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(回答先: IMFは緊縮策の弊害回避を 金融緩和に危機対応の大義名分、副作用を懸念 日米の投資比率に低下余地 投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 16 日 23:07:54)
年次総会演説:
これからの道−変わりゆく世界経済、変わりゆく IMF
クリスティーヌ・ラガルド
国際通貨基金 専務理事
2012 年 10 月 12 日
東京
はじめに−世界が日本に集う
おはようございます。
総務会委員長、総務並びに来賓の皆様、国際通貨基金(IMF)を代表いたしまして、
皆様をこうして年次総会にお迎えできましたことを光栄に存じます。東京へようこ
そ!
まず今朝はこの年次総会に日本の皇太子殿下徳仁親王が出席下さっていることを皆
様に報告いたしますとともに、殿下にお礼を申し上げたく存じます。また、我々を
温かく迎えて下さった日本の皆様に感謝いたします。さらに、年次総会初参加とな
ります友人ジム・ヨン・キム総裁を心より歓迎いたします。キム総裁が今どのよう
なお気持ちでいるか良く分かります。私も昨年同じ立場にありましたから。
前回の 1964 年の東京での年次総会において、当時の池田勇人首相は次のように述べ
ました。「国内・国際を問わず我々全員が直面している重要な課題は、安定した経
済成長を促進し、富める者と貧しきも者の格差を改善することである」。古いこと
わざにあるように「いくらうわべが変わっても、本質は変わらない(plus ça
change, plus c'est la même chos)」と言うことでしょう。
日本はそれ以来、大きな発展を遂げました。
私は、昨年地震と津波が甚大な被害をもたらした仙台から先日戻ってまいりました。
多くの命が失われ、多くの夢が打ち砕かれました。しかしそれでもなお、私は新し
い街の誕生を目にすることができました。日本の人々の国と生活の復興にかける驚
くべき努力を、そして勇気と自信を直接この目で確かめることができました。2
こうした日本に全世界が感銘を受けています。日本の皆様は、我々が皆理解しなけ
ればならないこと、すなわち、共に立ち上がり一つになることではじめて、今日の
混乱を克服し我々の共有する未来を発展させることができるということを理解され
たのです。
本日は、世界経済、IMF そして我々全てにとり、我々を待ち受けている未来がどの
ようなものとなり得るのか、少々お話をしたいと思います。
では、
A. 世界経済の変化のペースと規模
B. これからの道を理解し先導する
C. IMF の今後についての私の考え
という以上 3 点についてお話したいと思います。
A. 絶えず変化する世界−広範囲に及ぶ大きな変化
周囲で起こっている大きな変化への対処に追われている我々には、1964 年の東京年
次総会から学ぶことがあります。
当時、加盟国は、明るい新しい世界をそして黄金の時代を前に、ここ東京に集りま
した。日本は経済復興のただ中にあり世界経済は力強く前進していました。
これまでの歩みを振り返ってみましょう。生活水準は、1 人当たり実質 GDP でみる
と、世界では約 3.5 倍、日本では 4 倍、アジア新興国では驚くべきことに 9.5 倍と
大きく向上しています。世界の貿易量は 16 倍となっています。そして中国を中心に
アジアだけでも 5 億の人々がこれまで 20 年間で貧困から脱却しました。
そして今日、我々の世界はいくつかの大きなトレンドにより再構築の過程にありま
す。
まず、人口構成が大きく変化しています。上昇軌道にある経済地域では若者が、先
進国や新興市場国・地域では高齢者が多く暮らしています。そしてますます多くの
女性が経済活動に参加しています。2035 年までに、アフリカは、インドや中国を超
え、世界で最も大きな 10 億人以上の労働力を有することになります。しかし、その
時までに、世界で 65 歳を越える人々が 10 億人を突破しているでしょう。3
また、経済力が西から東へシフトしています。そして繁栄が北から南へと広がり始
めています。新興市場および途上国地域が、世界の GDP の約半分を占めています。
1964 年は 4 分の 1 でした。
コミュニケーションとテクノロジーの革新が、我々の経済と社会を一段と高い位置
に押し上げています。無限の結びつきが我々を一つにし、我々一人ひとりの前に何
