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(回答先: 資本主義 世界で相次ぐ”異変” 成長は続くのか〜TJ教授「否・資本主義の原動力だった植民地等のフロンティアの喪失」 投稿者 仁王像 日時 2016 年 10 月 17 日 22:00:00)
(10月23日 Nスペ)
〔資本主義 第3集 巨大格差 その果てに〕
(順序として第1集冒頭からから一部ピックアップ)
巨万の富を握る米国億万長者たちのパーティ。総資産2300億円のこの男性(83歳)は、金の力である政局を動かそうとしている。それは間近にせまった大統領選挙。大富豪たちは秘密会合を重ね、巨額の献金で国家の行く末を左右している。
大富豪ハバード「政治家は誰が資金を出すか分かっている。それが人間の性だ」
その裏で増え続ける貧困層。
世界36億人(下位層)の総資産が富裕層トップ62人の総資産と同じ、という巨大な格差が広がっている。
(ここから第3集に入る)
私たちの暮らしを豊かにしてきた資本主義。それが今大きく揺さぶられている。原因は世界を覆う巨大な格差だ。
経済大国米国では、貧困層が増え続けて、現在およそ7人に1人が生活困窮状態にある(食事を支給する場所に並ぶ長い行列)。
その一方、莫大な富が富裕層の下に集まり続けている。巨大格差を産み続ける現代の資本主義。
パリでは資本主義に対する大規模なデモが繰り返されている(参加者のなかに、ゲバラの肖像の旗も)。カナダでは世界各国から5万人が集結、国境を越えた改革を訴えた。
今、各地で資本主義を問い直す声が上がっている。(ホセ・ムヒカ(ウルグアイ前大統領)の訴え)。
この30年間で、年々格差が広がっているが、上位1%の所得の占める割合は米国(約18%)、英国、日本、仏国、スウェーデン…の順になっている。
資本主義は極限まで格差が拡大したとき、どんな結果が待っているのか? 私たちは危機を避けることができるのか?
米国西海岸のシアトルは近年、世界的な企業が次々と誕生している全米有数の経済都市だが、その町の中心部に最近たくさんのテントが現れた。テント・シティと呼ばれる。急増するホームレスのため市が公的に設置を認めたもの。市内に8カ所ある。
シアトルではこの5年で不動産価格が高騰、そのため仕事があるにも関わらず家賃が払えず路上で暮らす人も増えている(白人もいる)。
その一方で米国で確実に富を増やしているのが富裕層。資産1000万ドル以上のビリオネアが世界一多く、およそ500人がいるとされている。その一人メディア王スタンリー・ハバードの資産は22億ドル(約2300億円)。
ハバードがビジネスと同等に取り組んできたのが、政治への献金。長年、共和党を支援し巨額の献金を行ってきた。
1980年代にはドナルド・レーガンを支援。レーガン大統領は「規制緩和」や「法人税等の減税」を進めた。
2週間後に投票される大統領選挙には、富裕層からの莫大な献金が集まっている。これまで集まった17.5億ドル(約8000億円)の1/3はビリオネアなど富裕層からとされる。
今年7月、ハバードは共和党を支持する富裕層と政治家が集まる政治集会に参加。主催したのはエネルギーや繊維等10の巨大企業を経営するコーク兄弟であった。二人合せた推定資産は850億ドル(約8兆9000億円)。
2日間にわたった極秘の会議ではトランプ候補を支持するかどうかを話し合ったとされる。会議終了後、会場の外でハバードはインタビューに応じた。
話し合いの結果、トランプには献金しないが、議員たちへの献金には力を入れると明かした。
自由と平等を国の理念に掲げる米国だが、巨大は格差はその平等を脅かしているという研究がある。
マーティン・ギレンス教授(プリンストン大学)は、過去20年間に採択されたおよそ1800の政策を分析すると、そのうちの45%が一握りの富裕層の主張する内容だったことが分かった。
ギレンス「富裕層が大きな影響力を持ち、そうでない人たちはさらに取り残されている。中間層や低所得者層が政策に影響を与えた例はほとんどない」
富裕層が政治に与える影響を象徴する出来事が去年あった。南部テネシー州の貧困率は全米でもワーストクラス。この州では低所得者層28万人が公的医療保険に入っていない。そこで州政府は新たに医療保険制度を造ることにした。だが成立目前と思われていた去年2月、ある団体が猛烈に反対し1か月余りで廃案となった。反対したのはあのコーク兄弟が支援する団体だった。
