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欧米コンビが演じる「自ら招いた危機」
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/548.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 28 日 08:49:33: 6WQSToHgoAVCQ
 

(回答先: 米国デフォルトでリーマンショック再来は本当か 元クリーブランド連邦準備銀行総裁 W・リー・ホスキンス氏に聞く 投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 28 日 08:11:04)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/16667
欧米コンビが演じる「自ら招いた危機」
2011.07.28(Thu)(2011年7月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

金融危機のない時期が2年以上続いては観客が飽きてしまうと思ったのか、欧州と米国というベテラン漫才コンビはバラエティーショーを1本演じることにした。

 欧州では、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に向かいつつあることを遅まきながら理解したユーロ圏が2度目の救済措置を発表した。米国では、支払い能力のある政府をギリシャのように見せようとして連邦議会が奮闘している。

 ちゃんと機能している政治はどれも同じようなものなのかもしれないが、機能していない政府は、それぞれ違った形の機能不全に陥っている。今回の双子の危機からは、欧米の2つの政治システムがどのような過程を経て役に立たなくなってきたかがうかがえる。
欧州の「ポルダー(干拓地)政治」
EUのCO2排出権取引サイトにフィッシング攻撃

欧州は執拗なまでに議論を繰り返す政策決定の形を発展させてきた〔AFPBB News〕

 欧州の問題は、いくぶん成功した政策決定モデルが、このモデルがますます適さなくなっている環境で利用されているところにある。

 欧州連合(EU)は1951年に、6カ国が参加する石炭と鉄鋼のカルテルとして発足して以来、執拗なまでに議論を繰り返す政策決定の形を発展させてきた。

 いくつもある権力の極――参加国、欧州委員会、欧州議会――の間でコンセンサスの形成を目指す仕組みで、極と極との相互作用はますます複雑になっている。例えば、新たな憲法条約が批准されたり、加盟国が増えたり、欧州議会の発言力が増したりしている。少しずつ異なる利害を調和させ、まとめ上げていく必要も生じている。

 オランダ人はこのアプローチに、「ポルダー(干拓地)政治」という愉快な名前をつけた。昔から、同じ干拓地にある村は堤防の建設については意見を一致させなければならなかった。そうしなければ全員おぼれ死んでしまうからだ。コンセンサスの形成に時間をかけることは可能であり、引き延ばすこともできたが、いつまでも先送りすることはできなかった。

 しかし、漁獲割り当ての交渉や電球の環境基準の設定なら何カ月かかっても構わないが、通貨の発行や債務危機への対処といった課題では、議論を繰り返すEUのやり方はあまりうまくいかない。

 ギリシャ危機の場合、EUの動きは当初から恐ろしく遅かった。救済のための融資スキームがまとまったのは昨年5月のことだったが、これは昨年2月には合意に達しているべきものだった。

 ここ数カ月においても、ギリシャのクレジットスプレッド(信用力に起因する利回り格差)が拡大する中で、欧州当局はなかなか決断を下さず、国内レベル、政府間レベル、汎ユーロ圏レベルのそれぞれで議論を繰り返した。

 7月21日に第2次支援策が発表されるまでに、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が自身の連立政権のメンバーと公然と対立したり、ドイツが他のユーロ圏諸国にケンカを売ったり、ユーロ圏諸国の政府が欧州中央銀行(ECB)と論争を展開したりした。

 米国政府の高官は、メディアでしか最新の情勢をつかむことができなかったと話している。新聞を読むこと(あるいは「iPad(アイパッド)」のアプリで読むこと)はもちろん推奨されるべきことだが、普通に考えれば、ユーロ圏は独自のコミュニケーションの手段を作っておくだろう。

 メルケル首相は19日、「政府、特に私自身は、大変な数の素晴らしい助言を得ている。時にはかなり矛盾する助言もある」と述べた。冗談じゃない。変化のスピードが遅い問題に対しては、前述のポルダー政治でも結構だ。しかし、堤防が既に決壊していて海水が流入しつつある時は、そうではないのだ。
ワシントンを揺るがす自発的なソブリン債務危機
08年米連邦議会選、共和党大敗の観測強まる 引退選ぶ議員も