10 億もの可能性に通じる門が開かれています。今日、約 30 億人がインターネット、
まさに世界規模のウェブに接続しています。
つまり、世界経済の砂はシフトしているのです。
アジアの強さとダイナミズムは明白です。これは他の新興市場国・地域にも当ては
まります。例えば、今年初めにブラジルを訪問した際、ジルマ・ルセフ氏が女性大
統領としてその職に就かれ、包摂的成長の追求と格差改善という課題に大きな決意
をもって取り組まれていました。かつて大きな苦難の時期を経験したこうした地域
から我々が学べることは数多くあります。
欧州もまた、それが労多いものではありますが、統合という歴史的なプロセスにあ
ります。確かに、ユーロ圏は厳しい試練に直面していますが、発表した政策イニシ
アティブの遂行を推し進めなければなりません。我々は、深部に至る構造改革とと
もに、銀行および財政統合の深化が、経済基盤を強化し、より力強くより耐性に富
んだ同盟への基礎となると理解する必要があります。
中東もまた移行期にあります。やはり茨の道にあると言えるでしょう。しかし、固
い決意と外部からの支援をもって、移行期にあるアラブの行く先は希望の灯台とし
て光り輝くと確信しています。エジプトのモルシ大統領とお会いした際、大統領は
強固な民主的な制度に支えられた野心的な経済改革を追求する決意を示し、実行さ
れつつあります。
何十年にも渡り停滞してきたサブサハラ・アフリカも、力強く確実に成長するなど
新しい局面に向かっています。貧困との長期に渡る戦いに勝利するまでには長い道
のりを行かねばなりません。しかし、外部を強くひきつける急成長を見せる「フロ
ンティア・マーケット」の浮上を前に、古いステレオタイプは足早に廃れつつあり
ます。例えば、私が今年に入り訪問したナイジェリアを見てみましょう。ナイジェ
リアは、長い間、豊かな原油という遺産を浪費してきましたが、今日では、ダイナ
ミックな改革と強力なリーダーシップに支えられ目覚しい成長を遂げています。
こうした変化が我々の未来を形づくりつつあります。4
しかし、大きな課題も存在します。我々は有頂天になってはいけません。我々の予
測が示すように、世界経済の回復力は依然として余りにも弱く、何億という人々の
雇用見通しは、あまりにも難しい状況にあります。貧富の差はまだまだ大きく開い
ています。
我々の楽観的観測が現実のものとなるまでには、大変な道のりが待ち受けているの
です。
B. これからの道を理解し先導する
ここで、2 点目である、どのようにこの道のりをうまく進んでいくか、どのように
この変化に対応するか、という点についてお話します。
私は、
危機を過去のものとする
金融部門の改革を完了する
不平等を是正し包摂的な成長を築く
という三つのマイルストーンがあると考えています。
危機を過去のものとする
危機を抜け成長を取り戻す事、なかでも失業率問題という厳しい問題を解決する事
が最優先課題であることは明らかです。
それを実現するために必要な政策は分かっています。緩和的な金融政策や、成長を
損なうことなく中期的に債務を削減する確固として現実的なプランを伴う適切なペ
ースでの財政調整、銀行部門の健全化の完了、そして生産性と成長を高める構造改
革です。そしてこれらを、世界需要をダイナミックな新興市場国・地域へと再調整
(リバランス)することにより補完する必要があります。
誤解してはなりません。成長なしでは、世界経済の未来は危ういのです。
おそらくこれまでに蓄積された多額の公的債務が、最大の障害となるでしょう。先
進国・地域の公的債務は、現在平均して GDP の約 110%と、第二次世界大戦以来、
最高の水準にあります。このため、政府は信認のわずかな変化に対し極めて脆弱と
なっています。特に、この問題は、社会プログラムを重視し 21 世紀のインフラを構5
築するうえで足かせとなります。加えて、急速に進む高齢化に伴うニーズが更なる
圧力となるでしょう。
過去の教訓から明らかなことが一つあります。それは、成長なしでは、公的債務の
削減は一段と困難になるということです。そして、多額の債務により成長を達成す
ることが困難となります。
我々の進む道は、狭く長いものとなりましょう。
今重要なのは、熟慮ではなく必要とわかっている政策を実行へ移すこと、そしてあ
らゆる面で連携することです。プレーヤーは様々ですが、これは一つのゲームであ
り、ますます複雑化しているものの、それぞれのポジティブな努力を集積し得るゲ
ームです。