拡がり続ける格差。しかし経済成長にとって格差は一概に否定できないと言う研究者も少なくない。
リチャード・エプスティン(ニューヨーク大学教授「経済が成長するとき、富裕層の資産は大幅に増えるが、貧困層の資産も少ないながら増加する格差は広がるが社会全体は繁栄する」
1820年頃から1980年頃までは、格差が拡大すると国家が介入し格差を是正(縮小)するサイクルもあり「ジニ係数(格差を測る指標)」は上下にジクザグの線を描いていた(1980年代以降、単調な右肩上がり)。
1991年ソ連が崩壊、資本主義との対抗勢力がなくなる。さらにIT化やグローバル化が進み労働者の低賃金競争が起きる。そしてかつてない巨大格差が生まれた。
このまま格差が広がり続けるとどのような社会が訪れるのか。ロバート・ライッシュ(元米国労働長官)は、今、歯止めのきかない巨大格差に警鐘を鳴らしている。
ライッシュ「振り子が振れ過ぎた。格差はプラスの影響をはるかに超えてしまった。格差が行き過ぎると利点を圧倒し、危険になる。私たちは間もなく”新たな時代”に突入しようとしている」
ライッシュは自筆のイラストで、その「新たな時代」を表している。それは一握りの富裕層(9%/1978年→23%/2007年)が特権を持った貴族のように振る舞う一方、多くの国民は努力しても報われず、諦めや無力感が支配する世界である。経済が停滞するとともに世界は分断されていく。その分断はすでに始めっているとホセ・ムヒカは指摘する。
大統領選挙戦の最中、ある富裕層が活動を続けていた。モリス・パールは世界最大の資産運用会社の常務として巨万の富を得てきた。しかし現在の巨大格差に疑問を持ち、2年前に退職。このままでは社会全体が取り返しの効かない事態になると考え、格差の是正に動きした。
パールは、およそ200人の富裕層が集う政治団体「パトリアティック・ミリオネアズ」の代表である。彼らの目的は、自分たち富裕層への増税と最低賃金の引き上げである。
パール「私は多くの貧困層が所得を増やして中間層に入れるようにしたい。それは投資家や実業家にとっても良いことだ。お店で物やサービスを購入できる中間層の人々が増えるからだ」
「私たちは資本主義の終焉を目指しているわけではない。現在は一握りの富裕層がしかるべき負担をまぬがれ、過剰な利益を得ている状況だ。これを認めることはできない」
格差を縮小することが、経済活動のエンジンになる。そう考えて壮大な実験を始めた企業がある。グラビティ・メイメンツ社(カード決済代行/社員130人)だ。
ダン・プライスCEO(31歳)は、去年、全社員の給料を3万5千ドルから7万ドルに引き上げた。100万ドルあった自分の報酬を1/10以下にカットすることで実現した。そして社員のモチベーションは上がり、この1年で業績は2倍になった。またこの一年で11人の社員に子供が誕生した。結婚した社員も10人になった。
資本主義が誕生してから200年余り。今、資本主義とは異なる新しい形が生まれつつあるとする人がいる。
ジェレミー・リフキン(文明評論家)「私は2050年の世界で、資本主義が経済活動のすべてを支配しているとは思えない。”共有型経済”が資本主義と並び立つ存在になっているでしょう。
「共有型経済」とは、お金のやり取りをする資本主義ではなく、お金を介さずに物やサービスを分かち合う新たな経済である。今、世界で急速に広がっている。
その先進地の一つオランダでは、あらゆる日用品を無料で貸し出すシステムが4年前から始まった。アムステルダムでは人口の5%、およそ4万人が登録している。
去年、貸し借りされた品物の総額は10億ユーロ(約1130億円)相当と、前年の5倍になった。食事のおすそ分けサービスもある。材料費とほぼ同じ値段で希望者に提供される。これまで25万食が人々の間を行き交った。
リフキン「共有型経済を止める術はもはやありません。資本主義と社会主義以来の全く新しい経済システムだからです。GDPには入らないが」
(以上)
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