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大富豪投資家ジム・ロジャーズ氏の奇妙なコメント
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/633.html
投稿者 中川隆 日時 2015 年 8 月 10 日 23:15:14: 3bF/xW6Ehzs4I
 

2015年03月21日 大富豪投資家ジム・ロジャーズ氏の奇妙なコメント

投資に関心がある方なら、名前ぐらいは誰でも知っている米国の大富豪のひとり、ジム・ロジャーズ、この方がどういう投資で儲けて来たのか、私はほとんど知らないのだが、時々見かけるコメントには奇妙なものが多い。

目についたので以下に引用、コメントしておこうか。


引用元記事:「ジム・ロジャーズ独占インタビュー『私もしばらくは日本株を買い続ける』 世界3大投資家には、その先まで見えていた」

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42501

1. 奇妙コメントその1:「円はこの3年間で、ドルに対して40%以上価値が下がりました。これは驚くべきことです。世界史の教科書をひっくり返してみても、たった3年の間に主要国の通貨が40%以上も価値を下げたなんて事例は見つかりませんからね。だから、このような円安が続くことになれば、最終的には日本経済が破壊されることになるでしょう。」



事実:ドルは対円で1985年年初の250円前後から3年後には120円台に下落、約50%も価値を下落した。 また円を含む主要先進国通貨に対する加重平均で見ても、同3年間にドルは約40%下落した。



_______


2.奇妙コメントその2:「為替の問題はとても難しい。適正なレートなど、実際は存在しないからです。」



事実:私の読者、ブログのリピータの方々はご承知の通りだが、為替相場は相対的購買力平価に対する乖離と回帰を繰り返し、長期的には相対的購買力平価に収束する。これは経済学界で広く認められている実証的な事実だ。つまり適切な物価指数で計算された相対的購買力平価が長期的に適正な相場(均衡値)と考えられている。



_____

3.奇妙コメントその3:「3兆ドルをプレゼントしてもらえば、誰だってハッピーになります。FRBがそれだけのおカネを刷って、ばらまいているから、おカネが回ってくる人たちはハッピー。ただそれだけで、実体を伴っていない。だから私は今は、アメリカ株を買いません。」



これは明らかにFRBの量的金融緩和のことを言っているのだが、FRBから「お金のプレゼント」をもらった人(機関)は誰もいない。 量的金融緩和政策では、金融機関が国債や証券化債券をFRBに売り、その対価としてFRBに金融機関が保有している当座預金にマネー(ベースマネー)を振り込んだだけだ。つまり民間金融機関の資産構成が変わっただけのこと。



しかもこのベースマネーは、一般な通貨の定義であるマネー供給量(紙幣発行残高+個人や法人が銀行に保有する流動性預金残高)には含まれない。 マネー供給量(マネーストック)が増えるのは次の2つの場合のみだ。@ベースマネーを見合いに銀行の貸出が増え、その結果同時に預金が増える。A国債などを保有していた個人や法人から銀行がそれを買って、対価を売り手の預金口座に入金する。


ロジャース氏の学歴はwikiによると以下の通りで、なかなかの高学歴である。

「1964年 - エール大学を卒業(学士)。オックスフォード大学へ留学、1966年 -同大学卒業(修士)」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BA

またwikiには次のようにも記載されている。 「いつもポジションをとるのが早過ぎるとして、下手なトレーダーを自称している。 クォンタム・ファンドを2人で始めたときは、ジム・ロジャーズがアナリスト的な役割で、ジョージ・ソロスがトレーダー的な役割だったと、ジャック・D・シュワッガーの著書「マーケットの魔術師」で答えている。また、ジョージ・ソロスも自著"Soros on Soros"の中で、クォンタム・ファンド運営ではジム・ロジャーズがアナリストだったと述べている。」

ソロスとコンビを組んで大富豪になった元アナリストが、なぜ1985年のプラザ合意前後のような大きな相場変動局面について事実関係を正しく認識していないのか(その1)、大学の経済学部で読む教科書(金融論、国際金融論)に書かれていることを理解していれば言わないような間違いを言うのか(その2と3)、私にはわからない。 

大富豪投資家のバフェットさんの語りには、私は高い知性を感じるが、ロジャーズ氏には感じることができない。

もしかしたら昔は敏腕だったが、その後は勉強・調査もすることなく、脳の老化現象が進行しているのかもしれない。
http://blogos.com/article/108410/  

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コメント
 
1. 2015年10月06日 06:14:23 : b5JdkWvGxs

563 :山師さん:2015/10/06(火) 00:44:02.47 ID:WR8yJq62

どうせジムロジャーズあたりが買ってるんだろ
あいつ思ってる事の逆ばっかり言うから


2. 中川隆[5308] koaQ7Jey 2016年12月06日 21:06:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5743]

親日家のジム・ロジャーズが「日本経済の破滅」を予想する最大の理由=東条雅彦
2016年12月6日
http://www.mag2.com/p/money/28582


12月3日、ジム・ロジャーズの講演会を聴くために、東京ビックサイトまで行ってきました。私が確認したかったのは、「このままアベノミクスが突き進めばどうなるのか?」の一点です。

しかし、やはり今までの考えが覆るようなエビデンスは見つからず、私の結論も変わらずです。むしろ、後押ししてしまった感じです。2013年の開始当初から、アベノミクスに懸念を表明してきた投資家の一人がロジャーズでした。

講演会ではメディアに出ていない情報もキャッチしましたが、まず本稿では、ジム・ロジャーズの近年の発言・主張を振り返って、その「日本悲観論」の理由を明らかにしたいと思います。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資〜雪ダルマ式に資産が増える52の教え〜』東条雅彦)

日本経済の将来を「全否定」する天才ジム・ロジャーズの真意とは?

日本は素晴らしい国だが、投資はできない

ジム・ロジャーズは、一貫してアベノミクスを非難しています。

アベノミクスが始まったのは2013年からです。ロジャーズは、安倍首相がアベノミクスを宣言した直後から日本株を購入して、アベノミクス相場の初動では利益を拾っています。

ロジャーズ自身はとても日本のことが好きで、文化的には素晴らしい国だと評価しているのです。

【関連】株も不動産も奪われる! 預金封鎖よりも怖い「財産税」の傾向と対策=東条雅彦

しかし、日本経済の将来の見通しについて尋ねると、急に顔を曇らせて、「全否定」をし始めます。ロジャーズは、「私たちのような投資家にとっては良いかもしれないが、長期的に見れば、このような政策は破たんを招く」と言って譲りません。

本稿では、その一貫してぶれないロジャーズの発言を、関連する経済データと合わせて検証してみます。

アベノミクスの失敗を予言(2013年10月)

アベノミクスの一本目の矢とされる「日銀の異次元緩和」は、2013年4月4日に実施が発表されました。「2%の物価安定目標」を達成するまで継続することが決定されます。
◾物価安定の目標は「2%」(CPI前年比)
◾達成期間は「2年」を念頭にできるだけ早期に
◾マネタリーベースは2年間で「2倍」に
◾国債保有額・平均残存期間は2年間で「2倍以上」に

「2」という数字をキャッチフレーズに、アベノミクスはのろしを打ち上げました。そのアベノミクスの開始から半年後の2013年10月15日、『THE WALL STREET JOURNAL』に掲載されたジム・ロジャーズの発言が以下です。


Q:
日本についてはどうか?

A:
日本株は相場が上昇した後の5月に売却したが、それでも少し早過ぎたかもしれない。というのも、これだけの流動性があれば日本株はもっと上昇し得るからだ。パーティー会場を後にした後、そこに戻るべきか否か考えていたが、自分が疑わしいと思っていることにかかわって良かったことはあまりない。

Q:
日本にとっての長期的な問題とは何か?

A:
日本の根本的な問題は人口動態だ。移民を受け入れたり、出生率が上がったりすれば、日本はとても魅力的になり得る。しかし、そうはなっておらず、財政出動もやめなければならない。日本は世界最大の対内債務国だが、安倍首相はさらに政府支出を増やすつもりだという。この10年間ほど、世界中の政治家たちが、過剰債務という問題をさらなる債務で解決すべきだと言っていることに私は驚がくしている。

出典:通貨不安に要注意―伝説的な投資家であるジム・ロジャーズ氏に聞く – THE WALL STREET JOURNAL

別に、日本政府は「債務問題をさらなる債務で解決しよう」とは一言も言っていません。しかしジム・ロジャーズは、最初からアベノミクスの本質を見抜いていました。

私たちは、政府筋の情報や経済学者よりも、投資家から情報を収集すべきです。このような本質を見抜く力がずば抜けているため、ジム・ロジャーズは成功してきたのです。

あと、ちゃっかりアベノミクス相場の初動で儲けたことを告白していますね。実は、ジョージ・ソロスもまったく同じ行動を取っていました。


2013年、アベノミクスの量的緩和政策による円安相場で10億ドルの利益を得る。また同年にクォンタム・ファンドは、55億ドルもの利益を上げた。これはヘッジファンド史上最高額であるという。

ジョージ・ソロス – Wikipedia

一流の投資家は、こういうチャンスを絶対に見逃しません。

ジム・ロジャーズ「安倍首相の施策は日本を破壊」(2014年11月)

2014年11月12日、日本経済新聞に「安倍首相の施策は日本を破壊」という、少し過激なタイトルの記事が掲載されました。次にその一部を引用します。


Q:
日銀が追加的な金融緩和を発表するなど、アベノミクスを巡る新たな動きが目立ちます。どのように評価していますか。

A:
安倍首相の施策は日本を破壊している。日銀による追加的な金融緩和はさらに円安を進めて市場を喜ばせ、安倍氏の再選を狙うものだろう。私のような投資家や、一部の輸出企業には良い。だが、若者をはじめとする大半の日本人には悲惨なことだと思う。日本は対外的には債権国だが、対内的な巨額の債務を賄いきれなくなっている。なのにもろもろのコストは上がり、生活水準が低下するからだ。

歴史的にみても、自国通貨安で本質的に経済が救われた例はない。欧州や南米の様々な国が試みたが、一時的な刺激にはなれど長期的には成功しなかった。年金資産の運用見直しや少額投資非課税制度(NISA)導入など、投資家にとって良い政策もあった。

だが、大きな流れを誤っており、あの時にお札を刷りすぎて問題を深刻にしたのだと10年後に振り返ることになるのではないか。

出典:ジム・ロジャーズ氏「安倍首相の施策は日本を破壊」 – 日本経済新聞

「自国通貨安で本質的に経済が救われた例はない。欧州や南米の様々な国が試みたが、一時的な刺激にはなれど長期的には成功しなかった」この点はとても重要でしょう。

歴史的なデータを重視するのが、ロジャーズの思考法です。結局、人類の歴史は同じことを繰り返している、という主張が根底にあります。バフェットもロジャーズと同じように「歴史」に着目しています。

「我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ」とは、ウォーレン・バフェットの言葉です。


ジム・ロジャーズ「トランプ大統領で世界経済は変わらない」(2016年12月)

こうして過去の発言を振り返ると、ジム・ロジャーズは日本のことが嫌いなのか!? と感じてしまいますが、別にそういうわけではありません。

むしろ、ロジャーズは日本のことが好きで、来年、2人の娘を日本に連れてくる予定だと楽しそうに話していました。

ロジャーズが嫌っているのは、日本政府や企業の「過剰な債務」です。2016年12月3日、ジム・ロジャーズが来日しました。彼は東洋経済のインタビューに応じて、次のように述べています。


Q:
トランプ大統領の誕生で世界経済はどう変わりますか。

A:
一喜一憂をするべきではない。トランプ氏が大統領になったからといって世界経済のファンダメンタルズが大きく変わるわけではない。問題は世界の国々が借金を抱えすぎたため経済成長にブレーキがかかり、今の世代が親世代より豊かになれなくなっていること。その子ども達は、さらに豊かになるのが難しい。

こうした状況の中、世界中の人々が不満を抱えており、そこにシンプルな答えを掲げた人が白馬の騎士のように現れて『救ってあげよう』と言えば、誰もが熱狂してしまう。

米国だけでなく欧州やアジアなど、世界中で同じことが起きている。しかしそれで解決するほど問題は単純ではない。一人の指導者に過剰な期待を持つべきではない。

出典:ジム・ロジャーズ氏「日本株も円も買わない」 – 東洋経済

ロジャーズは、日本のみならず米国政府の抱える負債についても警戒しています。こちらの表は、先進各国の債務残高の対GDP比の推移です。

債務残高の国際比較(対GPP比) 出典:財務省Webサイト
http://www.mag2.com/p/money/28582/2


驚くほどの勢いで、債務残高が積み上がっています。日本の232.4%という値は、世界で最もGDPに比べて債務が大きくなっています。2001年の144.4%という数字ですら、ましに見えてしまうほどです。

また米国の債務残高(対GPP比)は、2001年にはたったの50.7%でした。それが今や111.4%に達しています。日本、米国、英国、フランス、イタリア、ギリシャの6ヵ国は、債務の膨張が止まらなくなっています。

このような状況を受けて、ロジャーズは次のように述べているのです。


Q:
2017年、世界経済はどう推移するでしょうか。

A:
心配だらけだ。中国が債務国になるだろうし、欧州では政治的な混乱が避けられない。おそらく、いくつかの国、いくつかの大企業が破綻するだろう。サプライズの多い年になる可能性があるように思う。

出典:ジム・ロジャーズ氏「日本株も円も買わない」 – 東洋経済

では、そもそも、なぜ政府の債務膨張は止まらなくなっているのでしょうか?