より良い金融システム
私が考える二つ目のマイルストーンは、より良い金融システムです。これは、現代
の世界経済に欠かせないものであることは御存知の通りです。
しかし、危機を招いたシステム、すなわち、古代ギリシャ人ならば、ヒュブリスと
ネメシスになぞって傲慢な人々が天罰をおびき寄せたというかもしれないシステム
を越えたものが必要です。
一部進展が見られたものの、リーマン破綻時と比べいまなお金融システムの安全性
は大きくは向上していません。依然としてあまりにも複雑で、大規模な機関に活動
が集中しすぎており、「重要すぎて潰せない」という亡霊に付きまとわれています。
まだ今なお続く過剰とスキャンダルが、このカルチャーが大きく変化していないこ
とを伝えています。
そのため、規制の改善、監督機能の向上、国境を越える機関のより適切な破たん処
理制度、金融機関への理にかなったインセンティブの付与、競争条件の公平化など、
金融部門の改革アジェンダを喫緊の課題として完了させなければなりません。
なかでも、バーゼル III のより良い資本と流動性バッファーという課題において特
に進歩を遂げています。しかし、合意した改革の実行、そしてデリバティブ、影の
銀行、さらに「重要すぎて潰せない」金融機関といった諸問題での一層の進展とい
う面で、モメンタムを失っているのではないかと私は危惧しています。
業界からは、新しい規制に伴うコストを懸念する声が多く聞かれます。この懸念は
妥当でしょうか。最近の IMF の分析は、規制を改善することにより、銀行の貸出金6
利は上昇しますが、その幅は比較的小さいとの見通しを示しています。また、資本
バッファーを適切なレベルにまで拡大することは、成長を妨げるのではなく、成長
を支えることが明らかになりました。また、金融部門の課税の改革は、過剰なリス
ク選好及びレバレッジの減少に寄与すると期待されます。
要するに、改革に伴うコストは無理のない範囲にとどまるということです。しかし、
自己満足に陥るコストはそうではありません。我々は既にそのことを経験していま
す。
加えて、金融システムは、一段と均衡の取れた世界経済成長への移行を容易にしま
す。現在、世界の貯蓄の約 3 分の 1 を新興アジアが占めています。地域の金融市場
を発達させることは、この貯蓄を新興アジア自身の裏庭へ、つまり最も必要とする
繁栄の淵にある人々へと方向転換することができます。
不平等と包摂的な成長
ここで、第 3 のマイルストーンである、今後の不平等と成長の質についてお話しま
す。これは、政策立案の中でも人に関する側面です。
成長は、世界経済の今後に不可欠なものですが、これまでとは別の成長でなければ
なりません。無制限なグローバリゼーションの単なる副産物ではない成長です。つ
まり包摂的な成長です。
最近の IMF の分析によると、不平等の減少がマクロ経済の安定性の向上とより持続
可能な成長に関連している事が分かりました。これは、政策へ重要な意味を含んで
います。
これは、財政政策を策定する際、その効果に重点を置くもののの、平等の問題に留
意することを意味します。調整の負担を公平かつ公正に分かち合い、弱く脆弱な
人々を守る事を意味します。全ての人々が信用と金融市場へアクセスできる、より
包摂的な金融を意味します。全ての人々に機会の窓が開かれ、閉じられた場合はそ
の理由が明らかにされる透明性とガバナンスの向上を意味します。
以上のことから、今後の世界経済は、危機を乗り越える、金融システムを改善する、
そして、新しい意味での成長を構築することで回転していくのです。
C. 新しい IMF−新しい世界で加盟国に貢献する
これは、IMF の将来に何を意味するでしょうか。7
連携の強化は、これまで私が述べきたこと以上に必要です。相互に結びついた世界
は、協力する世界でなければなりません。インドの偉大な詩人であるタゴールの言
葉を借りるならば「狭い国内の壁により細分化されていない」世界でなければなり
ません。
ですから、将来において多国籍機関はこれまでにも増して重要となります。
そして、IMF はこのような世界的協調のための第一級のフォーラムだといえます。
今回の危機は我々に変化を起こしました。つまり、新しいアプローチ、新しいツー
ル、新しい意義などの構築です。将来の IMF の骨子が見えてきました。しかし、こ
れは IMF のこれまでの歴史、そして創設者が課した使命の上に築かれています。
では、将来の IMF とはどのようなものでしょうか?
