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2013年01月19日 天木直人のブログ
今度のアルジェリア人質事件でどのメディアもまったく指摘しないこ
とがある。
それは「テロには屈するな」と言い続けて来た日本政府やメディア
が、今度ばかりは逆に「人命最優先だ」と言い出している事についてで
ある。
1977年に日本赤軍が起こしたダッカ襲撃事件の時は当時の福田首
相が「人命は地球よりも重い」と言って人質の無事解放を優先した。
この時これをテロを増長させると言って世界の笑いものだと批判する
向きがあった。
その時私は人命最優先の福田首相の判断は正しかったと思ったがそれ
を公言すれば非難された。
翻ってイラク戦争が始まって間もない2004年にボランティアの若
者三人がイラクで人質になったとき、小泉首相は自己責任だと突き放
し、それが「テロに屈しない」姿勢だと評価された。
ところが今度ばかりははじめから人命最優先を繰り返し、日本は各国
の中でも「テロに屈しなかった」アルジェリア政府を非難する急先鋒と
なっている。
そしてそれに対してメディアは当然の如く誰も異を唱えない。
繰り返して言うが私は人命最優先であるべきだと思っている。
だから今回安倍自民党政権が人命最優先を唱えることを歓迎する。
しかしダッカ事件やイラク人質事件のときに比べその変わり方は何な
のか。
そして安倍首相の口からここまで人命尊重を強調する言葉が繰り返さ
れることに違和感を覚える。
なぜメディアは一切その事に言及しないのか。
その不自然さの理由は間違いなくある(了)。
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