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(回答先: あっしらさんへの説明 投稿者 真相の道 日時 2011 年 11 月 03 日 12:19:51)
真相の道さん、丁寧なレスポンスありがとうございます。
【引用】
「現在の日本はエネルギーの大部分を輸入に頼っています。
エネルギーが止まれば、その時点で日本は終わりです。
輸入なしでは日本は生きていくことはできない。
これが大前提です。
その意味では、食料自給率(輸入率)をうんぬんすること自体が現在の日本の安全にとってほとんど意味がないのです。」
【コメント】
「自由貿易」派がよく使う論理とお見受けしますが、大前提が間違っています。
一つは、農産品輸入とエネルギー輸入の途絶が必ずしも同時に襲ってくるとは言えないのに、まるで農産品輸入途絶=エネルギー輸入途絶であるかのような前提で論が進められている誤りです。
石炭はまだ余裕があるようですが、原油や天然ガスは100年くらいで(経済的に)枯渇するのではないかと予測されています。
しかし、食糧資源は、気候条件や土壌など様々な生産制約要因や人口増加・新興国の食生活様式の変化などから、10年以内にも調達が危うくなる可能性が指摘されています。
さらに、一次エネルギーの価格(枯渇)やCO2問題との絡みで、食糧資源がエネルギー資源に転用されていますから、需給バランスは微妙な状況にあると考えるべきです。
一次エネルギーは輸入できても、食糧は輸入できない事態が発生する可能性はいくらでも想定できます。
ですから、「エネルギーが止まれば、その時点で日本は終わり」という見方をベースに、「食料自給率(輸入率)をうんぬんすること自体が現在の日本の安全にとってほとんど意味がない」と主張するのは、大きな誤りであり、危険な考え方でもあります。
日本を統治する為政者であれば、地球レベルの自然条件や国際的関係性の変化を見通しながら、対処可能な“危険性”には備えなければなりません。
もう一つの誤りは、「エネルギーが止まれば、その時点で日本は終わり」というわけではなく、今風の生産・生活様式が終わるだけで新しい日本を築くしかないという理解がないことです。
エネルギーに限らず、様々な原材料を輸入に依存していますから、それらの輸入が途絶えても、今風の生産・生活様式ができなくなります。
100年くらいは余裕があるからその間になんとかできるという考え方もあるでしょうが、前述したように、輸入している一次エネルギーの多くも枯渇すると予測されています。
(石油が枯渇に至るかどうかは原油の“再生可能性”をどう考えるかの問題ですが、個人的には“化石”燃料とは思っていません)
高い生産性を達成するために膨大なエネルギーを消費しながら大規模生産を行っている近代資本制製造業は、エネルギーや原料の輸入が途絶えると成り立ちません。
しかし、近代的生産・生活様式が成り立たなくなるから日本は終わりという発想は、まさに、錯綜し転倒してしまった考え方です。
それまでの生活様式が保てなくなったら爆死するしかないとか、金持ちが貧乏人に落ちぶれたら死ぬしかないというのとあまり変わらない発想です。
今風の生産・生活様式が持続できなくなっても人々は生きているのですから、新たな与件のなかでどういう生産・生活の様式を築くかを考えるしかないのです。
人々への労働負荷が増大し(生産効率も低下し)、収穫できる(食せる)時期が限られたりもしますが、食糧の生産は、原油や天然ガスを利用しなくても可能ですし、現在主流のエネルギー資源が調達できなるのならそれに合わせた生産様式を創り上げるしかないのです。
今の学者や評論家は、かつてそうであったのに、人が重要なエネルギー源であることを失念しています。
失業している若年層200万人のエネルギーの大きさを考えれば、“油断”になっても、楽ではないしバラエティーも不足しますが、食糧生産が可能なことがわかるはずです。
【引用】
「その上で、農水省が出したカロリー自給率にはさらに問題があります。
>現在の食生活で得ているカロリーが、国内でどれだけ供給できているのかがわかる指標だからである。
これは逆に池田が言っている通り、意味のない指標という証になっています。
カロリーだけの自給率を計算してもほとんど意味がない。
人はカロリーのみで生きるものではないからです。
食料自給率をいうのなら、人間の必要栄養量をもとに算出すべきなのです。」
【コメント】
摂取カロリーは、人が生存し活動するためのエネルギー源といえるものですから、それをベースにした自給率にはちゃんと意味があります。
もちろん、カロリーをどのような栄養素から摂取しているのかやカロリーに絡まない必須栄養素の摂取も考慮した自給率の算定も意味があると思っています。
(農水省は細かく品目別生産量を把握していますから、食品成分表と照らし合わせて、栄養素充足ベースでの自給率もすぐに算定できるはずです。ちなみに、1g当たりのカロリーは、炭水化物:4kcal・たんぱく質:4Kcal・脂肪:9Kcalとなっています)
しかし、貧困や偏食そして親の怠慢で栄養失調(多くはカロリー不足)になる人はいても、食料供給品目のバランスのせいで多数の人が栄養学的に大きな問題がある状況ではないので、カロリーベースでもそれほど問題があるとは思えません。
食生活は個々人の嗜好で選択されていると言えるのが現代です。
【引用】
「そして、農水省が汚いのは、このカロリーベース自給率という意味のない数値を掲げて日本の食料自給率が低いと煽っていることです。
世界中でカロリーベースの自給率を算出している国などありません。
日本の農水省だけです。
この特殊な数値だけを取り上げ、世界で一般的に取り上げられている生産額ベースの食料自給率の数値を無視する農水省。
この明らかにミスリードをしようとしている農水省の姿勢・意図が問題なのです。
さらに農水省は、他国比で日本のカロリーベース自給率が低いことを公表していますが、その計算内容を秘匿しています。 」
【コメント】
この部分は、前回の池田氏に対する批判の繰り返しになりますので、簡単に済まさせていただきます。
世界でどれだけ一般的に取り上げられていても、おカネを食べて生きているわけではないので、「生産額ベースの食料自給率の数値」にはわずかな意味しかありません。
農水省が省益を含む思惑でデータや政策を開示していることは認めます。
公開しているデータは、その算定基礎を含み(他国に関しては推定が多いはず)説明すべきだと思っています。
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- あっしらさんへの再説明 真相の道 2011/11/03 22:03:46
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