まず第一に、IMF は常に信頼されるアドバイザーでなくてはなりません。
アドバイスを提供することも受けることも、時に難しいものです。我々は、過去 1
年間で幾つかの重大な決断を下しました。なかには物議を醸したものもありました。
欧州の銀行の資本増強や、より大規模な欧州の金融のファイアウォールの構築、財
政調整へのよりバランスの取れたアプローチ、「財政の崖」への緊急な対応などを
求めてきました。これらは、難しい要請ではありましたが、困難な時こそ、経済問
題を客観的かつ独立した観点から判断し、厳しい決断を下すことこそが我々の仕事
です。
今、IMF は前進し、現代の世界経済の変化する現実と優先事項、そして相互に広く
結びついた世界に、これまで以上に適応しなければなりません。そのため、我々は、
一国での出来事が他の国へどのように影響するのか、経済及び政策の波及効果を今
まで以上に重視しています。
たとえば、我々の新たな「統合されたサーベイランス決定」は、国境を越える影響
に光を当て、国レベル及び世界レベルのサーベイランスを相互連結するうえで有益
でしょう。我々の新たな「対外部門の安定性に関する報告書」は、為替レートを含
め、多国間的視点から政策評価を精緻化します。そして、新たな「金融サーベイラ
ンス戦略」は、国と世界の安定性を巡る懸念の中心にある部門に対する我々の焦点
を大幅に強化するものです。
第 2 に、IMF は、相互連関した世界で、加盟国支援に必要なリソースを備えていな
ければなりません。8
これまで危機の間に、我々は 57 の非譲許的融資と 69 の譲許的融資、合わせて 126
の融資プログラムに対して 5,400 億ドルをコミット、1,570 億ドルを支出しました。
我々は、調整と移行を支援する融資や、問題の波及を防ぐための保険、良い政策を
保証するなど様々な国の様々な問題を支援しています。さらに我々は、たとえば、
一部の国で財政調整の期間の延長を求めるなど、より柔軟にかつ社会情勢を十分に
配慮しながら、このような活動を進めています。
今年初めの、我々の財源を 4,560 億ドル拡充するという皆様の決定は、IMF への大
きな信頼を反映した結果であり、これにより IMF の融資能力は総額 1 兆ドルを超え
ることになりました。また、最近では、金売却に伴う想定外の利益を活用すること
で、皆様は、貧困削減·成長トラストの今後の譲許的融資のための十分な資金を確保
するという低所得国に対する約束を果たしました。
ご安心ください。皆様の投資は、危機を終わらせるため、危機を防ぐため、そして
危機が人々にもたらす損失を軽減するために、有効に活用されます。
最後となりますが、将来の IMF にとり重要な点として、IMF はグローバル・オーナ
ーシップを真に反映すべきだという事をお伝えしなければなりません。
世界を代表する、世界を映した、そして世界が安全で快適なホームと認識すること
ができる IMF が必要です。
この意味では、2010 年に合意した改革は、我々の歴史上で最も大きなガバナンスの
改革だと言えます。この結果は、クォータ(出資割当額)がダイナミックな新興市
場国や途上国に 6%移行することになりますが、これにより前回の 2006 年改革の開
始から、合計で 9%移行することになります。初めて、ブラジル、中国、インド、
ロシアすべてが 10 大出資国に名を連ねることになるのです。さらに、国際金融機関
では初めて、全選任制の理事会が誕生することになります。
この改革に向けて大きく前進してきました。これは良いニュースです。我々は、主
要なポイントを達成しました。クォータ増額に関する 75%以上の賛同を、また理事
会の改革に関しては 120 カ国以上の賛同を得ました。今、我々は、理事会の改革と
2010 年のパッケージを遂行するために必要な、議決権の 85%の賛同を得るために努
力しなければなりません。
ゴールは目の前です。後僅かである今ここ東京で再び、ゴールに到達できるよう加
盟国の皆様にご協力をお願いする次第です。9
総務会委員長、および総務の皆様、これが我々が築いてきた IMF であり、今後も皆
様のご支援のもと努力を続けていく所存です。皆様の IMF であり、それは常に全て
の人のためにあります。加盟国に貢献し、世界にそして人々に貢献してまいります。
終わりに:協力−東京の精神
本日のお話を終えるにあたり、開催国である日本の皆様に今一度御礼申し上げます。
日本は多国間主義と世界的協調の真のチャンピオンです。IMF の友人であり、今年、
パートナーシップの締結から 60 年目という記念すべき年を迎えました。
ワールドクラスの優れた IMF スタッフに深く感謝いたします。加盟国支援に昼夜を
問わず働く熱心なプロフェッショナルのグループに、これほど感銘を受けたことは
ありません。
そして、IMF 理事のすばらしい指導と協調的な関係に感謝いたします。また、加盟
国の皆様からの継続的なご支援と IMF への信頼に御礼申しあげます。
最後になりますが、この度の総会の一環として、日本の学生を対象に IMF と世界経