歴史上、政府は「r>g」の状況下で財政破綻を回避できない

2014年から2015年にかけて、トマ・ピケティの書籍『21世紀の資本』が世界的な論争を巻き起こし、一大ブームになりました。古代から現在まで統計データを集め、導き出した結論が「r(資本収益率)>g(経済成長率)」という1つの公式でした。

今までなんとなく、「労働者よりも資本家の方が儲かるのでは?」と感じていた命題を、統計的なデータを使って証明した功績は大きいでしょう。

実はこの公式「r>g」が、今の経済の構造的な問題をよく表しています。

「r>g」の意味を簡単に言うと、株価が上昇すれば投資家は儲けられるが、株式などの資産を持っていない人たちにとっては何の利益にもならない、ということです。

「リストラを実施する」というニュースが流れると、労働者は職を失って、収入が減ってしまいます。一方で、「リストラ」のニュースを好感し企業の株価が上昇して、投資家(資本家)の収益は上昇していきます。

政府も、立場としては労働者と同じで、株価が上がっただけでは何の利益にもなりません。政府の収入源は「税収」のみであり、経済成長率(g)に依存しているからです。

21世紀に入って、先進各国が経済政策を実施しているのに、イマイチ景気が盛り上がらなくなってきました。日本では、バブルが崩壊した1990年前半以降、何をやってもダメでした。

そしてついに日銀は、「日経平均株価に連動するETFと不動産投資信託(J-REIT)を、それぞれ年間8兆円/900億円買い切る」という政策を実施し始めました。

このETF買い入れは、他国の中央銀行が一切手を出してこなかった「禁じ手」です。従来の「量的金融緩和」と区別するために、「質的金融緩和」と呼ばれているものです。しかしそんな禁じ手を使っても、名目GDPはそれほど上昇していません。

日経平均株価(年次)

2012年 10,395円
2013年 16,291円 (前年比 +56.7%)←アベノミクス開始
2014年 17,450円 (前年比 +7.1%)
2015年 19,033円 (前年比 +9.0%)
2016年 18,426円 (前年比 +3.1%)

日本 名目GDP/名目経済成長率

2012年 475.3兆円
2013年 479.0兆円 / +0.7%
2014年 486.8兆円 / +1.6%
2015年 499.2兆円 / +2.5%
2016年 504.9兆円 / +1.1%

日本政府 一般会計税収の推移

2012年 43.9兆円
2013年 47.0兆円 (前年比 +7.0%増)
2014年 54.0兆円 (前年比 +14.8%増)
2015年 56.4兆円 (前年比 +4.4%増)
2016年 57.6兆円 (前年比 +2.1%増)

質的金融緩和により、アベノミクスの初動では日経平均株価が56.7%も上昇しました。その翌年の2014年の税収は47.0兆円から54.0兆円に増えましたが(14.8%増)、「r>g」であることには変わりがないのです。

ジム・ロジャーズが語った「不都合な事実」(2014年3月)

前述のようにジョージ・ソロスは、このアベノミクスを活用して10億ドルもの利益を上げました。ジム・ロジャーズも同様にアベノミクスを活用して儲けたことを明かしていましたが、2014年のインタビューでは次のようにも話しています。


現実をよく見れば、1億人を超える日本人のほとんどが幸せにならずに、一部のトレーダーや大企業だけが潤っている。

それが果たしてよい政策といえるでしょうか。

安倍首相の答えは「イエス」でも、多くの日本人にとっては「ノー」でしょう。

3月11日の会見で日本銀行の黒田東彦総裁は慌てて否定をしていましたが、いま日銀が追加の金融緩和をするのではないかと囁かれています。

これも馬鹿げた話です。

追加緩和を実施すれば株価が上がるので株のトレーダーはまた大喜びするでしょうが、多くの日本人にとってはコストアップという形でより首を絞められることになるだけです。

追加緩和への期待感がマーケットでしか騒がれていないことが、いかにも象徴的です。

出典:「世界一の投資家」に独占インタビュー ジム・ロジャーズ「日本経済に何が起きるのか、教えましょう」 – 週刊現代

ここでジム・ロジャーズは、彼の立場であれば別に言わなくても良いことまで、正直に話しています。

国民の大半が儲けられず、一部のトレーダーや大企業だけが儲けても、「税収増」には直接、繋がりません。「質的金融緩和」は、資本家や投資家のためにはなりましたが、国民生活の「質」は何ら向上しませんでした。

ピケティが導き出した「r>g」は、古代から続いており、政府も、古代から破綻を繰り返してきました。ジム・ロジャーズの主張は、現在の経済システムの抱える根幹的な問題を指摘しており、解決が難しいという現実があるのです。


筆者が日本の破綻に備える理由

私は、日本の政策の失敗に備えて、ある程度、「保険」をかけておきたいと考えています。現在、取得価格ベースでIBM株に6,500万円を突っ込んでいますが、有事の際に、これを取り崩して、本チャンをこかすようなことは避けたいなぁ〜と思っています。

AI革命が本格化すると言われているのは2020年以降です。今のIBMの業態が転換せず、株価が途中でバブル化しない限り、そのAI革命を見届けたいと願っています。

このホールド戦略をより強固なものにするためには、別の手段でのヘッジが必要だという考えに至ったのです。

ただ、保険とはいえ、例えば「日本国債ベアファンドを買います」と公言してしまっていいのかどうかは、迷う部分も正直あります。

「財政持続が不能になることに賭けている」のではなく、あくまで「単なる保険」であることを理解していただけると助かります。この件については、大まかには方針が固まったので、また別の機会にお話します。

ジム・ロジャーズ講演会で驚いたこと

ところで、今回のジム・ロジャーズ講演会には、株式、通貨(FX)、不動産、商品投資等、様々な投資分野に関心のある人が来ていました。おそらく、ロジャーズの投資対象が幅広いことに関係しているのかもしれません。

それで、たまたま会場の外のロビーで、不動産に投資している方と話しました。その方に「借り入れの際の金は固定ですか?変動ですか?」と聞いたら「全物件、変動金利ですよ(自信満々)」という恐ろしい答えが返ってきました。

もしかすると、ロジャーズが懸念している政府の債務残高の大きさと長期金利の変動を結び付けて考えていないのか…。

投資や経済について何も知らない人が「住宅ローンは変動金利です」というのはまだわかります(※しかし、その選択は間違いです)。現在のような歴史的な超低金利(政策金利が0%前後)の環境で、固定金利の支払いが大変なのだとしたら、元々の損益分岐点の設定を見直した方がよいのです。

固定金利に借り換えしておけば、有事の際には政府、企業、個人の持つすべての負債にリセットがかかって、逆に大儲けになります。そのため、普通の経済感覚の人は「固定金利」を選択しています。

負債を持っていない私でも、財政リスクの保険を検討しているぐらいなのに…。不動産投資をしていて、賃貸経営をやっている専業の経営者で、さらにロジャーズの講演会まで聴きにきていて、なぜ変動金利を選択するのか?

自動車を運転していながら、「自賠責保険に入らない」という選択があり得ないことは言うまでもありません。


3. 中川隆[5512] koaQ7Jey 2016年12月18日 06:57:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5949]

ジム・ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を1980年から振り返る2016年12月17日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5052

これまで何度も取り上げてきた著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、周知の通り逆張り投資家である。ブームになっている市場には目もくれず、投資家に見向きもされない市場、あるいは叩き売られている市場に投資をし続ける。

彼は1973年にジョージ・ソロス氏とクォンタム・ファンドを設立し、途方もないパフォーマンスを叩き出した後、1980年にヘッジファンドを引退、その後は世界一周などをしながら自分の資金を運用する冒険投資家となっている。

彼の逆張りの投資スタイルはその当時からのものである。今回の記事では彼の著書『商品の時代』に書かれた引退後の彼の投資に着目し、ロジャーズ氏の逆張り投資の歴史を紹介してゆきたい。

1980年代の米国株

ロジャーズ氏がクォンタム・ファンドを辞めた1980年までの十数年、アメリカの株式市場は不調続きだった。1970年代はアメリカ経済を高いインフレが襲った時代であり、物価は上がっても経済成長率は上がらなかった。

株価は1970年代を通じてほぼ横ばいである。物価が毎年10%も上がるなかで株価が10年も横ばいであれば、実質的には株式投資家は大損である。

誰もが株式市場に悲観的で、1979年のニューズウィーク誌の表紙には「株は死んだ!」と大見出しが踊った。しかしそうは思っていない投資家が居た。ロジャーズ氏は以下のように書いている。


そんなことはないとわたしは思っていた。1982年に公の場で、株の下落相場は終わった、おそらく今が買い時だと述べたとき、皆には気が狂ったと思われた。

しかしロジャーズ氏は周囲の否定的な反応をむしろ歓迎した。


もっとも、それはよい兆候だ。その頃には、自分は他人が投資しないところに投資して儲けてきたのだとわかっていたし、人々は株に対して臆病になりすぎていた。通念に逆らうべきときが来ていた。

その後アメリカの株式市場はどうなったか? 1982年からの相場と言えば、金融関係者ならば周知の通り、レーガノミクスによる歴史的な大相場である。景気減速を顧みない高金利によるインフレ退治が奏功し、1980年代には利下げを実行できる状況になっていた。政策金利のトレンドが反転したのである。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2016/02/2015-11-us-federal-funds-rate-historical-chart.png


この金利低下への大転換に株式市場は大いに反応した。株価は1982年の安値から1年足らずで50%も上昇した。


専門家連中は「売ったほうがいい。狂っている。急激に上がりすぎだ」と警告した。

しかし株価はそのまま上昇を続け、1987年のブラックマンデーまで実に3倍の上げ相場を演じることになる。当時の詳細は以下の記事で取り上げている。

•プラザ合意からブラックマンデーまでを振り返る
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/933


http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2016/12/1980-1990-s-and-p-500-chart.png


この上げ相場は結局、紆余曲折ありながらも2000年のドットコムバブルまで続くことになるが、その頃にはロジャーズ氏は別の市場を探していた。

2000年代のコモディティバブル

ロジャーズ氏が次に目を付けたのはコモディティである。つまり原油、鉛、砂糖、コーヒーなどである。

上で述べたように、1970年代はインフレの時代であり、中東戦争などによる石油危機、つまり原油価格の高騰がインフレの原因でもあった。しかし1980年代に入ってからはそれも収まり、その後はインフレ率下落の時代、つまりコモディティ市場にとっては低迷の時代に入ってゆく。

しかしロジャーズ氏は、中国などの新興国が莫大な人口増加を伴いながら成長していることに目を付けた。将来鉱物や農作物などの需要は急速に増加してゆく一方で、どの市場も供給が引き締まっていた。

時代はドットコムバブルである。誰もがマイクロソフトやインテルの話をしていた。ロジャーズ氏はそうしたバブルに目もくれずコモディティ市場のことを考えていた。


その頃毎週出演していたCNBCの番組で、コモディティ投資の魅力や、急成長している中国経済が原材料への需要をいかに押し上げるかについて話を始めた。案の定、こいつ、頭がおかしくなったんじゃないかという眼で見られた。またしても、だ。

しかし自分の分析を強く信じていたロジャーズ氏は、自分で作ったコモディティ指数に投資をした後、世界一周の旅に出かけた。シベリアや中国やアフリカを走り回った後、ロジャーズ氏がアメリカに帰ってきた時、株式市場はまさに彼の予想通りの結果となっていた。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2016/12/dot-com-bubble-nasdaq-chart.png


私たちが出かけている間に、ドットコムバブルは崩壊していた。あの苦しみを味わわずにすんで「運がよかったね」と人は言う。私は努めて寛大に振る舞った。

バブルの最中に「これはバブルだ」と言ってもほとんどの人は聞き入れないものである。だからロジャーズ氏はそうした市場に背を向けた。運が良かったのではない。そうした市場を黙殺する賢明さがあったのである。

一方でコモディティはどうなったか? 中国の経済成長や人口増加、そしてリーマンショックを引き起こしたアメリカの低金利によって大相場を演じることになる。原油価格は10年足らずで10倍になった。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2016/12/2000-2010-WTI-crude-oil-chart.png

結論

投資の才能とは何か、どうすれば投資で儲けることが出来るのかと聞かれることがある。勿論、投資にはある程度の頭脳も必要である。しかし一番重要なものは個人的には性格だと思っている。

誰もが狼狽売りをしている中で、暴落しているものを割安だと感じて買い向かうのは気力が要ることである。しかしそこにこそ利益の源泉がある。それを可能にするのがロジャーズ氏のような他人の逆を行く気質なのである。

彼のそうした投資スタイルは、彼の生き方にも表れているように思える。1980年にクォンタム・ファンドを辞めて以来、彼はヘッジファンド稼業を引退し、自分の資産のみを運用している。クォンタム・ファンドを辞めた時のことについては多くを語りたがらないロジャーズ氏だが、一方でパートナーだったソロス氏が当時のことを少し語ったインタビューが現存している。

•[動画] ジョージ・ソロスがジム・ロジャーズを語る
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/784


ジム・ロジャーズは私のもとで働いていた。彼は事実、素晴らしい証券アナリストだった。仕事が驚くほどに早く、8人分の仕事を1人で行った。だからわれわれのパートナーシップは当初、非常に上手く行った。しかし彼は、別のもう7人が彼の隣で働くことを拒否したので、われわれは袂を分かつしかなかった。

「彼は別のもう7人が彼の隣で働くことを拒否したので」のいう箇所が印象的である。

ここからは想像でしかないが、彼は恐らく、ファンドが大きくなってゆくことが嫌だったのだろう。今回引用した彼の著書『商品の時代』には、もしかするとその時のことを暗喩したのではないかと思われる箇所がある。


群から離れれば必ず群から批判され、罵倒されることになるのは身に染みてよくわかっていた。「頭がおかしい」と言われることになるのだ。しかし、それは投資家にとってむしろよいことだ。

そしてジム・ロジャーズ氏はクォンタム・ファンドで一稼ぎした後、自由に生きることに決めた。

ソロス氏と一緒にファンドを続けていれば、ロジャーズ氏の資産はより大きなものになったかもしれない。しかしロジャーズ氏は自由な人生を選んだ。それが彼にとって収入よりも優先されたのである。

そんなロジャーズ氏は自分の頭で考えることの重要さを強調する。


多くの投資家はアイデアだけを盗み聞きしてそれで儲かると思っていますが、とんでもない間違いです。何についても同じだと思いますが、勉強しなければ成功はないでしょう。自分の金を投資しようというのに、生半可なことでは話にならないのは当然でしょう。

金融業界に居れば、何が上がるのか、何が下がるのかを聞きたがる人々に何度も出くわすものである。そして経験則で言えば、そういう人々は何を誰から見聞きしようと例外なく損をする運命にある。何故ならば、自分の頭で考えないからである。

