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Welcome to Hell [独りファシズム]
Author:Yukino 2013/05/22 00:05
http://alisonn.blog106.fc2.com/blog-date-20130522.html
<引用開始>
市場原理主義とは、地球上で最も凶暴なイデオロギーだ。
それはレッセフェール、小さな政府、フリードマン主義、コーポラティズム、純粋資本主義、あるいはニュー・エコノミーなどと時々に名称をすり替えているのだが、いずれも労働者と生活者のあらゆる権利を解体し、抑制した社会資本を一挙に富裕層へ傾斜配分するという、全面的な人権原理の破壊を本質とするのであり、身分制度の固定により権益を絶対化するという、支配階級の世界戦略と言えるだろう。
旧ソ連や中国など、共産主義体制下における犠牲者数は、1億人を突破すると推計されているのだが、これら各国の経済は閉鎖系として機能せず、インフラや生産機能の整備は欧米の投資マネーに依拠していたのであり、俯瞰すればそのような歴史的な粛清も、市場原理主義のサブシステムにおける現象群と言えるだろう。
メディアはイスラムがあたかも狂信者集団であるかのように喧伝するのだが、彼らのテロによる犠牲者数が、せいぜい年間数百人規模であるのに対し、市場原理主義者が推進した制度改革による犠牲者は、年間数十万人平均に達している。もっとも統計に浮上しない数値を慮れば、実際は一桁跳ね上がるのかもしれない。
グローバリストはIMFや世界銀行などの債務国に対し、「ワシントン・コンセンサス」を要求するのだが、その核心は関税撤廃、市場開放、民営化、福祉・医療・教育の全面的な縮小、労働者の非正規化、多国籍企業の優遇税制であり、早いはなし、公共資本と経済市場の略奪であり、新世代の植民地主義であることは、これまで執拗に論述したとおりである。
これにより、アフリカ諸国の餓死児童は年間40万人を突破、アジア諸国では通貨危機後から自殺者が急増し、韓国は主要産業の株式90%以上が外資に掌握された結果、OECD加盟国中最悪の自殺率を更新中だ。一方、日本国においては債務国でないにかかわらず、小泉政権より連綿と「ワシントン・コンセンサス」に準拠した政策群が実践されたところ、自殺者数はWHO算定基準において年間10万人を突破し続けている。
亡くなられた方々の過半数が経済的理由によると推定されるのだが、強力に市場原理主義を推進する一方で、あらゆるセイフティ・ネットを取り払ってしまったのだから、全ては必然的な帰結なのだろう。このイズムにおいて自死という現象は、国家の失敗ではなく市場の勝利と見なされるのであり、むしろ自殺者数の増加は、「改革」が順調に進捗したメルクマール(指標)に他ならない。
日本の自殺者数が、イラク戦争における市民の犠牲者数(*推計値は団体により異なる)をほぼ単年で上回るという惨状なのであり、すなわち我々の社会は不可視的な戦闘状態にあるのであり、個々は侵略戦争の当事者なのであり、このようなパラダイムは、市場原理主義の根源的な暴力を示唆しているのではないかと思う。
かつて、池田某による「もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら」という本の無内容さに唖然としたのだが、‘もし読んだら’どころか、小泉の倅はCSIS(米戦略国際問題研究所)によってフリードマン(市場原理主義)理論を叩き込まれ、B層の煽動をミッションとして送り込まれたエコノミックヒットマン(飼い犬)である。
TPP加盟が経済主権ひいては国家主権の譲渡に等しいにもかかわらず、彼は広告塔の役割を忠実に実行しているのであり、親子二代にわたり国民への背徳によって地位を担保するという方法論であるのだが、あらためてコンプラドール(売国者)の条件とは、他人の痛みや苦しみに無共感であり、他人を欺く以上に自身の記憶・認識を欺くというサイコパス的特性であり、つまり血族はクロスアディクション(多元的な悪依存)をDNA本質とするのだろう。
メディアは次期参院選における自民圧勝を既成事実化しているのだけれど、それがTPPへのなし崩し的な加盟を目的化していることは語るまでもなく、結果としてイズム(市場原理主義)は自己強化し、さらに絶望が加速していくのだと思う。
我々はすでに「ポストTPP」への洞察を迫られているのだが、「市場原理主義は最終的に戦争国家を目指す」というセオリーの通り、改変後の社会において、さらに公共資本は「バター(福利厚生)より大砲(軍事予算)」に配分されるのであり、意匠された極東有事によって最後の1円まで搾り取られるはずだ。つまるところ自由貿易も不正選挙も自殺者の激増も9条改正も、システム(市場原理主義社会)に埋設された論理爆弾であり、この体系は破壊工作のシーケンスによって壊滅していくのだろう。
<引用終了>
[コメント]:(我々は)悲観論や楽観論を脇におきつつ、ブログ主の考察とそこに提示されている問題を真正面から受けとめようとするのに際し、それには如何なるEthos(知的営為⇒思潮)が肝要かについて考究すべき状況に在るのだと思います。
Auf Wiedersehen.
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