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2013年11月22日 東京新聞:こちら特報部 俺的メモあれこれ
国家の機密を漏らした公務員らを厳罰に処する特定秘密保護法案。自衛官や外交官らが対象と思われがちだが、それだけではない。一般市民も処罰対象になる危険をはらんでいる。それなのに、与野党の修正協議ではほとんど議論されていない。あなたも罪に問われるかもしれないと想定される事例を紹介する。(荒井六貴、出田阿生)
◆話し合いだけで処罰 【共謀・扇動・教唆】
脱原発を目指す市民団体がミーティングを開いた。メンバーの一人がふと、「再処理工場のプルトニウムは、どこにどれだけ保管されているんだろう」と疑問を口にした。すると別のメンバーが「じゃあ現地で聞いてみては」と気軽に応じた。実際に再処理工場で働いている労働者に聞いてみたが「よく分からない」と言われ、その件はそのまま終わった。ところが数日後に団体の事務所は家宅捜索され、会議に出席していたメンバーが逮捕された。
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法案には、秘密を漏らしたり、入手したりしなくても、それについて話し合っただけで処罰される「共謀罪」の規定がある。自由法曹団の森孝博弁護士は「現行の刑法にも『共謀共同正犯』の規定があり、犯罪の計画や相談に加わると処罰されることがある。ただし、犯罪が実行されることが条件だ」と解説する。
ところが、法案では、実際に目的を達成しなくても、「共謀」とみなされ、一緒にやろうという呼びかけを大勢にすれば「扇動」に当たるとされている。実際に情報を聞き出そうとした行為は、回答が得られなくても、秘密の漏えいをそそのかした「教唆」に問われる。
さらに、共謀した者が自首すれば刑を軽減、免除する規定もあり、仮に1人が密告すれば、残りだけが処罰される可能性もある。森弁護士は「特定秘密が何なのか、違法とされる漏えいや取得が実際にどんなやり方を指すのか、すべてがあいまい。恣意(しい)的に運用すればあらゆる口実で罪に問われかねない」と批判する。
◆「注意義務」がカギに 【誤って漏えい】
Aさんは専門学校を卒業後、IT会社でコンピュータープログラマーの派遣社員として勤務。膨大な量の名前を打ち込む作業や、ソフトづくりに携わった。当時の上司は「これは、市民活動家のリストらしいよ。警察署のシステムの一部になるんだ」と説明していた。
Aさんはその後、転職を繰り返し10年後に食品会社の正社員になった。同僚のBさんやCさんと社員食堂で、昼ご飯を食べていたときに、以前の仕事のことが話題に。Aさんが、ソフト作りについて話すと、Bさんは興味を示した。Bさんはブログで、その内容を発信した。その直後、Bさんの自宅に、警察官数人がやってきて、特定秘密保護法違反(漏えい)の疑いでBさんを逮捕。Aさんや上司も漏えいの疑いで逮捕された。Cさんも取り調べを受けた。
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特定秘密は「防衛」 「外交」 「特定有害活動」 「テロ」の分野で指定されることになっているが、具体的に何が特定秘密に指定されているのかは明かされない。
本田伊孝弁護士は「地雷をどこで踏むか分からない。誤って漏えいしてしまったとしても、罪に問われる恐れがある」と解説する。政府は、「特定秘密と認識していなければ、罪に当たらない」と説明するが、梓澤和幸弁護士は「Aさんの場合は、一般的な注意があれば、上司の話で特定秘密であると認識できたと判断されてしまう。指定された秘密自体を知らなくても、罪に問われることになる。Cさんのように、秘密の対象事実を知っただけの人も、捜査の対象だ。軽い気持ちでブログで発信したBさんも、摘発されることになる」と指摘する。
◆基地監視活動に大打撃 【管理を害する行為】
沖縄県東村高江で進められているヘリパッド(ヘリコプターの離着陸帯)工事現場の近くでは、反対する住民らが24時間体制で座り込みを続けている。敷地の外から双眼鏡を使って監視していたメンバーが不審な人影を発見した。
国の特別天然記念物ノグチゲラの繁殖期は工事を中断するはずなのに、作業が再開されているようなのだ。工事を担当する沖縄防衛局に「約束違反だ」と抗議すると、なんと逮捕されてしまった。
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法案では、23条で「特定秘密を保有する者の管理を害する行為により取得した者」を処罰するという規定がある。もし、基地にあるものすべてを特定秘密に指定してしまえば、こうした監視活動も違反とされる恐れがあるのだ。実際に、住民らはヘリパッドの工事状況を監視している。
反対派住民の伊佐真次さん(51)は抗議活動が「通行妨害」だとして、国から訴えられた。国による住民運動の弾圧がますます強まると考えている。ヘリパッドはオスプレイが離着陸する見通し。伊佐さんは「住民の命にかかわる問題。どんな種類のヘリが訓練するのか、飛行経路はどうなるのかと聞いたが、国は『運用上の問題』と明かさなかった。今でさえ秘密にしているのに、秘密保護法が成立すれば、どうなることか」と話す。
琉球大の阿部小涼教授は「沖縄では、基地増設のために米軍や自衛隊が土地を収用しようとするのを根強い住民運動で阻止してきた歴史がある。こうした運動が、秘密保護法で根絶やしにされる」と危ぶむ。
◆身辺調査拡大 懸念も 【家族・友人まで】
重機メーカーに勤務する技術者Dさんは、警察に納入する車両を設計することになった。設計図は特定秘密。Dさんは秘密を取り扱うための適性評価を受け、犯罪歴や経済状況、家族構成などの調査票を提出した。
2カ月後、結果は「不合格」。理由は示されず、Dさんは不審に思っていた。正月の親族の集まりで、いとこのEさんが「警察の事情聴取を受けた」と告白。Eさんは、若い中国人女性が接待するパブに何度も通っていたというのだ。Dさんは、「これが不合格の原因なのでは」と推測した。会社は、Dさんを技術職から外し、総務部門に配転させた。Dさんは不満を訴えたが、会社側は「適性から判断した」と説明するだけだった。
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特定秘密を取り扱うことのできる人は、官民を問わず適性評価を受けなければならない。本人の同意を得るとするが、実際には断れない人が大半だ。犯罪歴のほか、薬物の使用や飲酒の程度、精神疾患、経済状況などが調べられる。調査は家族にも及び、配偶者、父母、子ども、兄弟姉妹のほか、同居人も対象だ。友人、知人も対象となる可能性がある。
山崎徹弁護士は「調査事項に関連があるという理由で、調査対象がどんどん広がるかもしれない。人に知られたくない市民のプライバシーの領域にも踏み込まれる」と懸念する。
国は公務員に対する秘密取扱者の適格性確認制度を実施している。自衛隊では、定期的に家族や友人、加入しているサークルなどを申告させる身辺調査がある。自宅を点検されることもあるという。ある男性自衛官は「秘密保護法案が成立すれば、もっと厳しくなるのではないか」と話す。
[デスクメモ」
この法律は、一般市民が通報することもできる。「大きな借金をしているらしい」 「外国人らしき人と密会している」。何が秘密か知らされていないから、ちょっとしたことでも密告するかもしれない。戦時中を思わせる思想統制、監視社会だ。今からでも遅くはない。声を上げて廃案にすべきだ。(国)
2013年11月22日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013112202000144.html
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