ロジャーズ氏が勉強をしろと言う時、その言葉には非常な重みがある。何故ならば、彼ほど世界中の市場を入念に分析している投資家はいないからである。「インドネシアのパーム油がどうなっているかを知らずにアメリカの製鉄株にどうやって投資できるだろうか?」。

投資とはそれほどの努力が必要なものなのである。常にそのことを忘れずに相場に向き合うとき、投資家はようやくスタートラインに立つことができる。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5052


4. 中川隆[7427] koaQ7Jey 2017年3月30日 22:25:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7908]

ロジャースが「ドルは消滅する」と言ったとたん、アメリカ経済は回復し始めた。
中国が超大国になるから中国人になるとも言っていた。


冒険投資家Jロジャーズも2008年ごろは「子供を中国に移住させ、自分も中国人になるつもりだ」と述べるなど大変な入れ込みようだった。


「中国人はアメリカの4倍いるのだから4倍のガソリンを消費し、4倍の買い物をする」だから中国人になれば世界一の投資家になれると言っていました。

その後中国の失速が明らかになるとロジャースは中国の話をしなくなり、ベトナムとかミャンマーとか怪しげな国を「将来有望だ」と言っていました。
http://www.thutmosev.com/archives/70226723.html


5. 中川隆[-7336] koaQ7Jey 2017年6月26日 16:15:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

逆張り投資家のジム・ロジャーズが「十分な調整」が完了したと判断する基準とは


ジム・ロジャーズ氏: 金相場はまだ十分に絶望していない2017年6月25日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/6464

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを立ち上げた著名投資家のジム・ロジャーズ氏が、Forbesによるインタビュー(原文英語)で金相場について語っている。その切り口がいかにもロジャーズ氏らしいのでここに紹介したい。


暴騰し暴落した金価格

金価格は2008年の金融危機でアメリカが量的緩和を開始して以来、先ず金融緩和を好感して倍以上に暴騰し、そしてアメリカが金融緩和を終了すると暴落した。


http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2017/06/2017-6-25-gold-price-long-term-chart.png


1,800ドルから1,000ドル近くまで下落した金価格だが、ロジャーズ氏はまだ買い場ではないと言う。彼はゴールドに投資する基準について以下のように語っている。


価格が重要な決定要因だ。あるいは時期だ。もし今が2019年だったら、急いで金を買っているかもしれない。しかし金相場はまだ十分な調整を経ていない。

ロジャーズ氏は以前より先ずドルがバブルになると主張している。ロジャーズ氏はドルを保有しており、そのドルがバブルになる時、ゴールドが暴落するので、その時にはドルからゴールドに乗り換えると言っている。「今が2019年だったら」というのは、2019年であればその転換点に近づいているという意味だろう。

さて、逆張り投資家として知られるロジャーズ氏は、「十分な調整」について以下のように掘り下げる。彼にとって、40%程度の下落ではまだ足りないようである。


いまだ多くの買い方がいて、ゴールドを投資対象として好んでいる。人々が、もう二度とゴールドに投資したりしない、と言うとき、それがゴールドに投資すべき時期なのだ。

これは多くの事柄についての真実だ。金を含めて、どの投資対象であれ、すべての人がそれを窓から放り投げているときこそが通常買い場となる。現状では、まだあまりに多くの人々がゴールドを好んでいる。


ロジャーズ氏が好むのは、まだゴールドを買おうと底値を狙っている投資家が居る現状の金相場のようなものではなく、例えば数年前のロシア株のように、エネルギー価格の暴落と西側諸国の経済制裁に追い込まれ、大半の投資家が市場から逃げ出していたような状況を指すのである。ロシア投資はその後ロジャーズ氏に大きな利益を与えている。


•ジム・ロジャーズ氏: ロシア市場くらいしか買えるものがない
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5434


これまで無数のバブルと暴落を眼にしてきたロジャーズ氏にとって、40%程度の下落ではまだまだ絶望が足りないということなのである。

ファンダメンタルズか、心理的要因か

インタビューでは、ロジャーズ氏は金相場のファンダメンタルズに一切言及せず、投資家が十分に弱気ではないという心理的要因だけを述べている。

本来、金価格にはインフレとの関係や実質金利との反相関など、ファンダメンタルズから適正価格を割り出す方法が存在する。以下の記事で説明した通りである。


•米国マネタリーベース縮小で金価格が暴落する理由、インフレと金利の行方
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/6446


優れたアナリストであるロジャーズ氏は、勿論ファンダメンタルズ的な要因を否定しない。彼は以下のように述べている。


投資とは定量的な手法と直観的な手法の両方なのだ。もっと単純であれば良かったのかもしれないが、実際には投資にはあらゆるものが混ざっている。

ただ、「世界最悪の短期トレーダー」を自称するロジャーズ氏が売買のタイミングを決める時に頼るのは、これ以上ないほどに市場が弱気になっているということなのである。

クォンタム・ファンドでトレードをソロス氏に任せていたロジャーズ氏は、自分ではタイミングの決定が出来ないことを認めている。

だから、これ以上弱気になれないほど市場が弱気になるのを待ってからようやく重い腰を上げることで、失敗のリスクを最小限に留めているのである。彼は

『マーケットの魔術師』
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E9%AD%94%E8%A1%93%E5%B8%AB-%EF%BC%8D-%E7%B1%B3%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%82%8B%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%AE%E7%A7%98%E8%A8%A3-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BBD-%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%83%E3%82%AC%E3%83%BC/dp/4939103404/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&qid=1498380919&sr=8-1&keywords=%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E9%AD%94%E8%A1%93%E5%B8%AB&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=5b7d3f7ad25718dc3028e382a348b27a


におけるインタビューのなかで、この方針について次のように語っている。


私は道ばたにカネが落ちているまで待っている。私はただそこへ行って、拾い上げるだけだ。それまで何もしない。

「樽の中の魚を釣る」という格言のような状況を待っているんだ。

最良でない投資対象に勇み足で投資をする投資家は多い。実際には投資家はそれほど魅力的ではない投資対象に投資することを避けることが出来るのに、何もしないという選択が多くの投資家にとって難しいのである。

例えば、今ドル円に投資をしている人が居て、アベノミクス開始時と同じ規模のポジションを取っているとすれば、何かがおかしいと気付いた方がいい。あなたは当時のドル円ほどに魅力のある資産が見つけられないために、妥協の産物に同じ額を投資しているのである。

また、ロジャーズ氏の逆張り投資は彼の人生観にも依拠しているようである。彼は他人の頭を信じていない。優秀な人間は、皆そのようなものではないか。


わたしが学んだのは、他人があなたを疑い、馬鹿にすればするほど、それが何であれあなたは恐らく正しい位置にいるということだ。あなたが変化に気付き、その変化が人々から無視された割安なものである場合、それは良い投資なのだ。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/6464


6. 中川隆[-7335] koaQ7Jey 2017年6月26日 16:59:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.06.16 始まった欧州の金融危機とジム・ロジャーズの最悪の警告
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-5051.html


ジム・ロジャーズのもっとも新しい警告は、ビジネス・インサイダーのCEO、ヘンリー・ブロジェット(Henry Blodget)のインタビューで言った「生涯で最悪のクラッシュが、今年の後半か遅くとも来年に起ころうとしている」である。

始まったスペインの銀行の連鎖的な破綻

かねてから「破綻秒読み」と報じられてきたスペインのポプラール・エスパニョール銀行(Banco Popular)が、6月6日、とうとう市場から「破綻不可避」のジャッジを下されました。

これに対して、間髪おかずにスペインの銀行の中で最大の資産を持つサンタンデール(Santander)銀行が買収による救済を発表したことで、EU市場の混乱を未然に防ぐことができたようです。

・・・英国紙のテレグラフは、スペインの銀行の破綻は、「ヨーロッパの新しい金融危機の始まりかもしれない」とバズリ指摘しています。

・・・この銀行の破綻は、投資家に次の新たな懸念をもたらしました。
ポプラール・エスパニョールと同じように、「大きすぎて潰したくても潰せない銀行」が他にも出てくるのではないか、ということです。

・・・ウォルフ・ストリート(Wolf Street)の創始者、ウォルフ・リッヒャー(Wolf Richter)によると、多くの人が、すでにリベルバンク (Liberbank)を、非常に脆弱な銀行として“特定している”とのこと。

破綻処理は、ベイル・アウトからベイル・インへ

・・・ウォルフ・リッヒャーは、先週の6月10日に書いた記事『まさに倒れる寸前のもうひとつのスペインの銀行』の中で、このように書いています。

「2012年のベイル・アウトの一週間の間、大きな嵐が吹き荒れた。
それ以来、スペインの銀行システムには、その不確実性と将来的な疑念によって、暗雲が垂れ込めている。
6月6日の火曜日に発表された強制的なベイル・インとサンタンデールへのポプラール・エスパニョール銀行の売却は、投資家の神経をいっそう苛立たせている」。

・・・EU加盟国の銀行は、2016年1月1日からベイル・インが実施されることが決められています。
ポプラール・エスパニョール銀行の破綻は、EU加盟国のスペインで、ベイル・インが実際に行われたことを示したのです。

・・・リベルバンク は、2012年10月にもムーディーズによって、格付けを「Ba2」から投機的(ジャンク)等級の「Ba3」に引き下げられています。

リベルバンク の株価は、6月8日の木曜日、20%も下落しました。
そして、翌金曜日にも、さらに19%の下落。(株価)

・・・今後、銀行の連鎖倒産・・・スペインの金融危機は、さらに深刻化していくでしょう。

ECBがユーロ紙幣の印刷を止めれば、すぐにイタリアは破綻する

イタリアの場合は、より深刻です。

ケイシー研究所(Casey Research)のニック・ギアムブルーノ(Nick Giambruno)は、はるかに大きなバブル崩壊(スーパー・バブル崩壊)が迫っていると警鐘を鳴らしています。

ケイシー研究所とは、「来たるべき金融崩壊が(内戦の)引き金になるだろう。 金融危機によって、もうすぐ米国本土で内戦が始まる」と断言した米国の有名なベストセラー作家で投資家のダグ・ケイシー(Doug Casey)が主宰する経済・金融専門のシンクタンクです。

・・・ECBは、かれこれ6年以上も、スペインとイタリアの国債を購入し続けています。
そのお陰で、欧州発の債務危機が他のEU諸国に広がるのを防ぐことができたのです。

・・・ケイシー研究所のニック・ギアムブルーノは、このように言います。

「イタリアの銀行は、推定2300億ユーロ相当のイタリア国債を保有している。
イタリア国債の唯一の大口の買い手であるECBが身を引いてしまえば、すぐさま、イタリア国債は暴落し金利は急騰する。
今後の債券の暴落がイタリアの銀行のバランスシートを壊滅させ、イタリアの銀行の墓場ができるだろう」。

「米国のスーパーバブルは、はじける寸前にある」

・・・前述したように、ケイシー研究所のタグ・ケーシーは、「このスーパーバブルは、はじける寸前にある」という記事の中で、このように書いています。


「インフレ」という言葉は、もっとも誤用されている言葉のひとつである。
その本当の意味を考える人は、ほとんどいない。

「インフレとは何か」と訊かれると、人々はこう答える。
「それは、モノの値段が上がることです」・・・

それは完全な間違いだ。原因と結果を混同しているから、そうした間違いを犯す。

「インフレ」とは、マネー・サプライ(通貨供給量)の増加のことである。
マネー・サプライ(通貨供給量)が、モノの実質的な価値より上回ったときに値段が上がる。

この簡単な理屈を、人々は忘れている。

・・・どの国の中央銀行も、「小幅なインフレは良いインフレであるから、中央銀行はそれを目指す」と言っている。

とんでもない!
貯蓄こそが資本創造の基礎になっているにも関わらず、「インフレ」は貯蓄の価値を破壊してしまうからである。

「小幅なインフレは良いインフレである」と主張している人々は、とても危険な人々であると認識しておくことが大切だ。

・・・連邦準備制度理事会(FRB)は、去年の暮、2017年中に3度の利上げを見込んでいると発表しました。
そして今日もまた、今年の年末に向けて、金融引き締め政策を継続する考えを明らかにしました。

具体的には、今年の9月から債券への投資を段階的に縮小(再投資の縮小)し、4.5兆ドル規模のバランスシートの縮小に着手することによって、利上げに誘導すると言っているのです。

アベノミクスはウォール街への利益誘導で、その役目を終えた

・・・FRBは、2008年のリーマンショック以降、果敢に資産買入れ繰り返して、総資産をそれまでの9000億ドルから4.5兆ドルまで増大させました。

もっとも、FRBによる資産購入プログラムが本格的に始まったのは2012年暮からのことです。これは、安倍政権の誕生と軌を一にしています。

つまり、安倍政権の誕生は、ウォール街とワシントンによる計画であって、アベノミクスを支援することによって、株高を演出するためだったのです。

・・・言われているように、アベノミクスは幻想どころか、ウォール街の国際銀行マフィアが日本の国富をバキューム・カーのように吸い上げることを目的にした悪性プログラムに過ぎないのです。

アベノミクスの本質は、異次元の量的金融緩和によって完全に返済不能なまでの天文学的な借金を日本政府に負わせ、「円」の購買力を減価させることです。

つまり、日本の国民をより貧乏にして日本政府に対する依存度を高めることなのです。

この方法を、中央銀行のカラクリを暴いている米国の専門家たちは、「漸進主義(クリープ・インクリメンタル)的アプローチ法」、もしくは、「増加的アプローチ法」と名付けています。

「増加的アプローチ法」は、バラク・オバマが、5000万人もの米国民をフード・スタンプに依存させることに成功した手口です。

「漸進主義(クリープ・インクリメンタル)的アプローチ法」にしても、「増加的アプローチ法」にしても、国民に気づかれないように、段階的に国民を貧乏にしていって、最終的には政府の庇護なしには国民生活が成り立たないようにしてしまうのです。

森友・加計疑獄と東京オリンピック

・・・政府は、東京オリンピックの当初予算3000億円を、都庁が最終的にはじき出した1兆3900億円の巨額水増し予算を、半ば合意が形成されたかのように既成事実化し、その経済波及効果を32兆3000億円と見積もったことを容認しています。

