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(回答先: 福知山線脱線事故:JR西前社長に無罪判決…神戸地裁(裁判員なぜ入れぬ??) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2012 年 1 月 11 日 22:21:32)
事故の責任を組織に問えない法の下で、個人に問うのも限界がある、として下された無罪判決。しかし、裁判の中では事故につながる組織の体質も見えていた。
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裁かれるトップ:JR脱線事故/上 かすんだ真実
http://mainichi.jp/kansai/news/20120109ddn041040013000c.html
(写真略)裁判資料を読み込む遺族の藤崎光子さん。事務所にはこれまで集めた資料が山積みになっている=大阪市北区で、後藤由耶撮影
◇社員証言に遺族不信感
「『R』とは何ですか」「分かりません」
昨年1月25日、神戸地裁101号法廷。福知山線脱線事故で業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長、山崎正夫被告(68)の第5回公判で、自動列車停止装置(ATS)の開発を国鉄時代から担当した元社員が証人として出廷した。曲線(カーブ)の半径の英語表記「Radius」を表す基礎的な用語「R」の意味について検事から問われたが、元社員は知らないとの主張を繰り返した。「意味すら知らないというのは言い過ぎではないか。入社して数年の若手じゃない。ATS幹事会にも10年以上、出席している」。検事の追及が続いた。
事故で長女(当時40歳)を亡くし、傍聴席でやりとりを聴いていた藤崎光子さん(72)=大阪市=は怒りを抑えきれず、手を握りしめた。裁判のポイントのATSの整備方針まで話が及ばない。どうして事故が起きたのか、真実が明らかになるはずの裁判なのに、なかなか真実に迫らない。
今回の裁判では被害者参加制度に伴い、遺族らに捜査資料の閲覧が許可された。「娘の命が奪われた理由を知りたい」。藤崎さんはその一心で神戸地検に100回以上、足を運んだ。複写が許可されない供述調書や実況見分調書などをノートに書き写し、パソコンで打ち直した。
「裁判の流れで表に出ない資料があるかもしれない。闇に葬られないよう、記録しておきたい」。藤崎さんが大阪市内に借りた事務所には、裁判資料が山のように積み上がっている。
現場カーブでは05年6月から新型ATSの運用が始まる予定だった。事故はその2カ月前に起きた。昨年5月の第21回公判で、山崎被告はカーブにATSを整備する理由ついて、制限速度を守らせ、乗り心地を快適にするためで、現場が危険だとの認識はなかったと主張した。事故から6年以上たつが、これまでJR西から受けたことのない説明だった。「なぜ違うことが言えるのか」。不信感が膨らんだ。
山崎被告は、速度超過の貨物列車がカーブで脱線したJR函館線事故(96年)についても「脱線したのがカーブとか、直線とか、認識は持っていない」と証言した。「当時、鉄道本部長だった山崎被告が、カーブで脱線したとの報道を知らないはずがない」。藤崎さんは関連記事を集め、検事に「参考資料に」と手渡した。
公判では、捜査段階で現場カーブの危険性を認めたJR西社員らが、次々と供述を覆した。何が真実なのか、遺族の不信は募る。
藤崎さんは一人娘の悲しい声が聞こえる気がするという。
「『何で私、死んだの? どんな会社に殺されたの?』とね。その声に裁判所は応えてくれるのでしょうか」
× ×
山崎被告への判決が11日、神戸地裁で言い渡される。公判を見届けようとする遺族を追い、JR西や鉄道業界の今を取材した。
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■ことば
◇JR福知山線脱線事故
05年4月25日午前9時18分、兵庫県尼崎市のJR福知山線塚口−尼崎間で快速列車(7両編成)が制限速度70キロのカーブに約115キロで進入、1〜5両目が脱線した。乗客106人と運転士が死亡。神戸地検によると重軽傷者は493人。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)は07年6月の最終報告書で、死亡した運転士(当時23歳)のブレーキのかけ遅れが主因と断定。兵庫県警は運転士や山崎被告ら計10人を書類送検し、神戸地検は09年7月、業務上過失致死傷罪で山崎被告だけを在宅起訴した。遺族が告訴し、歴代3社長は、神戸第1検察審査会の議決により同罪で強制起訴された。
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毎日新聞 2012年1月9日 大阪朝刊
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裁かれるトップ:JR脱線事故/中 業界かばい合い
http://mainichi.jp/kansai/news/20120110ddn041040010000c.html
(写真略)JR西日本の本社。信じては裏切られたと感じる遺族も=大阪市北区で、幾島健太郎撮影
◇鉄の結束「口裏合わせ」
「JR西日本は(裏工作の)手を回しているのではないか」
JR福知山線脱線事故で次男昌毅さん(当時18歳)を亡くした上田弘志さん(57)=神戸市北区=はJR西日本前社長、山崎正夫被告(68)に直接問うたことがある。「絶対ない」。明確に否定した山崎被告だが、その後間もない09年9月、航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委)の元委員(74)に働きかけ、事故最終報告書案を漏えいさせた問題が明るみに出た。
「めっちゃうそつきや」。上田さんは体調を崩した。それでも被害者参加制度に基づき、検察官の後ろの席で公判を見つめてきた。「(被告らの)顔を見て子どもに報告したい」と思うからだ。初公判(10年12月)を前に、山崎被告は遺族に「正直に話します」と誓った。もう一度信じた。
しかし、法廷で山崎被告は争点の現場カーブの危険性認識を否定。事故前、運転席に添乗して福知山線を走ったことがあったが、実際と逆の「左カーブだと誤解していた」とも証言した。「あり得ない」。上田さんは公判で自ら山崎被告に問いただした。本当に危険と思わなかったのか、と。やはり山崎被告は危険性を否定した。公判を記録したノートに次男に向けてつづった。「ごめんな」
公判で検事は証人に再三ただした。「『事前レク』を受けていませんか」。JR西は事情聴取を受ける社員やOBに、別の関係者の聴取内容などを教えていた。聴取を受けた社員らの回答をまとめた文書をもらったとか、カーブの危険認識への会社の見解をまとめた文書を見せられたという証言も出た。JR西は「口裏合わせでなく、記憶を喚起する意味だった」と説明するが、上田さんは「カーブの危険性について、みんなが『知らん』という。意思統一されているとしか思えない」。
鉄道各社などでつくる日本鉄道運転協会の関係者が、警察や検察から受けた捜査内容をJR西に教えていたことも公判で判明した。JR東日本の聴取内容を記したJR西社員の文書も示された。事故調の情報を漏らした元委員は毎日新聞の取材に法廷での証言同様、「井手正敬元会長に冷遇された山崎被告を応援する気持ちだった」と語った。「JR各社や旧国鉄OB、みんな山崎被告の味方」。上田さんは痛感した。
裁判で遺族が見せつけられたのは業界の「鉄の結束」だった。「事故が起きるまで危険性を認識できなかったというが、犠牲が出ないと安全対策はできないのか。人の命を何だと思っているのか」。有罪判決でなければJR西や鉄道業界の体質は変わらない。上田さんはそう考えている。
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毎日新聞 2012年1月10日 大阪朝刊
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