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上向いてきた国民の消費を腰折れさせかねない消費増税。延期すべきという提言を安倍首相はどう受け止めるのか
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130522/plt1305221810006-n1.htm
2013.05.22 ZAKZAK
円安株高で景気判断も上向きになるなど順風満帆のアベノミクスだが、大逆風となりかねないのが来年4月に予定されている消費税率の5%から8%への引き上げだ。増税の悪影響で消費や投資が冷え込む恐れがあり、日本経済復活どころか、政権の危機にまで及ぶ事態を予想する向きもある。安倍晋三首相の経済政策の指南役である浜田宏一内閣官房参与ら首相周辺からも増税延期を望む声が上がっている。
消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる法律には「附則」があり、「経済状況を好転させることを条件として実施する」とし、目指す経済状況を「2011年度から20年度までの平均で名目経済成長率3%かつ実質成長率2%程度」、さらに「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」という「景気条項」が盛り込まれている。
その経済状況だが、今年1〜3月期の国内総生産(GDP)は名目が年率換算で1・5%増、実質が3・5%増と、アベノミクスの効果もあって急速に上向いている。
政府は10月にも増税をするかどうか判断する方針だが、8月に公表予定の4〜6月期GDPは高成長が予想され、増税への地ならしは着々と進んでいるようにみえる。
しかし、「いま消費税を増税すると、人々の生活や雇用に大きな影響を与える」と警鐘を鳴らすのは、上武大教授の田中秀臣氏。「消費増税を織り込んで新規採用や新規の設備投資を手控える中小企業もあるなど、すでに悪影響が出ている。経営者は“橋本増税”で景気が悪化したことをよく覚えている」
橋本龍太郎首相当時の1997年4月、消費税を3%から5%に引き上げた後、日本経済のデフレ不況が深刻化した。肝心の税収も、法人税や所得税が減ったため、97年の水準を一度も回復していない。サラリーマンら民間の平均給与も97年の467万円からほぼ右肩下がりとなり、11年には409万円にまで落ち込んでいる。
「アベノミクスが点火したようにみえるが、増税すれば不況脱却と思う間もなく振り出しに戻る。経済政策で高い支持を得ているだけに、増税を断行すれば政権は持たない」と田中氏は語る。
消費税を8%に引き上げるインパクトについて早稲田大教授の原田泰氏は「消費税1%で2・5兆円の増税なので、民間の所得を7・5兆円政府が吸い上げることになるが、その6割、すなわち4・5兆円の景気悪化効果があるだろう。これはGDPを1%程度引き下げることになる」と分析する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の片岡剛士氏は、消費増税は設備投資や個人消費、住宅投資にも悪影響があるとして「少なくとも1年は延期すべきではないか」と提言する。「景気回復で企業業績が好転すれば税収も増えるので、消費税率引き上げを1年ずらしても十分おつりがくる。むしろ、景気が過熱しすぎたら増税するという姿勢で十分だ」という。
前出の田中氏は「2〜3年は上げるべきではない。日銀が2年後をめどにインフレ目標2%を掲げており、その達成を目安にしたうえで、税収や国債の利回りなど財政状況を確認するのが先だ」と訴える。
財政状況については前出の原田氏が「大事なのは、高齢化社会の負担のために現在の財政赤字を減らし、将来のために備えることだ。
しかし、現実には、5年前の08年度では84・7兆円だった歳出は、13年度では92・6兆円と7・9兆円も増えている。これは消費税3%分以上だ。支出に歯止めをかけなければ、いくら消費税を上げてもきりがない」と懸念を示す。
安倍首相の周辺からも増税慎重論が浮上している。エール大名誉教授で安倍首相の経済政策の指南役とされる内閣官房参与の浜田宏一氏は「個人的意見」としたうえで、こう述べる。
「アベノミクスの第1の矢が効いているので、金融緩和さえちゃんとやっていれば、来年税率を上げても、ことによると大丈夫かもしれない。しかし、すでに金融緩和の効果が歳入にも現れつつある。橋本内閣の例からもわかるように、増税が景気の足を引っ張った例しか歴史上ないので、政府の財政基盤も重要だが、(増税は)1年待つというのが妥当ではないかというのが、私の個人的な意見だ」
第1次安倍政権で内閣参事官を務めた嘉悦大教授の高橋洋一氏も20日の夕刊フジのコラムで「今の景気はアベノミクス期待で円安、株高となって、それが予想以上に輸出、消費の実物経済を引き上げている。それが消費税増税になると、期待がしぼむ可能性がある」と危惧する。
麻生太郎財務相は4月19日、G20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)閉幕後の記者会見で、「与野党合意に基づき、経済環境を整備し、予定通り消費税を引き上げる決意がある」と述べた一方、23日の参院予算委員会では「あらゆる景気指標を考え判断するが、延ばさざるを得ないことは十分あり得る」ともしている。
大手メディアを中心に「財政再建へ増税は欠かせない」「増税を延期すると国債価格が暴落する」という財務省寄りの論調が多いが、肝心の景気を腰折れさせては元も子もない。
過去のしがらみにとらわれない決断が奏功しているアベノミクスだが、今後最大の決断を迫られることになりそうだ。
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