その理由は、日本企業の400兆円超の内部留保を投資に回すように促し、さらには資金需要を喚起することによって、民間銀行が日銀の当座預金に預けたままにしている準備預金を、大企業への融資や、不動産購入のローンに回すよう促すことによって、出口(なき)戦略−−つまり、国債の購入をそろそろ打ち止めする方策を模索しているからです。

しかし、東京の資産バブルは、2020年のオリンピックを待たずして破裂しそうな兆候が出ています。

安倍政権が憲法改正を急ぐあまり、日本株を高値に維持することによって支持率を高止まりにしようと、日銀に急激な異次元の量的緩和に踏み切らせた反動が早くも起こっているのです。

アベノミクスは、米国の株高のために駆り出されました。

そして、海外のヘッジファンドは、暴落させるタイミングを虎視眈々とうかがっています。

日本のほうが、ヨーロッパより米国より、いっそう深刻です。米国の金融システムはすでに災害の危機に瀕しているのです。

米・財務省は、3月15日の期限到来後も借り入れを続け、今後、数ヵ月はデフォルトを回避することが可能になりました。
しかし、それも2017年9月末の会計年度末までことで、それ以降は再びデフォルト危機が叫ばれることになります。

前述したように、ちょうどその時期に、FRBは国債などの資産購入への再投資を停止することになっています。
米国は、内部から完全に分断されてしまったのです。

「今年後半か遅くとも来年に、生涯で最悪のクラッシュが起こる」−ジム・ロジャーズ

・・・ジム・ロジャーズのもっとも最近の警告は、ビジネス・インサイダーのCEO、ヘンリー・ブロジェット(Henry Blodget)のインタビューで言ったことです。

そこで彼は、「生涯で最悪のクラッシュが起ころうとしている」と切り出しました。


今度の彼の警告は、「今年後半、(遅くとも)来年までに大規模な株式市場の暴落が起こる」と、タイムラインを提示してきました。

6月9日のビジネスインサイダー(BI)から、以下、要点を抜粋します。


BIのブロジェット: 「テレビの視聴率というものは、クラッシュが始まるとともに上昇していくようです。
そこで、それは、いつ起こり得るのでしょう?」

ロジャーズ:「今年(2017年)後半、あるいは来年・・・」

BIのブロジェット:「今年後半、あるいは来年ですか・・・」

ロジャーズ:「そうです、そうです、メモしておいてください」

BIのブロジェット:「それを引き起こすきっかけとなるのは何でしょう?」

ロジャーズ:「面白いのは、こうしたことは、常にわれわれが注意していないところから始まるものだ、ということです。

2007年に、アイスランドは破産しました。
ベアー・スターンズは破綻しました。 リーマン・ブラザーズも破綻しました。
破綻は、そのように螺旋を描いて連鎖します。
こうしたことは、常にわれわれが意識していないところで起こるものです。

私には、どれが崩壊の引き金になるのか分かりません。
今度は、破綻した米国の年金制度かも知れません。

それは、われわれが一顧だにしない国から始まるかもしれません。
あらゆる可能性を想定しなければなりません」。

BIのブロジェット:「今度のクラッシュは、どれくらいの規模になるとお考えですか?」

ロジャーズ:「あなたの生涯で最悪のものとなるでしょう」

BIのブロジェット:「今までにも、最悪のクラッシュはありました」

ロジャーズ:「今度のクラッシュは、私の生涯にとっても最悪のものとなるでしょう。
私は、あなたより年上で多くの経験を持っています・・・。それは、本当に深刻な事態となるでしょう」

BIのブロジェット:「それは怖いですね」

ロジャーズ:「ええ」

BIのブロジェット:「われわれを救うことはできるでしょうか?」

(省略)


ロジャーズ:「そう、だから私はアジアに引っ越したのです。私の娘は、来るべきことに備えて、中国語の標準語を話すようになりました。   

政府は機能せず、政党は消失します。そして、国家は破綻するでしょう。

アイスランドが破綻しましたが、それ以上の規模の崩壊が、そこここで起こるでしょう。
長く続いた企業も同じです。リーマン・ブラザーズは150年続いたのです。博物館や病院、大学、金融機関なども例外ではありません」

・・・「それならそれで少しでも長引かせたい。われわれは何を準備していいかさえ分からないままだ」・・・人々の偽らざるつぶやきです。

商業向けローンの急激な減少は不況の明確なシグナル

・・・「ローン(資金の貸し出し)の供給が逼迫しているか、ローンの需要が減少しているかにかかわらず、商業向け・産業向けローン(Commercial and Industrial Loans)の残高が減少に転じると、不況はすでに進行中であるか、すぐに始まります」・・・

たとえば、今年に入ってから「サブプライム自動車ローンの延滞率が過去7年で最高水準」に達しました。
米サブプライム自動車ローンの貸倒率は金融危機以降、最高となっています。

すでに自動車ローンは右肩下がりのカーヴを描いて減少しています。
住宅ローンの貸し出し残高も減少を続けています。その他、すべての貸し出しは減少に転じています。

連邦準備制度理事会(FRB)が公表した銀行ローン最新版報告によれば、年初では、前年同期比で7%の増加となっていたものが、3月末には3%、4月末には2.6%と一方的に減少を続けており、年率換算では、わずかに1.6%であることが分かりました。

これは、2011年以降最も低い伸び率です。

とりわけ重要なのが、ローン残高が減少していく速さです。

FRBが、今年3月以降のデータを公表したとき、さらにローン残高が減少していれば、「なぜFRBは、9月から金融引き締めを断行するのか」と訝しがる米国人が大勢出てくるでしょう。

米国の経済崩壊は間違いなく迫っています。そして日本も・・・

ジム・ロジャーズは言いました。
「その規模は私の生涯で最悪の崩壊になるだろう」・・・
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-5051.html


7. 2020年2月15日 04:04:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-398] 報告
天才投資家ジム・ロジャーズが警告する「東京五輪不況」は本当に来るのか?=俣野成敏 2020年2月13日
https://www.mag2.com/p/money/890928

ジム・ロジャーズ氏は東京五輪について、日本にとってお金儲けにならず、むしろ弊害をおよぼすと語っています。本当にそうでしょうか?金融のプロがこの言葉の重要なポイントを解説します。

前回に引き続き、ジム・ロジャーズ氏の名言を取り上げます。ロジャーズ氏の言葉を手掛かりに、私たちが生きている現代社会とはどのような時代なのかを紐解いてみたいと思います。

俣野:本日、最初に解説する名言はこちらです。

<名言ピックアップ>

「歴史を見れば、オリンピックが国家にとってお金儲けになった例しがないことがわかる。一部の人に短期的な収入をもたらすことはあっても、国全体を救うことにはならず、むしろ弊害をおよぼす」

出典:『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』著:ジム・ロジャーズ/刊:講談社+α新書

<名言のポイント「オリンピック・ジンクスは本当か?」>


俣野:ロジャーズ氏に限らず、世間では「オリンピックは弊害のほうが多い」という、もっぱらの噂ですよね。

大前:今回の東京オリンピックは、1964年に次いで2回目ですが、当時の日本は発展途上でしたから、今とはオリンピック開催の意味が違うと考えています。

64年のオリンピックは、日本の高度成長期を象徴するイベントとして、良いイメージで語られることが多いものの、問題がなかったのかというと、もちろんそんなことはありません。

64年の東京オリンピックは、総額9870億円かかったと言われており、これは当時の日本の名目GDP比で言うと、なんと3.1%に相当します。

これに対して、今回のオリンピックは、3.6〜4.8兆円かかると試算されています。金額的には、確かに前回よりも多いのですが、名目GDP比で言うと、0.6〜0.8%でしかありません(公益社団法人日本経済研究センターHPより)。

当時の日本と今の日本では、経済規模が違うのです。

これが、「オリンピックの弊害」と言われているものの正体です。つまり経済規模に対して、大会にかけるお金が大き過ぎることで、オリンピック特需以上に国力を消耗してしまう現象です。


ギリシャはアテネ五輪で大失敗


大前:その典型とも言えるのが、2004年に開催されたギリシャのアテネオリンピックです。

当地はオリンピック発祥の地ということもあって、ギリシャは国の威信を賭け、当時、五輪史上最大となる1兆2480億円もの巨費が投じられました(Sankei Biz、2015年8月15日)。2001年に発生したアメリカ同時多発テロの影響で、オリンピック開催時の警備費が膨れ上がったことも重なりました。

さらにギリシャの経済を苦しくしたのが、2008年に発生したリーマン・ショックです。

アテネオリンピックの借金を返済するために、ギリシャは国債を乱発し続け、それがギリシャ危機に発展したことは、記憶に新しいところです。
不確定要素「新型肺炎」も出てきたが…


俣野:今の日本と、1964年当時の日本とでは、経済規模も、受け入れ能力もまったく違う、ということですね。

しかしここへきて、新たな不確定要素が出てきました。


大前:はい。中国の武漢市から始まった、新型コロナウイルスのパンデミック(流行)です。

昨年、日本で行われたラグビーワールドカップの経済効果は4300億円と言われ、それまで日本ではあまり馴染みのなかったラグビーという種目でも、あれだけの盛り上がりを見せていました(日経ビジネスWeb版、2019年10月29日)。
ですから本来であれば、東京オリンピックも、かなりの経済効果が見込めたはずです。

しかし、新型コロナウイルスがこれだけ蔓延し、多数の死者を出している状況では、インバウンド関連の数字の下落は、避けられないところでしょう。
実は私は、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際、発生地だった中国広東省に隣接している香港に駐在していました。

SARSも新型コロナウイルスが原因であり、当時の経験から、春頃が感染者のピークになるのではないかと見ています。

SARSは、2002年11月16日に最初の感染例が報告され、2003年7月5日にWHOによって終息宣言が出されました(国立感染研究所HP)。ちなみに、SARSはSARS-CoVという型で、今回の新型コロナウイルス2019nCoVとは別です。


「人を呼ぶ」イベントの成功が今後の鍵

大前:このパンデミックがいつ終わるのかは、まだ見通せる状況ではありませんが、日本の経済基盤は、今回のオリンピックで揺らぐことはないでしょう。
とはいえ、短期的にはそうでも、長期的には、徐々に衰退が見込まれる日本ですから、以後はこうした“人を呼ぶ”イベントが、社会的にも、経済的にも、ますます求められるようになるのではないかと思います。

<名言の結論>
「国も、企業も、日本に体力がある今のうちに、長期的な戦略を練るべき」

8. 中川隆[-13775] koaQ7Jey 2020年2月15日 04:30:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-397] 報告
没落する日本経済にジム・ロジャーズが警告「被害者になる若者は世界に逃げろ」=俣野成敏 2018年7月24日
https://www.mag2.com/p/money/496699


天才投資家ジム・ロジャーズ氏はアジアに並々ならぬ関心を寄せ、日本の未来についても多く言及しています。けれど、その発言はしばしば厳しいものとなっています。世界3大投資家の目には、日本の未来はどのように映っているのでしょうか?

前回に続き、ジム・ロジャーズ氏の名言から学ぶシリーズ後編をお送りします。

移民を拒絶している場合ではない? 40代以下を襲う厳しい未来

早くから日本に注目していたジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ氏が投資家になった1960年代末頃、一般的な投資と言えば株式のことではなく、債券でした。第二次世界大戦の戦勝国であったアメリカは裕福な国であり、ドイツ、イタリア、日本といった敗戦国に注目する人はあまりいませんでした。しかしその豊かさゆえに、アメリカの輸入量は増加の一途をたどり、米ドルの流出が問題になり始めていました。

ロジャーズ氏がジョージ・ソロス氏と組んで始めたクォンタム・ファンド時代、ロジャーズ氏は日本への投資を積極的に行い、成功するきっかけをつかんでいます。それが、いまだに日本に大きな関心を寄せている理由の1つではあるのでしょう。

ロジャーズ氏がウォール街でアルバイトを始めた1964年当時とは、ニューヨーク証券取引所で「1日300万株の取引があれば大商い」と見なされていた時代です。現在ですと、たとえば2015年の東証一部の1日の売買高がだいたい30億株前後あります。今と比べて随分のどかな時代でしたが、先見の明を持つロジャーズ氏たちは海外に注目しており、特に1960〜70年代の日本は高度成長期で、好景気の真っ最中でした。

けれど、多くのアメリカ人にとって、日本は「戦火で荒廃した国」であり、アメリカは「勝者である」という思い込みから、長い間、日本市場は見過ごされていたのです。とはいえ、ロジャーズ氏たちも連戦連勝、というわけではありません。たとえば1971年に起きたニクソン・ショックの時には、大きな痛手を負っています。ニクソン・ショックとは、アメリカが金本位制を捨てたことを指します。これによって同国は政策を大きく転換することになりました。

これまでの市場の歪みが是正され、日本の株式市場は20%以上も下落。逆にアメリカ市場は青天井になりました。ロジャーズ氏が以前、空売りで破産したことは前回の記事でもお伝えしましたが、この時、日本株をロング(上がると予想)で持ち、アメリカ株をショート(下がると予想し、空売り)していた彼らにとっては、まさに悪夢が蘇る状況でした。しかし、この時は北海油田に投資していたため、それでマイナス分を相殺し、ことなきを得ています。


今の日本をどう見ている?

さて。日本がロジャーズ氏の成功と密接に関係していた話はこれくらいにして、次に、氏にとって今の日本がどのように映っているのかを見てみることにしましょう。まずは、名言をご覧ください。

増税には大反対です。私が日本の政治家だったら、お金を刷るのをやめて債務を減らす努力をし、減税して大幅に支出を減らし、関税も減らす。そして移民を受け入れる。まぁこのようなことを言っていたら、日本の選挙で絶対に当選はしないでしょうけどね。

出典:『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』(プレジデント社)

このコメントは、氏がシンガポールに移住して数年経った頃のものです。ここで述べているのは、まさに「日本をシンガポール化しよう」という発想に基づいているように見えます。おそらく、当国の住み心地の良さを実感した上での発言なのでしょうが、シンガポールは外需の国です。果たして、完全に内需型の日本が、シンガポールと同じ政策を採って、上手くいくのでしょうか。


日本の高度成長期は「アジアの奇跡」ではない?

