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(回答先: 資本主義 世界で相次ぐ”異変” 成長は続くのか〜TJ教授「否・資本主義の原動力だった植民地等のフロンティアの喪失」 投稿者 仁王像 日時 2016 年 10 月 17 日 22:00:00)
(10月22日Nスペ)
〔資本主義 第2集 国家超vs巨大企業〜富をめぐる攻防〕
エクアドルでは海外から誘致した大企業から次々に損害賠償請求を受け、賠償額は国家予算の5割に上っている。
巨大企業が国家を訴える裁判が今多発している。その数、世界でおよそ700。
その一方で富を求め、国境を越え巨大化していくゴローバル企業。世界最大のIT企業アップルの収入は、すでに一社で200か国の国家収入を上回っている。
国家と企業が手を携えて発展してきた資本主義だが、歴史上初めてその力関係が大きく変わり始めている。
エクアドル外務大臣「貧しい国よりも権力を持つ企業が数多くある。しかしそれを統括できる機関やルールがない」
そして今さまざまな手段で法人税などを軽くする「租税回避」が国際的な問題になっている。その額、世界でおよそ2400億ドル。
ジョン・クリステンセン(経済学者)「租税回避は国家の機能を揺るがす事態になる」
変貌する資本主義、それは今、国家のコントロールを越して新たな次元に突入し始めている。
国の歳入(収入)のベスト100を並べると、表のように米、中国、独、日本、仏…などになる。
ここに企業を入れると、9位カナダ、10位にwalmart、11位スペインとなり、14位以下に続々と企業が入り、ベスト100の中に70の企業が入る。
国境を越えてグローバル化する巨大企業、今世界の国々との間に激しい軋轢が生まれている。その代表例が「税金」である。
アップルは米国に本社を置き法人税を納めているが、3年前会社のトップ3人が上院の公聴会に呼ばれた。そこで追求されたのは、「この5年間法人税の一部を払っていない」ということだった。議会はアップルが米国に収めるべき法人税の一部を税金の安いアイルランドで納税したと主張(「租税回避」)。その額90億ドル。
アップルは法人税は法に則りきちんと払っておりすべて合法的だと反論。法律上の問題はないとされ、議会もそれ以上追及しなかった。
グローバル企業は、企業収益の高い部門を本社ではなく、法人税の安い現地法人の一部門にすれば、収める税金が安くなる。法律に則っているため違法ではない。しかし、グローバル企業が巨大化するなか、租税回避が拡大。OECDの試算ではその額2400億ドル(25兆円)、世界の法人税のおよそ1割の額となった。
本来なら税金として国が徴収し、国民に行政サービスとして還元すべきお金が消えていることになる。
J・クリステンセン「租税回避は多くのグローバル企業が行っていると見られる。こうした動きが続けば、国家の機能を揺るがす事態になりかねない」
租税回避を加速させているのが、世界各国で行っている法人税引き下げ競争である。たとえばヨーロッパの国々で2000年と今を比較すると、多くの国で税率の引き下げが起きている。自国の企業の競争力をアップさせるとともにグローバル企業を取り込むことが狙いだ。
アップルとの関係が指摘されたアイルランドでは群を抜いた引き下げをした(12.5%)。その結果、米国企業700社を誘致し、14万人の雇用を生み出す効果もあった。
今年8月、この問題をEUがアイルランドとアップルに対し強い疑義を呈した。
欧州委員会・委員「アップルがアイルランドで受けた税の優遇はEU法に照らして違法だ。130億ユーロの追徴課税を払わなくてはならない」
EUが示した資料では、アップルが全欧州で得た全利益はアイルランドに計上。アイルランドではほぼすべての利益がペーパー・カンパニーに配分され課税されなかった。それはアイルランドがアップルに違法な税の優遇措置を与えたと結論づけていた。アップルとアイルランドは強く反発、ヨーロッパ司法裁判所への提訴を検討している。
このEUの対応を巡っては、オバマ政権も米国に払われるべき税金がEUに流れる、と懸念を表明した。
巨大化するグローバル企業と国家。その力関係の変化を象徴する深刻な事態が各国で起こっている。グローバル企業による国家を相手取った巨額裁判である。その数109か国でおよそ700件。
その一つエクアドルでは、石油会社への賠償や訴訟で現在係争中の裁判は8件。中でも米国の石油会社との争いでは、この一件だけで、95億ドル(約1兆円)。国家予算の1/3に当たる巨額である。
この油田ではアクアドル政府と米国大手石油会社が採掘を行ってきが、1992年に契約は終了し企業は撤退した。ところが石油の採掘の終わったはずのところから今も原油が漏れ続け、近隣住民に深刻な健康被害が出ている。この責任をめぐっての裁判。
世界で多発するグローバル企業による国家を相手取った裁判だが、その背景にはISD条項という協定がある。これは企業が外国に進出する場合、相手国との間で結ばれるルールである。グローバル企業を呼び込みたいとする国家が増えてきたため締結するケースが増加。それとともに裁判の数も急激に増えている。
エクアドルの場合、訴えられた件数は22件。すでに結審したものだけで賠償額は200億円に上る。行政サービスのカットなどで国民生活にさまざまな影響が出て来ている。
これまでにない動きも始まっている。
@ホンジュラス(人口800万人)では、全国21カ所に準備している経済特区である。ここの特区ではホンジュラスの法律がほとんど及ばない。国民の側からは大反対の声も。(以下、略)
Aジャック・アタリの提言。「資本主義経済はグローバルでも、国家はグローバルな形になっていない」。そこで提言するのが、EUや国連の上に国同士の利害を調整できるする「世界政府」のような組織をつくること。(以下、略)
Bパトリ・フリードマン(40歳、新自由主義を唱えたM・フリードマンの孫)の提案は、海上に浮かんだ人口の島に、一から国を造ろうということ。数千人の投資家が支持。(以下、略)
Cスペイン南部の小さな村マリナレダ(人口3000人)では、30年間村長を務めてきたマゴツヂージュさんは、衣食住の分野では競争を持ち込まないルールとした。つまりビジネスの対象にしないということ。
住まいでは個人の土地所有は認められず、土地は村が所有し、15ユーロ/月で貸し出している。食糧は村営の農場で生産、村民には安い値段で配られる。最低限の生活にはお金がかからず安心して暮らせるという。
その結果、過疎に悩む村が多いスペインにあって、若者の移住が急増。若い労働力が増えたことで村営ビジネスの生産性も上がっている。(以下、略)
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