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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95507A20130606?sp=true
[東京 6日 ロイター] - 政府の経済財政運営の基本方針「骨太の方針(仮称)」素案が6日夕の経済財政諮問会議(議長:安倍晋三首相)に提示された。
素案は、2015年度と2020年度の財政健全化目標を堅持した上で、2021年度以降の国と地方の債務残高の対国内総生産(GDP)比について「安定的な引き下げを目指す」ことを明記、財政再建に取り組む姿勢を明確にした。アベノミクスの三本の矢が持続的に効果を発揮するためにも、財政健全化の取り組みは極めて重要とする一方で、成長促進が財政健全化に資すると併記。デフレからの脱却を最優先課題とする安倍政権の「経済再生と財政健全化」の両立を前面に打ち出した。
<物価は年央以降徐々にプラス傾向、14年度に2%に近づいていくと期待>
素案では、足元の経済について「デフレ予想は払しょくされつつある」とし、「個人消費を中心に景気は緩やかに持ち直している」とした。消費者物価も「年央以降、徐々にプラス傾向を強めていく」と見通した。
その上で当面の政策運営では、三本の矢の推進に全力を挙げるとともに「景気回復と連動して実質賃金が上昇し、雇用が拡大するよう取り組む必要がある」とし、「金融資本市場の動向や輸入物価の上昇等による影響にも万全の注意を払いつつ適切に対応する」方針を明記した。
消費税引き上げが予定される2014年度については、「消費税率の引き上げによる駆け込み需要の反動減など経済への一定の影響が想定される」としながらも、住宅ローン減税の拡充などの措置を講じるとともに、「民需の回復力が2014年度に向け強化されるよう配意する必要がある」と指摘。消費者物価上昇率が「2%に近づいていくことが期待される」とした。
今後の中長期の成長率については、労働生産性を上昇させていくことが重要であり、成長戦略によって民間投資を喚起し、競争力を強化。2%の物価上昇の下、それを上回る賃金上昇につなげることで消費拡大を実現し、所得と支出、生産の好循環を形成する、とした。こうした取り組みにより、今後10年間の平均で名目3%、実質2%の成長を目指す方針を明記した。
諮問会議の席で安倍晋三首相は「賃金、雇用の増加につながる持続的成長の実現、経済再生と財政健全化の好循環、景気回復をしっかりしたものにし、企業の決断や挑戦を促すこと」が三本の矢が効果を発揮する鍵だと述べた。
<日銀の緩和推進に財政規律堅持必要、21年度以降も債務残高引き下げ目標>
中長期の財政健全化に向けて、「国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字を15年度までに対GDP(国内総生産)比で10年度に比べて半減させ、20年度までに黒字化する」との従来の健全化目標を明記した。国際公約となっている15年度と20年度の目標を堅持する姿勢を示すとともに、2021年度以降について、「債務残高の安定的な引き下げを目指す」との目標を設定。民主党政権下の「財政運営戦略」で閣議決定した方針を踏襲した。
また、素案は「日銀が金融緩和を円滑に推進していくためには、財政ファイナンスといった疑念を生まないよう、政府が財政規律を堅持していくことが求められる」とし、長期金利が急上昇するリスクに対応する上でも国債に対する信認確保が重要とした。
財政健全化に向けた歳出削減策では、年1兆円規模で膨張する社会保障関係費も「聖域とはせず」見直しに取り組む。年金に関しては物価動向の経済状況などを踏まえて支給額が変わる「マクロ経済スライド」について、「物価・賃金の上昇が想定される下で、特例水準を速やかに解消した後、法律にのっとり直ちに実施する」方針を明記。地方財政ではリーマン・ショック後の危機対応モードから平時モードに切り替えを進めていく必要があるとし、リーマン・ショック後の不況対策で導入した地方交付税の「特別枠」廃止を検討する。
諮問会議後に会見した甘利明経済再生担当相は債務残高引き下げの目標を明記したことについて「プライマリーバランスの黒字を達成してそこで終わっては解決にならない。ストックベースで減らしていかないと本当の財政再建にならない」と指摘。「プライマリーバランスが黒字になったところからフェーズ2になっていく」と語った。
また、プライマリーバランスの赤字削減目標はハードルが高いのではないかとの指摘に、「削減目標の大方針を譲るつもりはない」とした。
<先行きは海外経済・金融市場・電力制約がリスク、夏に「予算の全体像」>
足元の景気について素案では、景気は緩やかに持ち直していると指摘、13年度は民需主導の景気回復が進むと見通し、14年度についても雇用や所得の増加を伴う景気回復が続くとした。ただ、先行きのリスクとして、海外経済の動向、金融資本市場の動向、電力供給の政策等があることに留意する必要があるとしている。
その上で14年度予算編成について、民需主導の経済成長と財政健全化目標の双方の達成を目指し、メリハリのついた予算とするとの考え方を示した。こうした民需主導の持続的成長と財政健全化両立への道筋を明らかにするため、この夏に次年度の経済財政の姿と予算にかかわる「予算の全体像」を経済財政諮問会議で取りまとめるとともに、中期財政計画と概算要求を策定する。また、秋には消費税率引き上げに関し、税制抜本改革法附則18条にのっとり、経済状況等を総合的に勘案して判断を行うとした。
「骨太方針」は今夕の経済財政諮問会議(議長:安倍晋三首相)での議論を経て、7日以降の与党審査を踏まえ、14日の閣議決定を目指す。
(石田仁志、基太村真司、吉川裕子;編集 山川薫)
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