ちなみに「外需の国」とは、海外からの需要で成り立っている国のことです。シンガポールはもともと、狭い国土に資源も乏しい国です。「優秀な人材を育成し、彼らを惹きつけられるような制度にしないと、国自体が立ちいかなくなる」と考えたのが初代首相のリー・クアンユー氏でした。氏の過激とも取れるエリート主義は、時に物議を醸しましたが、建国から50年以上経った今、シンガポールはアジアの成功事例として語られるまでになっています。

対する日本は高度成長時代から、一貫して「内需の国」です。内需型の国とは、個人消費や企業の設備投資等、国内で生み出される需要で経済が成り立っている国のことを言います。日本が、人口の増加と共に経済が成長し、人口の減少に合わせて経済も衰退している、というのは、まさにこのためです。かつてはアジアの奇跡と呼ばれた日本の成長も、今にして思えば通るべくして通ってきた道、というわけです。


日本はいずれ、移民問題に真剣に向き合わざるを得なくなる


では、次の名言を見てみましょう。

日本は移民をずっと拒絶していますが、移民というのは歴史を振り返ってみても、勇敢で野心を持った賢い人々です。彼らは子供を積極的につくりますから、少子化の解消にも貢献してくれるでしょう。

出典:『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』(プレジデント社)
少子高齢化が待ったなしで進んでいる現在、日本でも在留外国人が増加傾向にあります。

ちなみに日本での就労目的や、3ヶ月以上の長期滞在する場合、観光ビザとは別のビザが必要です。法務省の調べによると、2017年6月時点で日本に居住登録をしている外国人の数は247万1458人。対前年で3.7%の増加でした。増加が著しかったのは高度専門職で、46.9%増の5494人。2位が医療21.6%増で1621人、3位が特定活動で、15.4%増の5万4276人でした。

実のところ、数が増えたと言っても、もとが少な過ぎたため、その数は多くはありません。現在、在留外国人で大きな割合を占めるのは、親族関係や永住者等であり、合計すると全体の62.5%を占めています。対する技能・留学系は33.1%となっております。

こうした現状に対して、2018年6月に安倍首相が「外国人受け入れ拡充を行う」との声明を発表しました。これは単純労働に門戸を開くもので、2025年までに50万人超の受け入れを目指すとしています。

※参考:外国人就労拡大、首相が表明 建設・農業・介護など – 日経新聞(2018年6月5日配信)

多くの国が移民に抵抗感を持っている

よく「日本は移民を拒絶している」と言われていますが、それは必ずしも日本だけに限った話ではありません。たとえば2016年にイギリスで行われたEU残存の是非を国民に問うた国民投票によって、同国のEU離脱が決定しました。大方の予想を覆す結果となった一因として、「イギリス国民が移民に反対している気持ちの表れだった」とも言われています。

どのような国でも、「移民によって仕事を奪われる」「移民がくると治安が悪くなる」といった意見を持っている国民は一定数います。しかし欧州の場合は、それが具体的な脅威となっています。

欧州では、2000年代に入るとユーロが導入され、また2004年には旧共産圏を含む東欧など10カ国が一度に加盟を果たす、という拡大路線が推し進められます。2009年には、欧州憲法に代わってリスボン条約(改正条約)が発効されました。

欧州市民は、リスボン条約によって移動の自由が保障されています。ところが、域内の経済格差を無視した拡大路線によって、新規加盟国の市民が旧加盟国に押し寄せるようになります。さらに2011年のアラブの春に始まる中東の混乱が、不法移民の増加に拍車をかけました。

この状況は、イギリスも同じでした。絶えず流入する移民、そのために膨れ上がる各種費用、旧加盟国への不公平な費用負担金等によって、国民の不安は十分に高まっていたわけです。


欧州でも少子高齢化が問題化している

その一方で、実はEUでも旧加盟国を中心に広がる少子高齢化という、日本とまったく同じ現象が進行しています。

結局のところ、欧州も移民なしには社会が成り立たなくなっているのです。欧州では、2009年にアメリカのグリーンカードを真似てブルーカード制度が導入されています。これは高度専門技術者を優先的に受け入れる移民制度です。現在、欧州では国境管理の共通化や、移民の管理と受け入れ態勢の検討など、試行錯誤が続いています。

日本もいずれ、移民問題が他人ごとではなくなる時期がやってきます。シンガポールという成功事例はあるものの、当国は極端に小さく管理しやすい、ということはあるでしょう。

先ほどお話した通り、日本とシンガポールの間には「外需国/内需国」という違いもあります。参考にするなら、同じ内需国であるイギリスのほうがいいかもしれません。EUを離脱したイギリスは、EUという足かせがなくなったことで、今後も経済成長をすると予想されています。


2. 大富豪から“日本の未来に対する提言”

ロジャーズ氏が日本に向けて発しているメッセージは、「これが問題を解消できる処方箋である」というよりは、「警鐘を鳴らしてエールを送っている」と捉えたほうがいいような気がします。続いて、氏が日本の若者について言及している言葉を取り上げます。まさに、氏から日本の未来に向けてのメッセージです。


日本の若者はますます貧乏になる

過去50年間、日本人は勤勉に働いて繁栄を築き、世界第2位の経済大国の地位に上り詰めた。が、今後50年間、同じような成功を享受できるとは思えません。特に少子化は大問題です。有効な手も打たず、移民も受け入れなければ、人口が減って国民の生活水準は下がる。そして負債だけが膨らんで、若者がそれを払い続けなくてはいけないのです。

出典:『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』(プレジデント社)

総務省の資料によると、高度成長期の1970年の日本の人口は1億467万人でしたが、若年人口は2517万人(全体の24%)、生産年齢人口が7211万人(同68.9%)いて、高齢者は739万人(同7.1%)に過ぎませんでした。今よりも人口は少なかったものの、ちょうど団塊世代がお金を使う時期に当たっていました。日本国内で「稼いで→使う」というサイクルが回っていたわけです。

ところが、2050年になると人口が1億人を割り(9515万人)、高齢者が占める割合はほぼ4割になるものと予想されています。目下、将来に希望が持てない現役世代が、「団塊世代の時のように消費をするか?」というと難しいでしょう。

結局、人口が減っていくということは、お金を使う人が減っていく、ということを意味します。今の日本は人口が減っている上に、お金を持っている人も少なくなっていることが、経済へのダブルパンチとなっているのです。

昇進できずに終わる多くの中間層

ことはこれだけにとどまりません。高度成長期との大きな違いは他にもあります。たとえば、企業内での昇進スピードです。今の40代のサラリーマンは、20〜30年前の同年代と比較して、中間管理職になっている人が半分くらいしかいません。なぜかと言うと、その前の世代が社内に大量にいるためにポストに空きがなく、上が詰まってしまっているからです。

企業はバブル経済だった80年代から90年代の始めまで、社員を大量に採用していたので、この年代の人たちが企業内のボリュームゾーンになっています。ということは、必然的にその下の人たちにはポストがない、ということです。

最近は成果主義などを導入している企業もあるでしょうが、ポストがない以上、昇級もできません。昇級できなければ、マネジメントを経験する機会もない、ということになります。

中小企業が抱える深刻な後継者不足

大企業ではこのような状況ですが、反対に中小企業では、経営者の後継者不足が深刻な問題になっています。彼らは後継者が喉から手が出るほど欲しいのに、上記の通り、日本社会全体でマネジメント経験のある人材が圧倒的に不足しているため、跡を継いでくれる人が見つからずに、黒字であってもやむなく会社をクローズしているところが跡を絶ちません。

一例を挙げると、岡野工業株式会社という会社は、「痛くない注射針」を開発したことで有名な中小企業です。彼らは従来のパイプを細くする製法から、板金を巻いてつくる逆転の発想で、蚊の針と同等の細さを実現しました。それが後継者不在により、岡野社長が85歳になる2018年に廃業することが決まっています。中小企業庁の調査では、2016年に廃業した企業のうち、経営者が60歳以上だった割合は82.4%で過去最高を更新した、ということです。

以上のように、現在の日本社会は大きな矛盾をはらんでいます。「多くの中小企業で後継者を育成する仕組みがない」「優秀な人材がきても活かせない」等々。大企業と中小企業とで、完全なミスマッチが起きています。


これは、もはや単純な後継者不足というだけでなく、人口問題とも密接な関係がある、と言えるのではないでしょうか。ですから、ただ単に移民さえ受け入れれば問題は解決する、ということではないのです。


ロジャーズ氏から若者に宛てたメッセージ

このような閉塞感の漂う今の日本で、ロジャーズ氏が若者に向けて贈っている言葉がこちらです。

内向きと言われている日本の若者も、外へ出て、誰も知り合いがいなくて言葉も通じない国へ行ってみるべきです。冒険しないと、つまらない人生になってしまいますよ。

出典:『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』(プレジデント社)


氏がこの言葉を発した背景としては、今の日本が人口構造の大きな変化の中にいる、ということが挙げられます。

私たちは、まずは「過去と今は違う」という認識を持つことが大切です。具体的に言うのであれば、「この先、自分のキャリアのレールは途切れている可能性がある」ということを、感じられるかどうか、です。

ここで「昔は良かった」とか「自分たちはこんな時代に生まれるなんて、ついてない」とか言ったところで意味がありません。自分で生まれる時代を選ぶことはできません。私たちにできるのは――

9. 中川隆[-13763] koaQ7Jey 2020年2月15日 18:53:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-367] 報告
「日本人は早急に資金を海外に移せ」天才投資家ジム・ロジャーズが警告する真意とは=俣野成敏 2020年1月20日
https://www.mag2.com/p/money/881966


前回に引き続き、ジム・ロジャーズ氏の名言を取り上げます。

ロジャーズ氏は、かなり辛い発言をすることで有名です。しかしそれは、「読者への愛情の裏返しである」と考えることで、氏の本意が見えてくるのではないかと思います。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編)

日本にお金を置いておいても増えない。私たちは庶民はどうする?


1. 自分の大事なお金を安全な場所で増やしていくには?


「早急に資金を海外に移すことを考えたほうがいい」

俣野:さて。今回、取り上げる書籍は、前回に引き続き、ジム・ロジャーズ氏の最新作です。内容は、「日本への警告の書」となっています。


最初に解説するのは、こちらの名言です。


<名言ピックアップ その1>
「日本人にとって、日本国外に投資をすることはきわめて重要だ。日本国内にほとんどの資金を保有している日本人は、早急に資金を海外に移すことを考えたほうがいいだろう」

出典:『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』著:ジム・ロジャーズ/刊:講談社+α新書


<名言1のポイント:「今後、日本円の価値は下がっていく」>

俣野:大前さん、本日もよろしくお願いします。早速ですが、この名言は、為替の専門家から見て、いかがでしょうか?

大前:ロジャーズ氏は、前々から「以後、日本は衰退していく。だから日本円の価値も下がっていく」ということを一貫しておっしゃっています。「お金が増えない日本に、お金を置いておくのは理にかなっていない。早急に資産を海外に移したほうがいい」というのは、非常にごもっともな意見ですよね。

そうはいっても、現在、日本で生活している人が、「『海外送金する』とか『海外投資をする』のは、なかなかハードルが高い」と感じているのも、無理からぬことだと思います。

仮に、勇気を奮い起こして、お金を海外に送ろうとしたとしましょう。やってみればわかりますが、実は、海外送金をするのは、年々難しくなっています。

ご存じのように、“送金”という技術自体は、どんどん進化していて、送金費用も下がってきています。なのに、国内外を問わず、金融機関はどこも、海外送金を容易には受け付けてくれませんし、海外口座も開けなくなっています。理由は、マネーロンダリング対策のためです。

本来であれば、最新の送金技術を享受するのが我々ユーザーのはずなのに、実際は「お金を動かしてはいけない」という真逆の動きが起きているのです。

とはいえ、「日本にお金を置いておいても増えない」という現実がある以上、「上手くいっているエリアに、ある程度のお金を移すことを考えていく」というのは、やはり必要なことなのではないかと思います。


現実的なのは「海外投資」


大前:今現在、すでにそれができているのは、たまたま身近に投資の目利きができる人がいるとか、すでにある程度の資産を築いていて、資産保全が不可欠な状態になっているとか、かなり恵まれた環境にいる人だけでしょう。
残念ながら、今の日本には、他人に資産運用を相談できるような環境が整っておらず、自分で投資商品の是非を判断できるだけの教育も行われていません。

そういった土壌ができていないことが、個人的には、一番の問題なのではないかと考えています。

現在、一般の方が、海外に資金を移す現実的な方法が何かというと、やはり海外投資をすることでしょう。これなら、資金の受け皿として、銀行口座を開設する理由づけにもなります。

何のために、いくら資産を増やすのか。しっかり考えることが重要
大前:ご注意いただきたいのが、単に「お金を増やしたい」というだけでは、海外投資を始める理由としては弱い、ということです。自分から遠く離れたところにお金を置こうとするなら、強力な動機がないと続きません。

動機とは、「なぜ、何のために投資をしたいのか?」「いくらに増やしたいのか?」といった目的意識のことです。

俣野:多くの人は、ただ「お金が欲しい」とか、「お金は、あればあるだけ良い」と思いがちです。どうしたら、目的意識を持つことができるでしょうか?
大前:海外投資をしたい、ということであれば、まずは視野を広げるところから始めてみてはいかがでしょうか。最初は旅行でもいいと思います。

それから、意外に忘れがちなのが、投資を始める際の前提条件として「ご自身の資産基盤がしっかりしていなくては、そもそも投資ができない」ということです。
特に海外投資を行う場合、たとえ利回りが年10%ついたとしても、海外に送金したり、現地の専門家に相談すれば、その都度、手数料を取られます。最終的に、投資金を日本円に戻す際にも、また手数料がかかります。もともと、「海外なら必ず儲かるという保証もない」ですから。

そうした手数料を加味して、それでも十分にお金を増やせるだけの金額と年数をかけられる人が、海外投資で成功を収めることが可能となるのです。
日本の資産も海外にシフトしている


俣野:貯金がない方は、積立投資という方法もあります。しかし、「いくらであれば、長期間に渡って問題なく捻出できるのか?」ということが事前にわかっていないと、結局、「お金が続かなくなって途中解約」というパターンに陥りがちです。
当てずっぽうに投資をするのではなく、そのための準備から手をつけていくべきだ、ということですね。


