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<軍人は大馬鹿・信用できない>
例年、8月になると、敗戦時の日本軍の馬鹿さ加減を思い出す。父親が陸軍大将だった宇都宮徳馬さんから聞いたことなども。思えば古来、有能な軍人などいなかっただろう。後世の学者が虚像を描いたりするが、全てが真実ではない。一般的に大局が見えない。思考力・知性・智恵が低い。人命軽視の輩ばかりで、自己の栄達にのみこだわる軍人ばかりと言っていい。いかなる時代、いかなる国でも、軍人は信用できない。そもそも大馬鹿ものの集団だからである。いまの日本に自衛隊出身の防衛大臣、自衛隊員の父親のもとで育った首相がいるが、とても信用などできない。
たとえば危険なオスプレイ輸送機について、大臣は「乗せてもらった」との理由だけで、安全だと言い張っているらしい。自衛隊幹部は訪米して「機体は安全。事故は操縦ミス」という米軍説明を受けて、ただそれだけで「安全」という。まるで子供の使いだ。これが大臣と自衛隊幹部のオスプレイ調査である。
自らの馬鹿さ加減を吹聴しているようなものである。
<兵士・民間人の命を軽視>
確かに勲章をもらった軍人は多くいるようだが、本当に勲功を上げているのか。その裏で沢山の兵士や民間人を殺していないか。日露戦争時の乃木大将の旅順攻略戦を映像で見たことがあるが、ものすごい数の兵士が敵弾に当たって殺されていく。悲惨過ぎて目を開けていられない。
乃木の軍人としての才能は、どんな兵士よりも劣ることが分かる。それでいて、まだ見たことはないが、乃木神社という社(やしろ)で神様扱いされているらしい。不思議千万である。
上陸米軍を相手に戦った沖縄守備隊の日本軍は、沖縄の女子供さえ、守ろうとせずに自害させている。あるいは米軍の楯に使った。こんな悪辣な軍隊などこの世にいるはずがないのだが、現実に存在した。無辜の民を放置・犠牲にして軍隊が最初に敵前逃亡した例は、中国侵略の関東軍だった。
その時の参謀は、大手の商事会社で頭角を現し、元海軍将校の中曽根首相の内閣でも活躍の場を与えられた。中曽根が信用した人物は軍人だった。バブル経済と経済大国破綻は、この時である。そこには倫理観・責任感もなかった。
生きた中国人捕虜を細菌実験としてメスを入れた731部隊の軍医も、敵前逃亡の代表だ。しかも、その研究資料を占領軍と引き換えて、戦後を生き延びた。さらに大学医学部の教壇で、戦後の医学生を教えていた。
こんな戦後の日本だった。
<勲章へのこだわり>
宇都宮さんが子供のころ、自宅に陸軍の幹部連がよく出入りしていた。彼は軍人の思考をある程度、子供心に知っていた。末は大将の道といわれた陸軍幼年校在学中、そのOBである大杉栄が甘粕という悪の軍人に殺害された事件を知るや、彼は軍国主義に反対して退学してしまった。
水戸高校時代は軍事教練にも反発、そのことが有名になっていたと、後輩の後藤田正晴さんが証言している。二人とも反軍のリベラル派だった。宇都宮さんに「軍人のお目当ては何か」と聞いてみたことがある。彼は即座に「それは勲章だよ」と答えた。
買勲事件とやらが多発した軍国主義の時代だった。近代的一般人にとって勲章など格差の典型で軽蔑対象のはずだがだが、これを欲しがる輩は軍人だけではない。よく知る元衆院議長は「フランス政府からドヌール勲章をもらった」といって、わざわざ目の前で見せてくれた。高齢化して肉体と精神が衰えると、存外、人は勲章に魅力を感じるものらしい。
確か昨年のことだった。毎日新聞幹部が「勲章をもらった」といって、日本記者クラブで話題になった。以前は「社会党の代議士までが勲章をもらって喜んでいた」といってマスコミで大騒ぎになった。この買勲を手助けする専門の自民党秘書まで現れた。
勲章は人の心を狂わせる妙薬という側面もあるらしい。「無冠の帝王」が一番だと思うが、どうだろうか。
<ソ連の対日参戦を知っていて隠す>
最近になって、英国の公文書館ですごい発見があったという。1944年12月14日の米英蘇3国首脳によるヤルタ会談で、ソ連の対日参戦が密約された。参戦と引き換えにソ連は樺太南部を日本から返還させる、千島列島をソ連に引き渡すことを条件に日本攻撃を開始するというもので、今日ではよく知られている。
問題は、この密約を日本は知らなかった、ということになっていた。実は日本の軍上層部は、ヨーロッパの駐在武官からの極秘電文で知っていた。その電文をイギリスは解読していたのである。
この場面で戦争を止めておけば、広島・長崎はなかった。沖縄の悲劇も?
日本陸軍上層部はこれを秘匿したまま敗戦へと突き進む。
理由は天皇制を存続させる、国体護持を確約しようとして敗戦時期をずらしたのだ。本当に軍人は大馬鹿ものだと思う。国民の生命財産など眼中にない。勲章をくれる天皇制のことに熱中していたのだ。二度と軍人を信用してはならない。そんな8月であって欲しい。オスプレイしかりだ。
2012年8月18日7時25分記
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