8月2日の期日まで1週間を切ったが、米議会は債務上限引き上げ交渉をまとめられずにいる・・・〔AFPBB News〕

 大西洋の対岸では、自発的なソブリン債務危機という驚くべきショーに首都ワシントンが揺さぶられている。

 米国の問題は、関係者に妥協を強いる目的で作られた政治システムが、妥協しないことを美徳とする政治家たちによって運営される傾向が強まっていることにある。

 ワシントンの政界の党派性について文句を言うことは、この街の夏の蒸し暑さについて愚痴をこぼすことと同じくらい革新的だが、議会専門誌「コングレッショナル・クォータリー(CQ)」が半世紀前から計測している各党の結束度の記録は、連邦議会の共和党と民主党で二極化が一段と進んでいることを裏づけている。

 筆者はこれまでに、「議会的な」という形容詞が軽蔑的な意味で下院に浴びせられるのを何度か耳にしている。議員に党議拘束をかけることは、英国式の選挙専制政治(行政府が立法府の大多数を支配している)では昔から行われている。だが、このやり方では、権力が分散しており妥協が求められるシステムを損なってしまう恐れがある。

 それに加えて、共和党のティーパーティー派(そのメンバーの多くは、州レベルはおろか地方自治体レベルの政治でも取引をした経験がほとんど、ないしは全くない)と、債務上限引き上げに抵抗する「ふり」をするというこれまでなら害のなかった連邦議会のゲームのために、大変な災難を招く恐れが生じている。

 公正を期すために言えば、ワシントンはかつて深刻な金融危機に見舞われた際に、党派対立を短期間で克服するという非欧州的な能力を発揮してきた。連邦議会下院は2008年10月、金融機関の救済に7000億ドルを投じるという内容の、不当なほど不人気な不良債権救済プログラム(TARP)法案を可決した。

 確かに一度は否決したし、可決するまでに市場はさらに下落していたが、それでもリーマン・ブラザーズ破綻の数週間後という早業だった。
米、デフォルト回避に向け民主・共和両党の調整続く

7月23日にホワイトハウスで会談するバラク・オバマ大統領と共和党のジョン・ベイナー下院議長〔AFPBB News〕

 しかし、今回の問題は自ら招いたものであり、外部の力を利用しようとする試みもこれまでのところは失敗に終わっている。

 先週の終わりにはホワイトハウスと共和党のジョン・ベイナー下院議長の双方が、アジアの金融市場が月曜日に開く前に債務上限の引き上げ交渉をまとめる必要があると警告して危機感をあおるという、かなりみえみえな試みに出た。

 だがアジアのトレーダーたちは無情にも、この合図に応じてパニックを起こそうとはしなかった。
政治システムの欠陥が残る限り、お粗末な対応が続く

 ギリシャの危機も債務上限を巡る危機も、少なくとも一時的には後退する可能性が高い。実際、恐らくは後退するだろう。

 ユーロ圏は、ギリシャの当面の資金需要を満たすのに十分な規模の公的資金投入を約束しているし、米国債を自発的にデフォルトするなどという恐ろしく馬鹿げた行為を連邦議会が実行するなど、やはり信じられないことだからだ。

 とはいえ、これらの問題は、似たような他の問題とともに、いずれ再来する。そして、試練を危機に変えてしまう深刻な欠陥が政府の構造に存在する限り、欧州と米国はお粗末な対応を取ることになるのだろう。
By Alan Beattie
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コメント
 
01. 2011年7月28日 10:24:36: Pj82T22SRI
欧州債務の不安拡大で通貨・国債市場が動揺

2011年 7月 28日 6:00 JST 

 【ロンドン】先週の欧州連合(EU)首脳会議は欧州債務危機を食い止めることができなかったという厳しい見方が広がったことで、27日には債務危機がさら に拡大するとの懸念が高まった。そのため、高債務国政府の借り入れコストが高騰するとともに、ユーロに圧力がかかっている。

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ショイブレ財務相
Georges Gobet/Agence France-Presse/Getty Images

ドイツのショイブレ財務相(12日、ブリュッセルのEU本部)

 ドイツのショイブレ財務相はこの日、与党キリスト教民主同盟の議員に宛てた公開書簡で、ユーロ圏の債務危機は終わっておらず、さらなる規律が必要であるとの見解を明らかにした。さらに、ユーロ圏で財政難に陥っている国を支援する基金、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)に対してドイツが「白紙手形」を切ることはないと強調した。

 これに対し、同国野党は、デフォルト(債務不履行)リスクを最小限にする対策が打たれていることを示して市場を安心させるために、EFSFの融資を大幅に引き上げるよう再度求めた。

 ショイブレ財務相はまた、スペインとイタリアをギリシャと同一視すべきでないと注意を呼びかけた。同財務相の書簡では「現在(市場の)注目を集めている幾つかの国の財政は、それだけで深刻な懸念を呼び起こすものではない」と指摘している。