大前:はい。ちなみに今、もっとも資産を海外にシフトしているのは、他ならぬ日本国だということを、ご存じでしょうか。

日本は、外貨準備高でいうと、中国に次いで世界第2位(2018年)ですし、米国債保有率も世界一(2019年8月)です。我々の年金の運用に関しても、現在、外債比率が増えてきていることは、メルマガの「Vol.152」でお伝えした通りです。

国の資産運用は、安全を基準に行うことが定められています。その国でさえも、外債の比率を増やしてきているわけですから、そういうところからヒントを得るのも、1つの方法ではないかと思います。


<名言1の結論>
「国すらも、資産を海外にシフトさせている。いきなりは無理でも、それに向けた小さな一歩を踏み出そう」


2. もっと「日本人であること」のメリットを活かそう!
俣野:次の名言はこちらです。

<名言ピックアップ その2>
「統計によると、日本のパスポート保有率(2017年)は22.8%にとどまっているという。アメリカの同年のパスポート保有率が42%であることを踏まえると、日本の低さがわかるのではないだろうか」

出典:『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』著:ジム・ロジャーズ/刊:講談社+α新書


<名言2のポイント:「自分の持っているモノの価値を知る」>


俣野:ロジャーズ氏によると、「日本のパスポートは、ビザなしで入国できる国が189カ国もあり、パスポートの自由度では韓国と並んで世界一」だということです。

実際、当事者である日本人のほうが、かえって日本のパスポートの価値を認識していなかったりします。

大前:俣野さんは、以前から「自分が持っているリソース(資源)を最大限に活用する」ことを提唱されていますよね。

俣野:はい。パスポートや国籍などは、まさに私たち1人1人が生まれながらに持っているリソースの1つだと言えるでしょう。「これを活用しない手はない」、というのがロジャーズ氏の主張です。

実際の数字を見てみたいと思います。外務省が発表している旅券統計(平成30年1〜12月)によると、2018年の旅券発行数は約433万冊で、対前年比で5.3%増。18年末現在の有効旅券は3000万冊弱であり、国民の4人に1人が所持している計算になります。

パスポートの申請者は、2015年から3年連続の増加ということですが、この数字を多いと見るか、少ないと見るか、いかがでしょうか。

大前:日本政府観光局(JNTO)の数字を見ても、確かに2016年から日本人の海外出国者は増加傾向にあります(推計値)。ただし、パスポートの保持者が4人に1人なので、同じ人が行き来している可能性はありますよね。

私自身は、日本人はもっと海外へ行くべきだと思っています――

10. 中川隆[-13762] koaQ7Jey 2020年2月15日 19:25:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-366] 報告
天才投資家ジム・ロジャーズが言う「早く日本から逃げろ」は本当か?金融のプロが裏読み=俣野成敏 2020年1月17日
https://www.mag2.com/p/money/881745


本号では、ジム・ロジャーズ氏の名言を取り上げたいと思います。親日家であると同時に、かなり辛口なのが、ロジャーズ氏の発言の特徴です。氏からのメッセージを、どう受け止めればいいのか?について、金融の専門家とともに紐解いていきたいと思います。


「中国や韓国に移住したほうが、よほど豊かに生活できる」本当?


1. 海外に逃げられない日本人を待っている未来とは

今回も、金融事情に詳しい大前雅夫さんをゲストにお呼びしています。大前さんは、当メルマガの金融情報監修をしてくださっているFAN GLOBAL SOLUTION PTE. LTD.のCEOにして、外国為替、金融商品の専門家でいらっしゃいます。

【「早く日本から逃げろ!」は本当か?】

それでは、最初に解説するのは、こちらの名言です。

<名言ピックアップ その1>

「私が日本に住む10歳の子どもであれば、一刻も早く日本を飛び出すことを考えるだろう。中国や韓国に移住したほうが、よほど豊かに生活できるのだから」
出典:『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』著:ジム・ロ
ジャーズ/刊:講談社+α新書


俣野:では大前さん、本日もよろしくお願いします。
今回、取り上げる書籍は、ジム・ロジャーズ氏の最新作です。タイトルにあるように、日本への警告の書、という内容となっています。

書籍の中には、日本が抱えているさまざまな問題点や、今後、考えられる未来、次に台頭してくるのはどこの国か、なぜそこに将来性があるのか、といったことが書かれています。

ロジャーズ氏が、日本に関して特に憂慮しているのが、少子高齢化による人口減と、国による膨大な借金です。それらを受けて、読者に「日本から早く逃げろ」と呼びかけているのが、上記に取り上げた名言になります。

氏は、「歴史に学べ」「変化を感じなさい」というキーワードを、本書の中ですごく主張されています。実際、それで実績を出されてきた方なので、説得力があると思いますが、大前さんはどうお感じでしょうか?

大前:著名な投資家であるジム・ロジャース氏に物を申すとは、大変恐縮ではありますが、実はこの方は、日本に限らず、香港やタイなどに対しても、割とネガティブな発言をしています。もとから、そういう口調の方なのだと思います。

よって、ロジャーズ氏の主張としては、「ヤバイぞ、逃げろ」ではなくて、「現状に甘んじていないで、変化を受け入れ行動しなさい」という、叱咤激励のほうだと思います。

もともと氏は、日本のことを「逃げ出さなければならないようなひどい国だ」とは言っていません。むしろ、日本のクオリティを賞賛しています。


海外移住は逃げるための手段にはならない


俣野:本の中では、「今後はロシア、韓国、北朝鮮、中国に将来性がある」という主張に、多くのページが割かれています。

それに対して、「日本はもう斜陽だ」という意見は、私たちの周りでもしばしば耳にします。これについては、どうお考えでしょうか?

大前:ロジャーズ氏は、前々から「以後は、このような世の中になるから、お金もそちらに向かって動く」「だから、こういうチャンスがある」ということを主張してきています。

氏は、単に世の中の趨勢(すうせい)を話しているだけであって、それをどう取るかの判断は、個人に委ねられているのではないでしょうか。

そもそも、「日本がダメになる」「借金で破産する」というのは、もうずいぶん前から言われてきていることです。

仮に、「日本はダメだから他の国に移住しよう」といったところで、簡単なことではありません。

ほとんどの日本の方は、当然、日本に根付いていますから、それを移住するとなれば、莫大な労力とコストがかかります。それに万一、移住先で上手くいかなかった場合はどうするのか?といった問題もあります。

たとえば現在、中国の人々も世界中に移民しています。ところがよく見ると、移住先に出身地をベースとした互助会があったり、または宗教的なネットワーク等でつながり、新天地でもサポート基盤があったり、といった受け入れ態勢が整っている場合が大半です。

もちろん日本の方々も、海外に日本人コミュニティなどをつくってはいますが、規模と結束力の点で、中国の華僑ネットワークほどではありません。

要は、人はどこへ行こうが、人間関係もなく、社会から切り離された状態で生きていくのは難しい、ということです。

俣野:移住は逃げるための手段ではない、ということですね?


大前:はい。かえって「日本は危ない」と言う人が出て行くことによって、人材間の競争が少なくなり、日本に残ったほうが、逆に優位になるかもしれません。

結局、場所だけ変えても意味がないのです。
沈みゆく日本で、自分はどう振る舞うのか?

大前:今から45年ほど前に、日本ではオイルショックが起きたことをご存じでしょうか?これは中東で戦争が勃発し、OPEC(石油輸出国機構)が原油の供給制限を行い、輸出価格を大幅に引き上げたことが発端でした。

人々は、「石油の供給が止まれば、日本はモノ不足に陥るのでは」とパニックになり、買い占めが起きて、お店の商品棚が空っぽになりました。
当時は、「あと30年で地球上の石油が掘り尽くされる」と言われていて、みんな本気で心配したものです。

ところが、それから45年経った今でも、石油はまだあります。脱石油化の流れや、シェール革命等の技術革新、採掘の精度などが上がったからです。

確かに、ロジャーズ氏の言う「『今度は違う』『日本はそうはならない』と考えるのは危険だ」という呼びかけは、私たちに重要な示唆を与えてくれます。

だからと言って、「ここから逃げろ」というのは、また話が別だと思います。
それよりも、そういう危機があることを認識しつつ、リスクをどのように自らの中でヘッジしていくのか?と考えることが先決ではないでしょうか。

実際のところ、日本では今、出て行く人よりも、入ってくる人のほうが増えていますよね?コンビニや飲食店などで、働いている外国人の姿を見かけることも珍しくはなくなりました。

俣野:日本に魅力を感じてやってきている外国の方もたくさんいる、という事実にも目を向けるべきだ、ということですね。

【日本はすでに“移民大国”になっている!?】

俣野:ちょうど、外国人労働者の話が出たところで、次の名言に移りたいと思います。次の名言は、こちらです。


<名言ピックアップ その2>

「移民は国にアイデアをもたらし、活気を生み出してくれる。アメリカの場合、グーグル、アマゾン、アップル、フェイスブックに代表される刺激的な企業のほとんどは、移民にルーツを持つ人物が創業したものだ」
出典:『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』著:ジム・ロ
ジャーズ/刊:講談社+α新書

俣野:少子高齢化が進む日本では、早くから移民政策について議論されてきたものの、これまでは地理的・歴史的経緯などから、日本人の外国人に対する警戒感には根強いものがありました。

しかし、昨今の労働力不足はいかんともしがたく、今年(2019年)の4月、改正出入国管理法が施行されています。この改正は、外国人に単純労働の道を開くもので、5年間で約34万5,000人の受け入れを予定しています。

ロジャーズ氏は、「人々が移民を嫌がる第一の理由は、外国人に仕事を奪われることだ」と書いています。世間には、「アメリカはもともと移民の国だから、あれだけ世界をリードする企業が誕生したのであって、日本でもそうなるとは限らない」という意見もあります。

大前さんはどうお考えでしょうか。

大前: 現実問題として、集約型労働者は、明らかに足りない状態です。「だったら、それをロボットにやらせよう」といっても、まだまだ人間でなければできないことはたくさんあります。そうなれば、必然的に「安い労働力をどこからか持ってくるしかない」という発想になりますよね。

ですから、「外国人に自分たちの仕事を奪われる」と言ったところで、実際はいわゆる3K(キツい、汚い、危険)と呼ばれる安い仕事の多くを請け負っているのが外国人、ということです――

11. 中川隆[-13761] koaQ7Jey 2020年2月15日 19:37:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-365] 報告
ジム・ロジャーズもかつて破産。天才投資家の「失敗」から学ぶ時間管理術=俣野成敏 2018年7月15日
https://www.mag2.com/p/money/491485


以前、名言シリーズとしてウォーレン・バフェット氏を特集したところ多くの反響が寄せられました。そこで今回は名言シリーズの第2弾として、ジム・ロジャーズ氏をお送りいたします。

ロジャーズ氏は日本びいきとしても有名ですが、反面、日本の未来に対しては懐疑的な意見を崩していません。私たちは氏の言葉から何を学び、どう自分の人生に活かしていけばいいのか? 今回の特集を通じて考えてみたいと思います。


「一所懸命にやるべきことをやるだけ」天才投資家の頭の中とは?

「失敗を恐れるな。できれば早いうちに、2回破産するといい」

世界3大投資家の1人と言われているジム・ロジャーズ氏は、かつて空売りに失敗して破産したことがあります。

それはまだ氏が駆け出しの投資家だった1970年のこと。「株価は暴落する」と予想した氏は、有り金をはたいて空売りを仕掛けました。当時は「自分の読みに絶対の自信を持っていた」と言うロジャーズ氏。ところが株価は上昇を続け、耐えられなくなった氏は、高くても株を買い戻さざるを得なくなります。ついにはすべてを失い、借金だけが残りました。

その後、氏が空売りを仕掛けていた6社は、3年以内にすべて倒産しました。予測自体は当たっていたのに、それに耐えられるだけの資金を残しておかなかったのが敗因でした。

この経験によって、自分がいかに市場のことを理解していなかったのかを思い知らされた氏は、後年、コロンビア大学で講義をした際に、学生にこう言いました。

「失敗を恐れるな。できれば早いうちに、2回破産するといい。失敗しても立ち直ることができれば、より大きな成功を収められる」と。

本特集では、ロジャーズ氏の名言を『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』(プレジデント社)から採用しました。

同書は、氏の名言を並べただけの非常にシンプルなつくりとなっています。読みやすい反面、書籍を読むだけでは、氏がなぜこの名言を述べたのか?という前後関係がわかりにくくなっているのは否めないところです。

そこを俣野の解説で補えば、名言を理解する際の手助けになるのではないか?と考えたわけです。


幼少期から商才を発揮

まず、最初に「ロジャーズ氏のことをよく知らない」という方のために、簡単にロジャーズ氏の半生を振り返っておくことにしたいと思います。

ビジネスの上手な人の多くに共通してみられるのが、幼少の頃から商売の才能を発揮していた、ということです。

ロジャーズ氏は5歳にして最初の商売を始めていますが、これはバフェット氏も同様です。

「できた」と思っても、念のために「あともう少しやる」

ロジャーズ氏は1942年、アメリカのアラバマ州のデモポリスで生を受けました。氏の父親は第二次大戦でドイツへ従軍した後、デモポリスで工場を営んでいた伯父のところでマネジャーとして働くようになります。一家は働き者揃いで、氏は後に「実家では誰もがよく働き、『後でやる』とか『怠ける』といったことは聞いたことがありませんでした」と話しています。

一家の血を継いだロジャーズ氏は、5歳で野球場の空き缶拾いのアルバイトから始め、ソフトドリンクやピーナッツを売り歩くようになります。それ以降も様々なアルバイトをこなしました。

その基本姿勢は一貫して「一所懸命に、やるべきことをやる」というものでした。勉強に対しても一途な姿勢は変わらず、氏は「自分が十分な知識を得たと思えるまで、勉強の手を緩めない」と心に決めます。「念には念を入れて調べる」習慣は、この頃に築かれました。

終始、その姿勢を貫いた結果、氏は公立高校を首席で卒業。奨学金を受けて名門イェール大学へ進学、さらに奨学金を得てオックスフォード大学のベリオル・カレッジに進みました。


ジョージ・ソロス氏との運命的な出会い

ロジャーズ氏と投資との出会いは、大学時代に投資会社でアルバイトをしたことがきっかけでした。投資会社での仕事を通じて、「市場は世界で起こった出来事によって動いている」ことを知ります。氏は卒業後、1968年に兵役を終えるとウォール街で働き始めました。

