http://www.asyura2.com/11/senkyo110/msg/214.html
Tweet |
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/2200254/
今朝の東京新聞に「『東日本つぶれる、という危機感で』 理学部出身首相 東電の対応批判」という見出しの囲み記事が、朝日新聞には「首相『原子力分野強い』」という見出しのミニニュースがそれぞれ掲載されていました。
この二つは、見出しだけ読むと必ずしも同じ事象を取り上げたように見えませんが、両方とも、元連合会長の笹森清氏が昨日夕、菅直人首相との会談について語った内容を書いたものです。
実は産経もこれについて記事にしていたのですが、最終版では新しく飛び込んできた他のニュースに押されて消えていました。で、実は、私はこれについて取り上げるべきかどうか、少し悩んでいたのです。ある意味、現在の菅首相のあり方、考え方、心境、立ち居振る舞いの背景と理由を解き明かすうえで有意義なようにも思えるし、また、ことさら取り上げることは、この極限状況にあってはふさわしくないかもと…。
ただ、本日午前の枝野幸男官房長官の記者会見でもこの件についての質問が出て、それが全国放送されていたので、やはり淡々とここに記録しておこうと考えました。まず、枝野氏と記者のやりとりからです。
記者 昨日、総理が笹森内閣特別顧問と会った際に、「福島がはねたら日本の半分が潰れるんじゃないか」という趣旨の発言をしたということだが、事実関係の確認と、政府としてはそういう事態を想定しているのか
枝野氏 笹森参与(特別顧問)がどういったご発言をされたのかは直接承っていない。また、総理がどうおっしゃったのかも直接には承っていないが、私が総理と話す中では、まさに大変大きな、すでに影響も、これは地震のことだけでもそうだが、それに加えて、この原発ということだけでも東北、あるいは東日本の様々な分野に影響を与えている状況なので、これがこうした事態をさらに広げることがあってはいけないと。今の状況から何とか抑えて、それを沈静化させる方向に最大限努力しなければいけないというニュアンスのことは、総理も言っている。そうした趣旨のことだと私は思っている。
…なんだかしどろもどろでよく分かりませんし、テレビで視た人たちも何のことだか納得がいかないと思います。実際には、笹森氏が昨日、記者団に語った内容の関連部分は以下の通りでした。
記者 首相とはどんな話を?
笹森氏 災害復興支援対策と事故への対応について首相と話をした。官房長官と辻元清美さん、私で話した。(中略)福島原発のことは私も東京電力出身だからよく分かるんだけれども、まず「止める」「冷やす」と。この「冷やす」で手一杯なんだけれども、これは現場はものすごい努力をしているんで、いい効果になるように、プラス米国から技術チームがきのう来た。国連は特別チームを派遣すると。IAEAにも日本は協力要請したと。
できうれば先遣隊を早期に派遣してもらえないだろうかと。これは政府や東電の発表もそれなりに一生懸命やっているし、特に今回、枝野さんの発表の仕方というのは非常によかったと思うんだけれども。しかし、そうはいっても、日本の政府の発表と東電の発表がどうもまだ、全面信頼できないし、不安だなという国民感情もある。そこに、本当にIAEAがきて、米国と国連がからんできちんとしたメッセージを出せば、具体的な問題の現象を抑えるのと、日本国民の気持ちを本当に安心させられるということになるんじゃないか。(中略)
記者 IAEAへの要請については首相はなんと?
笹森氏 早期に先遣隊というのは時期的な問題もあるから、そういうのは外国の受け入れを含めて細野(豪志首相補佐官)さんのところだったかな、そこに指示を出すと。
記者 「国民が安心していない」ということだが?
笹森氏 説明に対してやっぱり分かんねえんだよ。やっと専門用語じゃない、平易な言葉で話すようにはなったけれども、やっぱり国際機関の中でこういう処理をしていけば大丈夫だとか、これがものすごく広がることにはならないよとか政府や事業者が言ったって、何となくそうなのかなとは思うわね。だから、放射線の問題も…(中略)。
記者 首相はそれについては問題意識を持っている?
笹森氏 本人は「僕はものすごく原子力には強いんだ」と。「詳しいんだ」と。辻元さんが「まいっちゃうよねえ」とか言っていたね。ハハハ。
記者 危機感がないようだが?
笹森氏 福島がはねた後、最大の危機の震災の問題、「日本の半分はつぶれるんじゃないか」と。このままもし、チェルノブイリと同じようなことになったらね、という危機感の中で対応した、ということだから、そういう技術的な面も含めて「自分は詳しいからものすごい対応をしてきた」と。でも、ここから先、「収まりそうになったので、原子力の問題については枝野さんと福山さんの関わり方を少し軽減をさせたい」というようなことにつながっていると。
記者 軽減させるというが、それは首相の言葉か?
笹森氏 それは「少し、荷を軽くする」といったのかな。原子力ばかり皆さんの前でしゃべっている話じゃないわけだから。
記者 4号機も近付けないようだが
笹森氏 炉心に完全防護で入った経験から言うと、10分交代でやる作業になるわけだよ。今もうちょっと短い期間なのかな。一番いいのはわかるところから注入するのがいいんだけど、これが接近できないとなると、とりあえず全体となると…(中略)…非常にタイトなところを渡っているのは間違いない。
記者 「僕は強いんだ」の発言はどういう文脈で出たのか?
笹森氏 「電力事業者の危機感が薄いね」と。だから最終的に乗り込んでいって、もっと危機感をもって対応してくれないとという話をした中で…
記者 それは首相が話したのか?
笹森氏 そうですよ。自分としては原子力の問題については詳しい。まあ、たぶん自分は政府の中で一番知っていると思っているんじゃないか。
記者 政府で一番知っているとは言ったのか?
笹森氏 それは私の感じ。
記者 東日本が…というのも首相が?
笹森氏 仮にだよ、仮に。本当に事故が1号機から4号機まで、あるいは5号機やら6号機まで含めてあったら、東日本は危機的な状況になるわな。
記者 首相が言ったのか?
笹森氏 数字は言っていない。「福島第1原発が本当に最悪の事態になったときには東日本がつぶれる、というようなことも想定をしなければならない。そういうことに対する危機感が非常に薄い」と。「自分はこの問題については詳しいので、余計にそういう危機感をもった対応をしてほしいということで電力に乗り込んだ」と。
記者 そういう心情を吐露されたと?
笹森氏 そうそう(以下略)(了)
…いろいろ思うところ、感じるところはありますが、今はそれは書きません。とりあえず、事実関係をお伝えしておきます。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK110掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。