 それにもかかわらず、EUによるギリシャ向け第2次金融支援の決定を受けて比較的落ち着いていた金融市場が動揺した。今後もさらに試練が待ち構えているうえ、将来のセーフティ・ネットに対するドイツ支援に限界があると示唆されたことで、投資家の間に不安感が広がった形だ。

 さらに、この日に流れた欧州関連の他の報道も新たな懸念材料となった。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがキプロス国債の格付けを2段階引き下げ、今後さらに格下げの可能性もあると警告した。同社は格下げの理由として、同国の財政難、難しい政情、同国銀行のギリシャへのエクスポ―ジャーなどを挙げている。

 また、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の国債格付け部門のグローバル責任者、デービッド・ビアーズ氏は米経済専門テレビ局CNBCとのインタビューで、ギリシャはさらなる格下げに直面しており、おそらく今後2年以内に2度目の債務再編を行う必要が出てくるだろうと発言した。

 この日入札されたイタリアの新発10年債は平均利回りが4.07%となり、前回の2.51%から大幅に上昇した。

 一方、国際通貨基金(IMF)はリポートで、フランスについて、2012-13年の財政赤字目標を満たすためには財政政策を引き締めなければならない可能性があり、またユーロ圏で高債務を抱える非中核国からの波及リスクに直面していると指摘した。

 スペインのサルガド財務相はこの日、地方政府の財務長官らとの会合で、財政赤字目標を達成するために、放漫な地方財政に一段の予算管理を強いるとみられる。

 これら一連の報道を受けて、ユーロは1ユーロ=1.4469ドルまで売られた。ショイブレ財務相の書簡が明らかになる直前は1.4531ドルだった。

 スペインの10年債は再度6%を上回り、ドイツ国債とのスプレッドは3.26ポイントに拡大した。イタリアの10年債利回りは5.747%となり、ドイツ国債とのスプレッドは前日より0.18ポイント拡大し3.06ポイントとなった。

記者: Geoffrey T. Smith and Terence Roth


02. 2011年7月28日 14:53:17: Pj82T22SRI
 
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_280826/?nid=NLM20110728
>>02 CDS契約支払いの当て外れた投資家―ギリシャの債務再編で
2011年 7月 28日 10:40 JST
 債務不履行(デフォルト)の危機が迫っていたギリシャ国債保有のヘッジのためクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を購入した金融機関や投資家は、突然CDS契約の支払いを受けられなくなる雲行きとなっている。


AP
 CDS市場を投機家の遊び場のようなものだと批判してきたユーロ圏各国首脳は、ギリシャ向け金融支援で同国の国債保有者が損失を出しても、デフォルトと 認定されずCDSの支払いを誘発しないようなスキームをつくった。このため、CDSの有用性に疑問が投げ掛けられる事態にまでなった。
 最悪の場合には、ポルトガルやアイルランドなど他の債務危機国がデフォルトに見舞われても、金融機関や投資家はCDSでヘッジできなくなる恐れがある。 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のエコノミストであるシルビオ・ペルーゾ氏は、「ギリシャがCDSの支払いを引き起こさずに債務不履行 になりそうなことから、金融機関は打撃を受け損失は拡大しそうだ」と述べ、アイルランドやポルトガルでも同じことが繰り返されようと懸念を示した。


ギリシャ・ポルトガル・アイルランド3国のCDS保証料
 欧州の金融機関はこれまで、ユーロ圏の債務危機の深刻化を受けてCDSを買い増ししてきた。ドイツ銀行は26日、今年第1四半期にCDSを利用してイタ リア国債の持ち高を約80億ユーロから10億ユーロ弱に大幅削減したことを明らかにしている。アイルランドがギリシャ型の債務再編を実施すれば、英国の金 融機関が損失の大部分を背負う可能性がある。
 格付け会社各社は、ギリシャの債務再編計画について、国債保有者も損失を被るため、部分的な債務不履行と認定する意向を明らかにしている。しかし、ユー ロ圏各国は同計画を100%自主的なものと主張しており、CDSの支払いは誘発されないとみられている。CDSの契約支払い対象となるかどうかは、国際ス ワップデリバティブ協会(ISDA)が開く地域委員会で最終的に判断される。
 金融機関は損失をヘッジできなければ、国債の保有に二の足を踏むようになると懸念する声も出ている。ロンドンにあるエボリューション・セキュリティーズの確定利付き債部門のゲリー・ジェンキンズ部長は、重債務国は国債発行コストがますます割高になるとみている。
記者: Tom Lauricella and Katy Burne and David Enrich


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