そこで氏は、同じく世界3大投資家の1人であるジョージ・ソロス氏と出会います。当時、世界最強だったアメリカでは、海外投資に目を向ける人は少なく、ウォール街ですら海外投資を扱っている会社は2社しかありませんでした。そのうちの1社の副社長をしていたのが、ソロス氏です。ハンガリーで育ったソロス氏は、20代半ばまでイギリスにいて、ヨーロッパの金融市場でトレーダーをしていた経験がありました。

意気投合した2人は1973年、クォンタム・ファンドを設立。ソロス氏は、人々に先んじて掘り出し物を見つける能力に長けており、一方のロジャーズ氏は、持ち前の粘り強さでもって可能な限りの資料に当たり、分析を行いました。

2人は世界を視野に投資を行い、10年間に4000%を超えるリターンを叩き出します。しかし、富よりも自由を愛するロジャーズ氏は37歳にして引退。以後はバイクや車で世界を1周するなど、冒険投資家として知られています。

ロジャーズ氏のご紹介はこれくらいにして、以下より早速、氏の名言を解説することにしましょう。

実は暇な人ほど「時間がない」

<名言1>

「本当に忙しい人よりも、実は暇な人の方がいつも『時間がない』と言っているのです。要するに、忙しくない人というのは怠惰で時間管理能力が低いのです。私はリタイア直後にこのことを思い知りました。退職後の数ヶ月間、時間はたっぷりあったのですが、何も成し遂げることはできなかった。仕事で忙しい時のほうが、よほど効率的に動けたのです。そこで、オートバイで世界1周旅行に挑むことにしたのです」

これは「ロジャーズ流タイムマネジメント」ともいえる言葉です。氏の日常がどんなものかというと、毎日6時に起床し、2人の娘を自転車で学校に送り届けた後、午前中はエクササイズをしながらニュースやメールをチェック。合間にヘッドフォンを付けて電話インタビューを受けたり、電話会議をしたりして過ごします。午後には子供を迎えに行き、夕方から夜にかけては自宅で会議を開くこともあるようです。氏は2007年、アメリカからシンガポールに移住しています。

運動しながらニュースやメールのチェックをするというのは、一見すると集中力を欠くような行為にも見えますが、それは組み合わせ方にもよります。たとえば、2人の記者から同時に取材を受けることはできません。しかし取材と運動であれば、頭と体という別々の作業になりますから、並行して行うことは可能です。もちろんこれは、氏が同時並行でも重要な情報は漏れなく拾えるよう、投資家としての能力を研ぎ澄ませてきた、ということでもあります。

今の私たちがロジャーズ氏をマネようとしても、いきなりここまではできないかもしれません。とはいえ、忙しい時のほうがかえって時間を有効に活用できることは、誰しも経験しています。それは、忙しい時のほうが活発に頭や体を使っているために、その勢いで何をするにもテンポよく行動できるからでしょう。
時間があるはずの土日が無駄に流れていく

休みの日に、「今日は時間があるからいろいろなことができるな」と思ったのに、結局、1日ダラダラ無駄に過ごしてしまう、というのはよくある話です。

人は「自由にしていいですよ」と言われると、かえって管理をすることが難しくなります。特にそれまで時間を拘束されていたサラリーマンの方が、退職などでいきなり24時間フリーになってしまうと、急に「後でもいいや」となって、行動の質が薄まりがちです。

時間を無駄なく使えるようになるためには、ある程度の“型”が必要なのです。たとえば、私もビジネスオーナーですから時間はほぼ自由です。そこで私は他人と約束することで、行動に強制力を持たせています。


「忙しい人」には2種類ある

「忙しい人」というのは、大きく言うと2種類に分けられます。それは「人々に求められて仕事が殺到している人」か、「現在、修行中の人」かのどちらかです。

仕事が殺到している人は、自分で選べる立場にいます。それでもなお、忙しくしているのだとしたら、おそらくそのほうがご本人にとって楽しいからなのでしょう。けれど実際、「忙しさ」の多くの要因は、その人が“修行中の身”であることと関係しています。修行中というのは比喩であり、それを「自分で自分の顧客を獲得できるようになるまでの期間のこと」と定義しましょう。要は「独立の過程」という意味です。

このように考えると、会社に雇われているサラリーマンは、終始修行中の身である、と言えるのかもしれません。しかしそうではなくて、「本当はいつでも独立できるけれど、自ら選んでサラリーマンをしている」というのであれば、すでに修行は終わっている、と言えるでしょう。

とどのつまり、サラリーマンとはお金を得るために働いているのではなく、仕事をしながら学んでいる最中なのだとしたら、仕事量を自分で決めることができないのもやむを得ません。

ロジャーズ氏も、クォンタム・ファンドの共同設立者ではありましたが、会社はソロス氏のものでしたから、結局はサラリーマンに過ぎませんでした。けれど氏はそれをやり切ったからこそ、投資家として自立できたのです。

この名言は、逆を言うと「忙しい人ほどチャンスがある」ということを示唆してもいるのです。

2. 偉大な投資家の情報収集術とは

続いて、サラリーマンの方によく聞かれる「情報収集術」についての名言を取り上げます。

先ほどのタイムマネジメントと、この情報収集術は、私がよく聞かれる質問ベスト5の中に必ず入る話題です。まずは、ロジャーズ氏が何を語っているのかを見てみましょう。

無料の情報の中に「掘り出し物」はほとんどない

<名言2>

「テレビや雑誌、インターネットで得られる知識や情報に頼ってはいけません。賢明な投資家であるためには自分自身で経験し、自分の頭で考えること。だから私はテレビを見ません。若い人はインターネットに依存していますが、ネット上の情報で『世の中を理解した』と信じている人の視野は狭い。投資で成功したいなら、それを心に留めて、自分の眼力を磨いてください」

現在は、無料の情報が世の中に溢れています。たとえば、お店を探したい時や、ちょっとした調べものをしたい時などには重宝するでしょう。

とはいえ、もともと世の中に無料のものなど1つもありません。ですから、無料の情報を流している人は、「どこかで必ず資金の回収をしている」と考えるのが普通です。つまり無料の情報を流している、というのは「そうすることによって利益が得られるから意図的に無料の情報を流している」のです。

たとえば、テレビの情報は基本的に無料です。けれど、そのほとんどは意味のないものです。「何の苦労もなく、ただテレビを観ているだけで、自分の必要としている情報がすべて集まってくる」などということはあり得ません。

元来、テレビとは企業のマーケティングツールですから、視聴者に自社商品を覚えてもらい、買ってもらうのが本来の目的です。テレビを観て、お金が「減る」ことはあっても、「稼ぐ」とか「殖やす」という要素はありません。

選別眼がなければ、テレビ・ネットは時間を無駄にするだけ

確かに、テレビを観てビジネスのインスピレーションを得る、ということはあるでしょう。しかし、何にもせずに純粋にテレビで観た内容から、いきなりアイデアを思いつくことはありません。それができる人は、必ず何らかの前段階を経ているはずです。たとえば日頃から新しい企画ネタを探してたくさん本を読んでいる、とか、会社から重要なプロジェクトを任され、それについて日夜考え続けている、といったようにです。テレビは単なるきっかけにすぎません。

たとえると、インターネットサイトの中からとびきりの情報を得ようとするのは、海辺の砂浜の中から砂金を見つけようとするようなものでしょう。たとえ決死の覚悟で探したところで、無料の情報の中に大金星が混ざっている保証はありません。

もし、選別眼を持っている人であれば、その中からでも見分けることは可能でしょうが、選別眼を持っていない人は、情報の渦に呑まれるのが関の山です。そうしている間にも、貴重な時間はなす術もなく過ぎていきます。

本業と投資をどう両立する?

私でオススメしているのは、ハイブリッドクワドラントです。つまり投資家を本業にするのではなく、本業(サラリーマン、自営業など)を別に持ちつつ、投資家と掛け持ちをすることです。

こう考えた場合、どこにもっとも自分の時間を投じるべきなのかと言えば、それは「一番お金を稼げる本業」にです。いわば副業に相当する投資に、本業以上の時間をかけるべきではないのです。

それでは、副業に過ぎない投資で、なるべく時間をかけずに成果を出すにはどうしたらいいのかと言うと――

12. 中川隆[-12025] koaQ7Jey 2020年7月26日 16:15:22 : TLuHlrtDlY : RUNZN0x0eDhsV00=[13] 報告

2020年07月26日
有名投資家は本音と逆の事を言って大衆を迷わす

証券会社や銀行の専門家は投資で負けています。
自分で勝てる人は独立してやっています

未来が分かる人は他人に教えない

多くの個人投資家は有名投資家やアナリスト、経済評論家、トレーダーやディーラーの意見を参考にしていると思います。

だがこれらの専門家の予測や意見がほとんど外れていて、当たった試しがないのも良く知っていると思います。

彼ら専門家の予測が外れるのは本当に意図せず外れる場合と、意図的にうそを言っている場合があります。

まず意図せず外れる場合ですが相場はランダムウォークと言われるように、元々予測が不可能なものです。

相場を予測できる人が勝者になるのですが、みんなが予測出来たら誰も勝てなくなってしまいます。

つまり相場を正しく予測できる人が居たら、その人は絶対に他人に答えを教えず、自分だけこっそりと正しい投資をする筈です。


ある銘柄が今は低迷しているが上昇するのが分かっているとして、それを他人に教えるより自分だけこっそり買うでしょう。

こっそり買った有名投資家氏は次に株価を吊り上げたいので、「この銘柄はトンでもなく上がるぞ」と大声で触れ回ります。

実はその時にはかなり上がっているが、マスコミで煽ったりして株価は過熱しバブルを形成します。


十分に加熱したタイミングを見計らって有名投資家氏は株を売却して利益を得て、その後で「あの銘柄は過大評価だ」などと言います。

こんな有名投資家や専門家の意見に従って投資したら、高値で買ってバブル崩壊後に手放す羽目になります。

雇われプロの実力は素人と同じ

これが意図的にうそを触れ回る専門家ですが、意図せず予測を外す専門家はもっと始末が悪い。

彼らは何も分かっていないのに「外資系金融機関チーフエコノミスト」などの肩書で予想屋商売をしている事が多い。

日本で有名な外資系ディーラーの著書には「プロディーラーの99%は負けている」と書いてあります。


彼は何千人もの新人を教育してきたが、自分の教え子で生涯通算プラスは10人も居ないとも書いていました。

「プロ」の正体はこれほど酷いもので、実際には高齢者の金を運用して減らしているだけだそうです。

金融機関や会社勤めプロは会社で養ってもらっているので、自分1人で稼げる人はとっくに独立しています。


自分でファンドを立ち上げたり個人投資家として資産を増やした人は通算で勝っているが、雇われプロは負けている人が多いという事です。

独立投資家は勝っていても絶対に本当の事を言わないし、雇われプロはそもそも負けているので予想に価値がない。

こんな理由で専門家の投資予測は必ず外れます


ジムロジャースのようなおしゃべりは自分が有利になるよう大衆を扇動しているので、利益を得るのは自分だけです。

「東大卒でXXX銀行のチーフストラテジスト」など肩書が長い奴は、まず投資で勝っていません。
http://www.thutmosev.com/archives/83518086.html

13. 保守や右翼には馬鹿し[195] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年5月27日 03:16:52 : e9zRGY83K6 : SEJuczVtUWJoY1E=[1] 報告
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ジム・ロジャーズ氏: 人生で一番大切なこと
2023年5月26日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37076

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタムファンドを創業したことで有名なジム・ロジャーズ氏が、World Scholars Academyのインタビューで、特に学生たちに向けてアドバイスをしている。しかし誰にでも価値のある言葉だと思うので、この記事で紹介したい。

この世で一番大切な言葉

先ずロジャーズ氏はこう始めている。

特に学生たちと話す時には、これを言うことにしている。失敗は必ずしも悪いものではない。失敗から学ぶ気さえあれば、失敗はあなたに多くのことを教えてくれる。

これは世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がよく言っていることに似ている。「痛み+反省=進歩」である。失敗が苦しかったとしても、何が原因で失敗したのかを考えれば進歩に繋がる。逆に失敗に痛みが伴わなければ、人は反省することがなく、したがって進歩することもないだろう。

スタンレー・ドラッケンミラー氏は、アメリカ経済にとって致命的なのは、ドルが基軸通貨であるお陰で無茶な財政をやっても自国通貨がなかなか下がらず、痛みが来ないことだと言っていた。それで自滅的な政策を止めることができない。

ドラッケンミラー氏: アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
国でも人でも同じ話らしい。

普段はここでは著名投資家の話に筆者の解説を付けている。しかし今回はロジャーズ氏の後の発言をそのまま掲載したい。解説は蛇足だと思うからである。

ロジャーズ氏は次のように言っている。

人生や歴史における偉大な成功では、大体一度か二度かそれ以上失敗している。

上手く行く人とは、諦めない人のことだ。頭の良い人でも、成功しないこともある。美しい人でも、成功しないこともある。才能ある人でも、成功しないこともある。

成功する人とは、決して諦めない人のことだ。子供にもよくこう教える。この世で一番大切な言葉は粘り強さだ。決して諦めるな。そうすればきっと最後には上手く行く。仮にとんでもなく成功することはできなかったとしても、あなたは間違いなく幸福にはなれるだろう。

だから、あなたが何をしたいとしても、粘り強さは本当に大切な言葉だ。決して諦めるな。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37076

ジム・ロジャーズ氏: お金持ちになるために職業をどう選ぶべきか
2023年5月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37056

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタムファンドを創業したことで有名なジム・ロジャーズ氏が、World Scholars Academyのインタビューで、お金を稼ぐための最良の方法について語っているので紹介したい。

仕事を見つけるために

これはこれから仕事を探そうとしている若者に対するロジャーズ氏のアドバイスである。彼はまず次のように言っている。

仕事を探すとき、給料をいくら払ってくれるかを最初に気にする人がいる。だがそれは仕事を探す上で最初に気にするべきことではない。

若者は大抵、とは言っても若者も今と10年前と20年前ではかなり違うだろうが、それでも多くの場合若者が仕事を選ぶ時には、大抵は年収が高いかどうかと、あとは会社のネームバリューで選ぶだろう。本人たちが意識しているかどうかは分からないが、仕事内容などはその次にしか来ていない。