済をテーマとしたエッセイコンテストを開催いたしました。素晴らしく感動的なエ
ッセイが多数ありました。入賞された皆さんが今日ここに来ています。皆さん、立
っていただけますか。
特に心に残ったエッセイがあります。米本奈央さんという若い女性が書いたもので
す。
奈央さんは、日本歴史上の有名な出来事で、武田信玄と上杉謙信という 2 人の戦国
大名が覇権をめぐって戦ったときの事を書きました。当時特に貴重であった塩が敵
方で不足していることを知り、蓄えていた塩を送ったというものです。
これにより、「敵に塩を送る」というすばらしい日本の諺ができました。言い換え
るならば、困っている者には、相手が自分と違っても自分と同じチームではなくと
も、寛大であれということです。困難な時は、お互いを助け合うことが前進する唯
一の道である、これがメッセージです。
総務会委員長、および総務の皆様、協力の精神こそが、前進する唯一の道です。私
はこの精神を先日、仙台で感じました。これまで 1 年間、加盟国を訪問した際に感
じました。そして今朝再び、皆様の表情の中にこの精神を感じています。
これが我々の総会の精神です。参加された皆様がこの精神を母国に持ち帰られたら
幸いです。10
ご清聴ありがとうございました。
http://www.imf.org/external/japanese/np/speeches/2012/101212aj.pdf
危機耐性高めるアジア金融セーフティネット対外ショックに対する対応力を増す経済も危機耐性を高める一因
2012年10月12日 金融調査部 神尾 篤史
【サマリー】
◆アジア通貨危機以降、アジア経済は着実に成長すると同時に、経常黒字への転換、外貨準備の増加等を要因として総じて対外ショックに対する対応力を増している。
◆アジア通貨危機以降、アジア各国は、危機への備えとして外貨準備の増加、域内の2国間通貨スワップ取極の締結(CMI(チェンマイ・イニシアティブ)に基づくスワップ取極とそれ以外のスワップ取極)、複数の2国間通貨スワップを迅速且つ同時に発動できるようにしたCMIM(チェンマイ・イニシアティブのマルチ化)を締結し、金融セーフティネットの整備を進めている。
◆これらの金融セーフティネット(外貨準備も含めた)の規模が十分か、アジア通貨危機時とリーマン・ショック時の資本流出額で比較すると、十分対応できることが分かった。
◆ただし、CMIに基づくスワップ取極、CMIM共に発動された実績が未だない。両者の100%発動には、IMFプログラムの発動を必要とすることが理由と思われる。IMFプログラムとのリンク維持を所与とした場合、実質的に金融セーフティネットを強固にするためには、CMIと別枠での2国間通貨スワップ拡大が適当と思われる。
(注)なお、本レポートの対象国は、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポールとする。
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/capital-mkt/12101201capital-mkt.html
スペインが予防的信用枠求めれば、ドイツ反対しない−議員ら
10月16日(ブルームバーグ):スペインが予防的な信用枠を欧州の救済基金に求めることにドイツは反対ではないと、同国の連立与党幹部2人が発言した。
メルケル独首相のキリスト教民主同盟(CDU)の幹部、ミヒャエル・マイスター、ノルベルト・バーセル両議員はスペインの国家救済をめぐるドイツの慎重姿勢の変化を示唆した。ショイブレ独財務相は先月、スペインが銀行支援以上の救済を求めることを望まない趣旨の発言をしていた。
バーセル議員は16日のテキストメッセージで、条件が明確になるまで支援要請を手控える方針のスペイン政府にとって、予防的な信用枠を求めることは「可能な動きだ」との考えを示した。8日に発足した欧州安定化メカニズム(ESM)は経済の一部のセクターに、限られた条件付きで支援を提供することができるという。
スペインへの支援はドイツ議会で可決される必要があるため、議員らの見解は重要だ。マイスター議員は電話で「予防的与信枠にせよ全面的なプログラムにせよ、スペインが行う申請を吟味しなければならない」と述べた。支援に付随する条件は要請の性質によって異なると説明した。「どんな要請であれ、条件抜きということはあり得ない」とくぎを刺した。
原題:Germany Open to Precautionary Credit for Spain, LawmakersSay(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Brian Parkin bparkin@bloomberg.net;ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/16 21:56 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBZIWN6S972Q01.html
ロンドン外為:ユーロ上昇、スペイン救済要請準備整ったと英紙
