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資本主義 世界で相次ぐ”異変” 成長は続くのか〜T・ジャクソン教授「否・資本主義の原動力が止まった。それは植民地等のフロンティアの喪失である」/Nスペ
(10月16日、Nスペ)
〔資本主義 世界で相次ぐ”異変” 第1集 成長は続くのか〕
国家を上回る富の力で地上に君臨する巨大グローバル企業。南米では巨大企業に追い詰められている国ーエクアドルがある。エクアドル大統領「石油会社への賠償・訴訟で半年で11億ドルが奪われた。とても厳しい大打撃だ」
エクアドルでは「資本主義反対!」の大規模なデモも。
ヨーロッパに拡大する深刻な失業率。見えない将来への不安と怒りが渦巻いている。
これらの異変は人類の繁栄の終わりを告げているのではないか、と知の巨人たちは今一斉に警鐘を鳴らしている。
ローレンス・サマーズ(元米財務長官「人類史上経験したことのない事態がいま起きています」
ジャック・アタリ(仏・経済学者)「現代はまさに資本主義の歴史的転換点なのです」
人類を繁栄に導いてきた資本主義。その先に何があるのか? そして成長は?
深刻な問題として専門家が注目しているのがヤング・ホームレス(16〜25歳)。英国では、仕事も家もない若者が去年8万人を突破した。今まで中高年が借金やリストラで陥ってきたホームレスだが、ヤング・ホームレスは若い労働力が就職できないなどの状態で陥ること。経済成長の出発点が崩壊していることを示している。
今英国の産業全体にも深刻な影響が広がっている。製造業や貿易などの幅広い領域で成長が低迷。今年のEU離脱の決断にはこうした経済停滞が背景にあったと指摘されている。
ラウル・ルパレス(シンクタンク代表)「英国の歴史を考えると、こんな事態に陥ったことに誰もが驚いています。まるで資本主義が役目を終えてしまったかのようです」
これは単なる不況ではなく、資本主義の根幹に関わる異変ではないかと専門家が懸念するのは、問題が英国だけにとどまらないかだである。
停滞を繰り返しながらも成長してきた世界だが、2008年(リーマン・ショック)を境に状況が一変する。欧州ではマイナスに転落、日本、韓国も停滞から抜け出せなくなった。
サマーズ教授は、これまでの不況とは全く異なる「長期停滞」という現象だと指摘。
サマーズ「金融危機や不況は感染症のようなもので治療すれば治る。しかし長期停滞は、いわば慢性的な病気でどんどん社会を衰弱させていく。その結果、投資がなくなっていきそれが若者の失業とスキルの喪失につながるという負の連鎖を産み出します。そうなると社会全体で将来への悲観論が支配的になり、さらに景気が後退していくのです」
マービン・キング(イングランド銀行総裁/当時)が追求してきた低金利政策を極限にまで下げても成長が上向かないのだ。資本主義のこれまでの常識が通用しない事態が起きているという。
マービン「”見えざる手”が成長を続けさせてくれると信じてきたが、資本主義が安定した世界を保つという物語は誤りだったことが分かってきた。われわれは恐ろしく不透明で何が起きるか分からない世界に生きているということなのだ」
なぜ成長は限界だというのか、
ティム・ジャクソン(サリー大学教授)は、資本主義の原動力が止まったからだと指摘する。それはフロンティアの喪失である。フロンティアとはなにか。
先進国の経済も出発点は自国の開拓からであった。しかし産業や資源は限られ成長はすぐに頭打ちになる。そこで利益の増幅を目指し植民地などのフロンティアへと進出。そこで安い労働力や新たな市場を拡大することでさらなる成長へ結びつけていく。
20世紀になると新興国への投資や貿易も開始する。まるでアリが巣を広げるようにより外へより遠くへと成長の源泉を求め自国の経済規模を膨らませていった先進国。しかしその爆発的な成長も限界が見え始める。
米国の例で見ると、1960年代、アフリカ大陸を中心に72か国にフロンティアを拡大、80年代に入るとミクロネシアの国々にも取引を広げ、急成長を遂げる中国との貿易も増大していく。
しかし2000年を過ぎた頃、フロンティアは世界150カ国に行き渡り、そこから得られる富も限界に達する。
ティム・ジャクソン「人類の欲望は地理的限界を棚上げし無限の成長を続けられると思い込ませた。しかし先進国の経済は目に見える形で減速した。この方法では、もう成長できないのことが分かったのです」
地理的フロンティアが消える中、新たに生み出した「金融空間」。実態経済の3.6倍の金融資産に達した。がリーマンショックのあと頭打ちになった。多くの経済学者が世界にはこれ以上フロンティアは存在しないと指摘するようになった。その証拠がある異変に、
ジャック・アタリ「経済における不正や腐敗、犯罪のまん延などが大きな問題となっている。民主主義や公益を守ることを資本主義が見失うと、それは破滅の始まりと言える」
それは大企業の不正である。信頼と実績を積み上げてきた世界有数の企業にかつてでは考えられなかった事件が相次いでいる(フォルクスワーゲン、バークレイズ、USB等)。
なぜ大企業による不正多発が成長の限界を示しているというのか。USBの取引で2400億円の損失を出した首謀者への取材でその一端が明らかになった。ならず者トレーダーとして逮捕されたクウェク・アドボリ(元USBトレーダー)。
アドボリは、成長が減速した組織で利益を上げるには不正に手を染めるしかなかったと語った。「銀行は瀕死の状態であり、危険な方法だったが不正な取引以外選択肢がなかった」と。
ロバート・ライッシュ(元米労働長官)は、成長が限界に近づくなか資本主義そのものが変質し始めていると警告している。
ライッシュ「いわば”スーパー資本主義”とも言うべき異質なものが生まれようとしている。より早くより効率よく、より手ごろなものを過剰なまでに追求するシステムに変貌している。企業はあらゆる手段を使って競争を生き残ろうとする。行き過ぎた資本主義は弱肉強食のジャングルのような世界を作り上げているのです」
(以下、略)
以下ではAIが金融の世界を大きく変えようとしている、や新たなイノベーションが停滞を打ち破る議論もある…云々。
- 米国の大富豪たちは巨額の献金で国家の行く末を左右〜一方、資本主義とは異なる「共有型経済」もすでに世界で急速に広がっている 仁王像 2016/10/24 20:26:35
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- 資本主義 国家vs超巨大企業〜富をめぐる攻防〜これまでにない動きも〜スペインの小村では衣食住に競争制限/Nスペ 仁王像 2016/10/23 08:52:45
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