLordosis*を雌性,Mounting**を雄性と考えて,動物実験の結果から,ヒトの脳の性分化を推測しています。
* Lordosis:雌が雄を受け入れる姿勢
**Mounting:雄が雌の背後から乗りかかる行動
【実験1】
出生直後の雌ラットに男性ホルモン(テストステロン)を投与すると脳の周期性が消失し,成熟後排卵が起こらず,Mountingを示すようになる
【実験2】
出生直後の雌ラットに女性ホルモン(エストロゲン)を大量に投与すると脳の周期性が消失し,成熟後排卵が起こらず,Mountingを示すようになる
【実験3】
出生直後の雄ラットにアロマターゼ抑制剤(テストステロンがエストロゲンに変化するのを抑制する)を投与すると成熟後Lordosisを示し,Mountingをしない
テストステロンが働いて脳が雄性化することは予想できますが,大量のエストロゲンでも同じ様な変化を起こします。
これは,実験3の結果からテストステロンが直接脳に働くのではなく,脳内で変化してエストロゲンとなり,この形で働いて脳に変化を起こすのだろうと考えられています。
■ 脳の性分化の防御
では、なぜ雌の脳は変化を受けないのだろうか。また,母体血中のエストロゲンは雌の胎児に影響しないのだろうか。
1 脳の性分化の臨界期にのみエストロゲンと特異的に結合する蛋白質が血液中に作られます。そしてこの蛋白質と結合したエストロゲンは脳内へ入ることができなくなります。もし,この蛋白質よりもっと多いエストロゲンがあれば脳内へ入ることができます。
2 脳内のアロマターゼ活性(テストステロンがエストロゲン に変化する速度)はテストステロンによって上昇し,臨界期を過ぎると低下します。
このように脳の性分化の臨界期に脳はエストロゲンから保護されている。
以上のことから,脳の性分化の方向性は臨界期にテストステロンシャワーを浴びるかどうかで決まるようです。
■ 脳のシナプス結合様式の性差
脳の神経細胞はシナプス結合によって複雑なネットワークを形成しています。このシナプス結合には,幹シナプス,極シナプス,細胞体シナプスと呼ばれる3種類の結合様式があり,この割合が,性ホルモンの作用で変化することが分かってきている。
新生時のラットにエストロゲンを注射すると,シナプスの数が増え,特に幹シナプスに特異的に変化が現れます。幹シナプスが増えると,極シナプスが割合として減少し,神経回路の構成が違ったものになります。神経回路が異なれば,ある刺激に対する伝わり方に差が出るようになり,最終的な反応に違いが出てくることが予想されます。
参考:脳の性分化(池田クリニックHPより)リンク
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=159792
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