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10月16日(ブルームバーグ):ロンドン時間16日午前の外国為替市場でユーロは上昇。対ドルでは約1週間ぶり高値を付けた。
スペインが金融支援要請で受け入れ可能な方式を固めたとの英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道などに反応した。米経済は堅調との見方で質への逃避が薄れ、円とドルは大半の主要通貨に対して売られた。
ロンドン時間午前8時50分現在、ユーロは対ドルで0.5%高の1ユーロ=1.3009ドル。一時は8日以来の高値の1.3013ドルを付けた。対円は0.8%高の1ユーロ=102円65銭。
円は対ドルで0.3%安の1ドル=78円91銭。
原題:Euro Rises Before German Sentiment Report Amid SpainRescue Bets(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:エディンバラ Lukanyo Mnyanda lmnyanda@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Dobson pdobson2@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/16 17:17 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBZ5HV6S972G01.html
スペイン首相の瀬戸際政策、火遊びはドイツに再考促す恐れ
10月16日(ブルームバーグ):スペインのラホイ首相は、欧州への救済要請で曖昧な態度を続けているが、これは市場が再び動揺することでドイツの抵抗を克服し、より良い条件をまとめることが可能になるとの思惑を意味する。
ハーバード大学の元エコノミストで、現在はバルセロナのポンペウ・ファブラ大学で教鞭を執るホセ・ガルシアモンタルボ氏は、ラホイ首相には「事態が悪化すればするほど、スペインに有利になる」との考えがあるとした上で、「南欧諸国を沈むにまかせるコストについて、ドイツ国民にさらに深く考えることを促すだろう。それは非常に危険な戦略だ」と指摘する。
米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏などの投資家は、スペインに命綱に手を伸ばすよう圧力をかけているが、欧州連合(EU)首脳会議を2日後に控えて、ラホイ首相はこれを拒否し続けている。
スペイン経済はギリシャとアイルランド、ポルトガル、キプロスを合わせた規模の倍に相当し、支援メカニズムの能力を試すことになるため、スペインの防衛は極めて重大な意味を持つ。欧州中央銀行(ECB)が高債務国を守るために無制限に国債を購入する用意があると表明して以降、スペイン国債相場は上昇。予算削減に対する国民や地方政府指導者の抗議が勢いを増す中で、国債相場の上昇は、支援要請を回避する自信をラホイ首相に与えたようだ。
シティグループのエコノミスト、エブラヒム・ラーバリ氏は電話インタビューで、スペイン首相の抵抗は火遊びであるとの見方を示し、「避けることができない痛みを伴うことを先送りして、合理的に良い結果が得られる例は非常にまれだ。私が助言する立場にあれば、考えを変えるよう強く勧告するだろう」と述べた。
原題:Rajoy Delay Marks Bet Renewed Turmoil Makes Bailout TermsEasier(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Madrid Ben Sills bsills@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/16 10:50 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBYO3B6S972S01.html
金利は長期ゾーンを中心に低下。IMFが世界経済見通しを下方修正したことなどを材料に景気
減速に市場の関心が高まった結果、リスク回避の動きが強まり、金利は低下した。
今週は、経済指標面では米国の主要月次指標や中国のGDP(7〜9月期)が注目される。前週は、IM
Fによる世界経済見通しの下方修正により金利は低下したことから、発表指標が市場予想並みにとどまれば
“懸念は行き過ぎ”との見方から売られる(金利は上昇)余地がある。一方で、決算発表が本格化する株式
市場では、引き続き神経質な展開が予想され、その動向次第では金利に一段の低下圧力がかかる可能性も
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/shima/pdf/s_1210l.pdf
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