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超高齢社会の法律、何が問題なのか 樋口範雄著 皆にプラスもたらす道とは
2007年、当時91歳の認知症の男性が線路に入り込み、列車にひかれて死亡。鉄道会社は列車の遅延などの損害賠償を遺族に求める訴訟を起こした。一審は原告全面勝訴で妻と別居の長男に賠償を命令。二審は賠償額を減額したものの、妻に賠償を命じる判決を出した。
この裁判は現在、上告中だが、一、二審判決は大きな波紋を呼んだ。介護現場からは「要介護者から一瞬たりとも目を離してはいけないということか」との批判が渦巻き、成年後見人になる人はいなくなるともいわれた。
本書もこれら判決を「高齢社会についての想像力が欠如している」と強く批判する。そして、このような判決の根底にある加害者対被害者、若者対高齢者といった、自分が得をするか相手が得をするかのゼロサムゲーム的な発想から抜け出すべきだと説く。これからは共にプラスになるような道を探ることに、法と法律家の存在意義があるとする。
日本では終末期医療に関連して、いったん始めた延命措置を中止すると医師が殺人罪に問われるかどうか、といった法律論が盛んだ。しかし本当に大切なのは、一人ひとりがいかに安らかに最期を迎えることができるかであるはず。超高齢社会で法制度や人々の意識はどうあるべきか。この本を読んで考えたい。(朝日新聞出版・1400円)
[日経新聞1月17日朝刊P.16]
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