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[独フランクフルター・アルゲマイネ]欧州、日本の失敗に学ぶべき 金融緩和・財政出動に限界
日本の衆議院選挙で安倍晋三首相が勝利を収めたことによって欧州で構造改革に反対する者は勇気づけられた。
危機から抜け出す正しい方法を安倍氏が示しているではないか。金融緩和と財政出動で経済を建て直せばいいんだ――。
経済学者のポール・クルーグマン氏は1990年代から日本が患っている「失われた10年」のような状態に欧州が向かっていると指摘する。迫り来る災いの原因は過大な債務を抱えた南欧ではなく、(緊縮策などで)周辺国を焼き払っているドイツだという。
だが同氏が「日本化」を警告するのは悪い冗談としか思えない。ウォール街の人たちは日本に(財政・金融政策で景気を支える)ケインズ主義的な政策を講じろと助言し、日本は20年以上にわたって大胆な金融緩和と財政出動に取り組んだ。
その結果、債務が膨らんだ。日本は借金を重ねて次々と景気対策を打ち出した。金融政策では90年代末から政策金利が実質ゼロに据え置かれ、いまは安倍氏に従属する日銀が大量の国債を買い取っている。これには円安誘導の狙いもある。同じようなことを欧州もやるべきだとクルーグマン氏は言う。
日本はいまだに不況から脱出できておらず、欧州でもうまくいくはずがない。それでも欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、1月にも国債の大量購入に踏み切るかもしれない。フランスとイタリアの政府は歓呼で迎えるに違いない。
クルーグマン氏とその弟子たちは、お金を刷れば需要が生まれると考え、成長を生み出そうとしている。だが長期的な成長は企業がリスクを取り、イノベーションを進めてこそ実現できるものなのだ。借金で成長が買えるなら、日本が世界一の高成長国でギリシャが欧州経済のけん引役となっている。
(ホルガー・シュテルツナー発行人、16日付)
[日経新聞12月24日朝刊P.4]
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