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(回答先: 米国がアルカイダを壊滅させるために白羽の矢を立てたのが、アル・バグダディだ。(だが)イスラム国は怪物だ/アルカイダ幹部 投稿者 仁王像 日時 2015 年 7 月 27 日 20:04:08)
序 「イスラム国」はイラク戦争とシリア内戦で生まれた/酒井啓子
≪「イスラム国」の異質性≫
第二に指摘できるのが、「イスラム国」が敵とする対象の違いである。彼らが真っ先に攻撃対象にするのはアメリカそのものではなく、シーア派のような(彼らから見た)「不信仰者」やヤズィード派などの「異教徒」である。アルカイダはアメリカという「遠くの敵」を攻撃対象とした。遠くの敵を本国まで追いかけて起こした最大の出来事が、9.11アメリカ同時多発テロ事件であろう。だが、「イスラム国」は、制圧した地域のなかに存在する「内なる敵」を攻撃・排除することに、もっぱらの関心を寄せている(英米人人質の処刑などは、米政府などの空爆への反撃としてのことだ)。
イスラエルに対する攻撃姿勢を示さないのも、アラブ、イスラムの武装組織としては珍しい。パレスチナ問題に無関心のように見える点が、従来からすれば異質である。
≪イラク戦争が生んだ「反シーア」意識≫
イラク戦争でフセイン政権が打倒され、イラクでシーア派のイスラム主義政党が政権与党となった。重要なのは、単にシーア派という出自ではない。このとき政権を取った政党が、思想的にイランのイスラム体制と類似したイスラム主義を掲げる政党だったことだ。そのことに、周辺のアラブ諸国は不安を隠せなかった。(サウジでの反シーア派運動など、さまざまな宗派対立が激化)
2014年、大手アラビア語紙「ハヤート」が報じた世論調査では、回答の9割以上が「「イスラム国」はイスラム法的に合法としたという。
≪宗派対立の代理戦争としてのシリア内戦≫
ところで、「反シーア派」意識を強く抱いていた民間人が、個人として「イスラム国」に資金援助する例は、複数あると言われるが、政府として湾岸諸国が関与したという証拠はない。しかし、アサド政権打倒を主張する周辺諸国がそれぞれ反アサド勢力に協力する過程で、それらの反政府勢力が「イスラム国」に打倒・吸収され、保有する財産を接収されていったことは、十分考えられることである。
モンスター化した「イスラム国」に最も怯えているのは、それをつくり出したトルコやサウジに違いない。
【出典】「イスラム国の脅威とイラク」吉岡明子・山尾大編/岩波‘14年
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