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菅直人首相が29日に開かれた参院予算委員会で、東日本大震災が発生した翌日(12日)に、東京電力福島第1原子力発電所を視察したことについて、「現場の状況把握は、(対応を)進めるうえで、極めて重要だと考えた」と説明した。自民党の磯崎陽輔氏に対する答弁なのだが、もう少し詳しく首相の答弁を紹介すると、まずは原発視察の意義を問いただしたのにはこう述べている。
「11日の14時46分、震災が発生した。直後に震災対策本部を設けた。しばらくして、福島原発の冷却機能のダウンということを受けて、始めて原子力災害特別措置法に基づく宣言を出し、それに対する原子力災害対策本部を設けた。こういった中で、まずは、地震、津波の被災の現場を見ること、現地の状況を把握することが大変重要だと考えて、翌日早朝に(斑目春樹)原子力安全委員長も同行いただいて、福島原発に短時間、でかけると同時に、仙台地域を含めた被災の状況をヘリコプターの上から視察して午後に戻ってきた」
磯崎氏は「政治的パフォーマンスがしたかったのでは」と畳みかけます。それに対しては、以下のように説明しました。
「それは全く違います。原子力発電所の事故は、法律でこうしたことを宣言したことは初めてだし、重大な事故だという認識はもっていたので、現場の状況把握は、それを進めるうえで、極めて重用だと考えた。いろいろと指摘いただいているが、経緯をしっかりとごらんいただければ、政府としては12日の午前1時30分にベント(注・弁の開放作業)すべきという姿勢を明確にし、一貫してその方針を東電に伝えていた。その経緯の中で私が、視察に行ったことよって、(作業が)遅延したという指摘はまったくあたっていない。これは明らかになっているし、東電の方もそういう認識でいると承知している」
磯崎氏はさらに、昨日の同委で斑目氏による「首相が『原子力について少し勉強したい』ということで同行した」との発言に言及し、事実関係を問いただす。
「どういう表現をしたか、そういう言葉を発した記憶は必ずしもないが、状況を把握したいという意味で発言をしたことは当然あった」
事故発生後、同原発1号機について、燃料の溶融が起きることが予想されるなど危険な状況にあったため、東電は12日午前9時過ぎにベントを実施した。しかし、政府は、それ以前からベント実施の指示を東電にしている。つまり、遅れた最大の理由として、視察する首相の被曝を懸念し東電が遅らせざるを得なかった、というわけだ。実際、ベントの実施は視察後だった。
ベント実施が遅れたことに影響があったかどうか、首相はずっと否定し続けるだろうし、東電もまさか首相のせいにはできまい。その事実関係はともかくも、記者が考えるに、首相の視察はやはりよくなかった。それは、緊迫した状況にあった現場に受け入れ態勢の強化を強いることになるし、へりで移動中、事故にでも遭えば、指揮系統は乱れに乱れるのは明白だ。
内閣広報室が撮影したのか、ヘリ搭乗中の首相やヘリから降り立ち颯爽と現地入りする様子をテレビニュースで流れていたが、そんな映像を見せられると、磯崎氏のみならず、「政治的パフォーマンス」と批判の一つでも口にしたくなる。ましてや、首相は、視察当日の午後に開かれた与野党各党との党首会談で、同原発1号機については「大丈夫」と述べている。
ところが、会談の最中に爆発するという愚を犯した。また、16日に笹森清内閣特別顧問と首相官邸で会談した際には、「僕はものすごく原子力(分野)には強いんだ」と語ったそうだ。となれば、なおさらのこと、首相が答弁でことさら強調した「状況把握」とは、いったい何であったのか。
いつだったか、民主党関係者からこんな話を聞いたことがある。「うちの政治家はいつも、『見え方』や『映り方』を気にする。大手広告代理店が振り付けを考えているケースもある。政治とは、『見え方』とか『映り方』か」どうやら首相は、未曾有の大惨事を前に、復興支援策・原発対策をなおざりにしているとは言わないが、事ここに及んでも、延命策の布石はしっかりと打っているようだ。
http://hmatsumoto.iza.ne.jp/blog/
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