「でも仕事を選ぶ上で給料を気にするのは当たり前ではないか」と言われるかもしれない。収入を気にするのが悪いことだとは言っていない。だが、筆者がロジャーズ氏に同意して言うならば、お金を儲けたければ年収で仕事を選ばないことである。

金持ちになる方法 vs 年収の高い仕事を探すこと

どういうことか。まずはロジャーズ氏に語ってもらおう。彼は次のように続けている。

もし自分にとって天職といえる仕事を見つけることができ、仕事を好きでいられるならば、その人は必ず成功する。そしてお金は後から来る。

どういうことか? 年収の高い仕事を見つけてしまえば、お金は後からでなくとも今得られるのではないか。

しかし考えてもらいたいのは、世界中の成功者の大半は、いわゆる「年収の高い仕事」に就いて金持ちになったわけではないということである。

彼らは自分の選んだ仕事で成功したから金持ちになった。そしてその業種は必ずしも年収の高い業種ではない。飲食でも、土木でも、小売でも、何でも良いのだが、どんな分野であれ成功した人はしっかり高収入を得ているはずだ。

彼らの多くは自分の好きな仕事を自分のビジネスにしたか、優れた技術を磨き上げて優良企業に重宝されるようになったか、あるいは大学で研究職でもやっているだろう。

だが大学を出て、自分に合わない「年収の高い仕事」に年収に惹かれて就いてしまった人には、この道は開かれない。単に業界相応の年収を得るだけで、例えば日本ではそこから社会保険料と所得税と消費税で50%以上抜かれたものが手に残る。その人生は本当に楽しいだろうか。

好きな仕事を選ぶこと

だからロジャーズ氏は自分が好きな仕事に就くことを奨めている。彼は次のように続けている。

世界中の経営者は、賢くて真面目で勤勉な人材を見つけることの難しさを知っている。誰かを雇用する人は誰もが、熱心でやる気があり信念を持っていて考え方が普通と違う若者を見つけたいと思っている。

だからそういう人を見つけたなら、誰もがその人に多くのお金を払いたいと思うだろう。仕事さえ好きならば、お金は後から来る。お金があなたを見つけてくれる。もしあなたが勤勉でやる気のある労働者であれば。

だから最初は年収が200万円でも300万円でも良いのだ。本当に金持ちになりたければ、業界の平均年収など気にせず好きな業界に入るべきだ。本当にあなたが熱心で、仕事をしながら学ぶ気があるのなら、いずれ自分のビジネスを立ち上げて成功することができるだろう。そうすれば業界の平均年収など関係がない。

逆に、好きでもない業界に入ってしまった人は、その業界で勝てないだろう。それは投資でも同じである。

ロジャーズ氏と同じくクォンタムファンド出身のスタンレー・ドラッケンミラー氏がそれについて語っているので、そちらも参考にしてもらいたい。

ドラッケンミラー氏: 金目当ての投資家が勝てない理由

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37056

14. 中川隆[-12541] koaQ7Jey 2023年5月29日 05:18:55 : 5Hxw01S3D6 : MC9EcnlKdnhSU0U=[1] 報告
<■68行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ジム・ロジャーズ氏の語る投資の始め方
2023年5月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37097

引き続き、ジョージ・ソロス氏とともにクォンタムファンドを創業したことで有名なジム・ロジャーズ氏のWorld Scholars Academyによるインタビューである。今回は投資初心者が投資を始める方法について語っている部分を紹介する。

投資の始め方

投資を始めるというのは難しい決断だ。正確に言うならば、それが難しいと知っている人間には難しい決断だ。世の中には難しいことを難しいと知らず、自分が何に首を突っ込んでいるのかさえ分からないまま何かに首を突っ込む人間が多数いる。

投資を始めるのが難しいのは、初心者は当然投資について何も知らないが、何も知らないとほぼ間違いなく投資に失敗する一方で、実際にやってみて経験を得なければ、何もしらなくない人にはなれないからだ。

虎穴に入らずんば虎子を得ずという。しかし世の中には虎穴に入らずに虎子を得たい人が大量にいる。そういう人は虎穴の外で虎穴を探すので、当たり前だが虎子ではない別のものを掴むことになる。ここの読者にはお分かりだろうが、株式への長期投資を盲目的に信仰している人のことを言っているのである。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
何も知らないまま投資をすると失敗するが、投資をしなければ経験は永遠に得られない。このジレンマをどうするべきか。ロジャーズ氏は次のように語っている。

投資対象について何か理解するまでは投資を待った方が良いと思う。

投資する対象が自動車産業であれば、自動車産業について知っているべきだ。IT業界であればIT業界について知っているべきだ。

インデックス投資が何も知らなくても出来る投資だというのは素人の完全な幻想である。例えばS&P 500に投資をする時には、1株当たり利益と株価収益率が今後どのように推移するかを知っていなければ投資は出来ない。半年投資するなら今後半年の、50年投資するなら今後50年の予想が出来ていなければ、それはギャンブルになってしまう。

それを予想するためには民間総投資や輸出入の成長率、中央銀行の金融政策、インフレ率などについて知っている必要がある。インデックス投資のために必要な情報とはそういうものである。そういうものを知る必要があるとプロが思っているのに、素人がそれを省略できる理由があるだろうか? 素人はプロよりも凄いのか?

だからインデックス投資はむしろプロ向きの投資先である。一方で、自動車やITについて知っている人は、投資をしたことがない人でもいるだろう。

投資の学び方

ということで、投資を始める上では少なくとも多少なりとも投資先について知っている必要がある。自動車か、ITか、マクロ経済統計か、好きなものを選べば良いだろう。

だが1つ難しいのは、何処まで勉強すれば「自分は知っている」と言えるのかどうかだ。この点についてロジャーズ氏は次のように言う。

「わたしはこの投資対象について知っている」と思うかもしれない。その通りだ、人は自分が何かを理解していると考える、実際に理解するよりも大分前に。そして失敗することになる。

だが失敗に落ち込みすぎないことだ。そして失敗から学ぶことだけは忘れてはならない。わたしも過去に失敗したが、幸いにもそこから学ぶことができた。

この意味では、投資は絶対に失敗しないものだと言うことができる。上手く行けば利益を得られる。失敗すればそこから学び、より優れた投資家になることが出来る。どちらでも良いではないか。そしてより優れた投資家になることが出来れば将来は儲かるので、やはり損することがない。

一方で長期投資を盲信する人々の投資法は、今後数十年絶対に失敗することのない投資だと言うことができる。何故ならば数十年経たなければ結果が出ないからである。

そして結果が出なければ失敗から学ぶことがない。彼らは死んでも失敗から学びたくないのだなと思う。それは死んでも勉強したくない人の投資法である。そして彼らを待ち受けているのは、数十年後に失敗してもう一度やり直す時間は残されていないという取り返しの付かない未来である。

長期投資への盲信は失敗の先送りであり、その意味で紙幣印刷政策に似ている。明日小さな失敗をしたくない人は、数十年後に取り返しの付かない失敗をする羽目になる。世の中は本当によく出来ている。

ガンドラック氏、日銀の量的緩和を皮肉る
「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37097

15. 中川隆[-12540] koaQ7Jey 2023年5月29日 05:20:11 : 5Hxw01S3D6 : MC9EcnlKdnhSU0U=[2] 報告
<▽42行くらい>
ジム・ロジャーズ氏: お金持ちになりたいなら、お金のことは考えるな
2023年5月27日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37086

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタムファンドを創業したことで有名なジム・ロジャーズ氏が、World Scholars Academyによるインタビューで、お金について語っている。

裕福になるために

今回はお金の話である。お金持ちになりたいと思う人は多いが、お金持ちになるための方法がお金持ちになろうと思わないことだったとしたら、そういう人はどう思うだろうか。

ロジャーズ氏は次のように言っている。

お金が助けになる時もある。例えば農業を始めたいなら、お金はトラクターや肥料などを買うのに役に立つだろう。

お金は何かをする時の助けになるが、お金は唯一無二のものではない。座ってお金のことばかり考えていては、例えば座って自分の好きなものが何かを考え、新しい考えを思いつき、それを突き詰めたいと思う場合ほどにはあなたは成功できないだろう。

例えば起業したいという人は多い。だが彼らの大多数は実際には起業できない。何故かと言えば、「起業したい」といくら念じ続けても絶対にアイデアは出て来ないからだ。

だが、例えば飲食業界について考え続ければ飲食業界についてのアイデアが出てくるだろうし、広告業界について考え続ければ広告業界についてのアイデアが出てくるだろう。

当たり前の盲点なのだが、お金についてではなくその業界について考えなければ、アイデアは絶対に出てこない。だが起業したいと考えている人の大多数がそれに気付かない。

そしてその業界について考え続けることは、その業界が好きでなければ出来ない。

成功するためには、自分の仕事が好きでなければならない。スタンレー・ドラッケンミラー氏も同じことを言っていた。

ドラッケンミラー氏: 金目当ての投資家が勝てない理由
だからロジャーズ氏は次のように続ける。

あるいは前にも言ったように、仕事を楽しさではなくお金で選んだとすれば、自分の好きな仕事を選び、自分の好きな人生を選んだ人ほどには成功できないだろう。

好きなことをすれば恐らく一番成功できる理由は、毎日幸せなことだ。毎朝起きて「仕事」をするのではなくて、楽しいことをやることになる。

そして仮に他の人よりも成功しなかったとしても、もはやそんなことはあなたにとってどうでも良い。何故ならば、あなたは幸せだからだ。幸せな人は他人がどれだけ成功しているかを気にしない。彼らは幸せだからだ。

ロジャーズ氏のこのインタビューは他の部分をすでに報じているが、司会者の質問が良いので良い話が多い。他の記事も参考にしてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37086

16. 保守や右翼には馬鹿し[199] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年5月30日 21:20:49 : 7kCKdEOBdc : OUFtakNReEVjOTY=[1] 報告
<■67行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ジム・ロジャーズ氏: 優れた投資家に必要な素質
2023年5月30日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37140

引き続き、ジョージ・ソロス氏とともにクォンタムファンドを創業したことで有名なジム・ロジャーズ氏の、World Scholars Academyによるインタビューである。今回は優れた投資家になるために必要なメンタリティについて語っている部分を紹介したい。

優れた投資家になるための素質

優れた投資家になるためにはどういう素質が必要だろうか。それは生まれ持ったものだろうか。習得できるものだろうか。

ロジャーズ氏は、優れた投資家になるための素質について聞かれ、次のように答えている。

好奇心、そして疑う心だ。

好奇心は当然必要である。AIなど新しい技術に投資をしたければ、新しい技術に興味を持ってそれを調べる必要がある。

では疑う心とは何だろうか? ロジャーズ氏は次のように説明している。

耳にしたことや読んだことをすべてそのまま信じてはならない。自分で調べること。自分で確かめること。誰もが空は青いと言っていても、自分で窓の外を見て本当に空は青いかを確かめること。

自分で確かめること。聞いて考えたことが正しく正確かどうか分かっておくこと。特に投資の世界では多くの話は正しくないのだから。誰もがうまい話や新しい投資対象を持ってくる。自分で調べて確かめることだ。

うまい話とはつまり、知らない人からメールが来て、宝くじに当選したからキャッシュカードと暗証番号を送ってくれとか、政府に保険料を払えば老後を安泰に過ごせるお金が後で返ってくるとか、インデックスを買って寝ていれば年4%儲かるとか、首相が岸田氏でなくなれば自民党はきっと変わるとか、そういう話だ。

特に金融業界にはうまい話が多い。ロジャーズ氏は次のように語っている。

ウォール街で働き始めた時、奇妙な話をよく耳にした。だが何故そんなことが言える? 何故そんなことが信じられる? お金が空から降ってくることはない。

お金が木から生えてきたりはしない。

「インデックスを買って寝ていれば年4%儲かる」、だが根拠は何なのだ? 年4%損する羽目にならないと何故言えるのだ? 「米国株に投資していれば過去40年儲かり続けた」、だが過去40年と今後40年が同じようになる根拠は誰が示したのだ? それを示さなければ、その理屈は例えば隣の田中さんは90年生きたからもう90年生きると言うのとまったく同じである。

むしろ筆者は、過去40年米国株を押し上げてきた原因そのものが今後数十年消滅するということを根拠をもって以下の記事で示した。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
だから過去40年は今後40年を予想するための根拠にはまったくならないのである。

だが自分にとって都合の良いものを信じたい人にとっては、根拠があろうがなかろうが関係ないらしい。彼らはむしろ根拠を避ける。信じたいものを信じていられることが彼らの幸福だからだ。それが長期には大損への道だとしても、彼らの目は2メートル以上先を見ることができない。

株式投資ブームに乗った時点で個人投資家の損失はほぼ確定している
紙幣印刷といううまい話

経済政策でも同じである。「紙幣を印刷してばら撒けば誰もが簡単に幸福になる」、確かに紙幣印刷で人々は紙幣を手に入れたが、紙幣の価値が下がったために紙幣でものが買えなくなり、インフレが起こった。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
当たり前の帰結なのだが人々は元々インフレが物価上昇という意味だということさえ理解していなかった。それでインフレ政策といううまい話を信じたわけである。

世界最大のヘッジファンド: 無節操に支出し続けるメンタリティのお陰でスタグフレーションへ
むしろ彼らにとっては、それがうまい話であるという現実を直視するぐらいなら死んだ方がましだっただろう。働きたくもない仕事に人生のほとんどを費やし、その報酬の半分以上を所得税と社会保険料と消費税によって自民党に奪われている自民党支持者の人生は現実逃避で出来ている。

いや、インフレ政策はインフレ(物価上昇)と看板に書いてあるので、うまい話ですらなかったわけだが。それでも彼らはそれを好んだ。まさに墓穴を自分で掘ったわけである。

ロジャーズ氏は次のように言う。

お金を稼ぐことは難しいのだ。だから誰かが「心配ない、これは簡単だ」とか「今回はこれまでとは違う」などと言い始めれば、部屋を出ることだ。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37140

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