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米覇権が崩れるかもしれないという点で、今世界で起きている通貨戦争は…私は「第三次世界大戦」と呼んでいる/田中宇
≪まえがき≫
今、世界の金融界で起きている大きな出来事は、アメリカの当局が2008年のリーマン・ショック後の対策で失敗し、この失敗が金融危機の再発につながらないようにするための延命策の副作用として起きている。
その一つの象徴は、通貨を大量発行して国債を買い支える「QE(量的規制緩和)」だ。アメリカの中央銀行であるFRBは、断続的に6年間QEを続けたが、ドルを発行し過ぎてこれ以上やると財務体質に悪影響を及ぼすため、14年10月にQEをやめて、代わりに日本と欧州の中央銀行にQEを開始させた。
QEによって…各国が金利や為替を競って低下させる事態が激化している。…こうした現象は、世界の金融関係者によって「通貨戦争」と呼ばれている。
二度の大戦を経て覇権がイギリスからアメリカに移っている。米覇権が崩れるかもしれないという点で、今世界で起きている通貨戦争は「世界大戦」である。…私は「世界大戦」と呼んでいる。
今回の金融世界大戦で、漁夫の利を得るかもしれない国は中国だ。米覇権が崩れると、その後の世界体制としてBRICSが運営するシステムが優勢になる。
第4章 第三次世界大戦はすでに始まっている
≪金融世界大戦の新局面〜米覇権脱却策が推し進める多極化≫
露中が作るBRICSの多極型の覇権体制の方に鞍替えしたいと考える人が増えるだろう。しかし、欧州の上流階級には対米従属で儲けてきた人も多い。「敗戦国」のドイツだけではEUを方向転換するのは難しい。
このような行き詰まりの中で、欧州の方向転換を可能にするかもしれない国は、意外なことに、イギリスだ。イギリスは伝統的に反ロシアだが、リーマン危機後、中国にすり寄っている。
イギリスはロシア敵視を引っ込め、バブル化がひどくなる米国覇権から隠然と距離を置きつつ、ロシアに接近して和解せねばならない。…イギリスは、ドイツよりもずっと老獪な外交技能を持っている。イギリスとドイツが結束すれば、EUは米覇権から足を洗い、親露姿勢に転換し、多極型の世界体制に参加できる。
【出展】「世界金融大戦〜第三次大戦はすでに始まっている」田中宇/朝日新聞‘15年
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