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コアインフレ率なんかいらない?  
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/856.html
投稿者 sci 日時 2011 年 5 月 25 日 19:51:13: 6WQSToHgoAVCQ
 

(回答先: 「初めての量的緩和(QE)−大成功の物語 投稿者 sci 日時 2011 年 5 月 24 日 14:07:04)

name="Core_Is_Rotten">コアインフレ率なんかいらない?

class="bookmark-count">src="http://b.hatena.ne.jp/entry/image/http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20110524/Core_Is_Rotte

n" title="はてなブックマーク - コアインフレ率なんかいらない?" alt="">


とジェームズ・href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A1%BC">ブラード・href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%F3%A5%C8%A5%EB%A5%A4%A5%B9">セントルイス連銀

総裁が主張している。直近では5/18にNYUで「Measuring Inflation: The Core Is Rotten」と題したhref="http://stlouisfed.org/newsroom/speeches/pdf/2011-05-18.pdf" target="_blank">講演を行

っている。その講演内容は、日本語ではロイターhref="http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-21180520110519" target="_blank">報

じたほか、

こちらのブログで要約がなされている。

そこでブラードは、中央銀行がコアhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレ率ではなくヘッドライ

インフレ

率(総合

インフレ率)を目標として使うことを推奨している。彼がコアhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレ率に否定的なのは、通

常コアインフ

率の長所とされている以下の点が実はそうではないから、とのことである:


  1. ボラティリティが低い



  2. コアhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレが総合class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレを予

    測する


    • 実証的に支持されてない。


  3. 相対価格の変化に惑わされずにhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%AA%B2%C1">物価のシグナルを捉える



  4. 粘着的な価格に焦点を当てる


    • 粘着的・伸縮的というのはまだ学界での議論に留まって

      おり、実務家はそのような観点で物価を分けていない。





それに対しMatt Rognlieが、家計が日々購入する商品の価格を表わす総合

インフレ

率を金融政策

の中期的目標とするのは自明の理で、コアhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレ率を目標とするのはそ

のための不完全な短期的手段、とブラードはしているが、本当にそうなのか、とhref="http://mattrognlie.com/2011/05/19/is-there-any-reason-to-target-headline-inflation/"

target="_blank">疑問を投げ掛けている。そして、もし家計のhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%D9%BD%D0">支出に焦点を当てるならば、同様のclass="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%B8%A5%C3%A5%AF">ロジックで家

計の所得に焦点を当て、名目賃金目標を主唱することも可能ではないか、と指摘している。その上で、そもそもな

インフレ

率を安定させたいかを考えるべき、と問い掛けている。Rognlieに言わせれば、それはclass="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレには

直接的なコストが存在するためだが、経済学者によれば、そのコストには3つの発生経路がある:


  1. フリードマン・ルールからの逸脱

  2. 価格の分散(href="http://en.wikipedia.org/wiki/Price_dispersion" target="_blank">Price dispersion


  3. キャピタルゲイン税との相互作用

しかし、いずれも総合href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレ率の使用を正当化する

ものではない、とRognlieは言う。というのは、



  1. 今日の名目href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E2%CD%F8">金利href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EA%A1%BC%A5%C9%A5%DE%A5%F3">フリードマン・ル

    ールが提案する通りゼロになっているので、債券の名目href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E2%CD%F8">金利と貨幣のhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E2%CD%F8">金利(=ゼロ)のギャップをclass="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレが拡

    大させるなどという心配には及ばないhref="/himaginary/20110524#20110524f1" name="20110524fn1" title="なおRognlieは、フリードマン・

    ルールが実際には意味を持たないということを[http://mattrognlie.com/2011/05/13/the-practical-

    irrelevance-of-the-friedman-rule/:title=以前のエントリ]にリンクして断っている。そちらのエント

    リでは、フリードマン・ルールが定性的にはともかく定量的には無意味だと論じているのだが、それは小

    生が以前Schmitt-Grohe=Uribe論文「The Optimal Rate Of Inflation」を取り上げた

    [http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20100811/SU_on_zero_bound:title=このエントリ]で「フリードマ

    ン・ルールは現実世界に適用する上ではあまりにも破綻しやすく使えない、という認識をSchmitt-

    Grohe=Uribeは持っているように思われる」と書いたのと同様の認識である(実際Rognlieはその論文も援

    用している)。">*1。また、今日のhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%CC%FD%B2%C1%B3%CA">原油価格の変化が問題なのは、

    数年後に物価class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%EC%A5%F3%A5%C9">トレンドを上

    昇させる限りにおいてだが、その頃にはhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/FRB">FRBが利上げを始めているはずであり、そうした上昇は

    考えにくい。

  2. ニューhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A5%A4%A5%F3%A5%B8%A5%A2%A5%F3">ケインジアンモデ

    ルでは、価格粘着性の違いによる価格の分散が問題になる。すなわち、直近に(上方に)改定された価格

    が、改定されていない価格に比べて上振れている、という問題である。それに対し、食糧やエネルギーの

    価格には粘着性が無く、始終改定されていて変動性が極めて高いので、価格分散を問題にする際に対象に

    含めるのは不適当である。


  3. インフレによって底上げされたhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%D4%A5%BF%A5%EB%A5%B2%A5%A4%A5%F3">キャピタ

    ルゲインに課税されるというのは投資家にとってのペナルティであり、href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレのコストとしては最も

    重大なものと言える(同時に、完全に回避可能なコストである)。資本へのリターンは、class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%C3%C8%F1%BC%D4">消費者の選好とclass="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EA%BB%F1">投資ユニバースによって同

    時決定される。消費にとってのインフレは総合インフレ率で見て良いかもしれないが、href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EA%BB%F1">投資の限界収益率はむしろclass="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GDP%A5%C7%A5%D5%A5%EC%A1%BC%A5%BF">GDPデフ

    レータなどで見るべき。




あるいは、インフレを安定させることは、href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%AF%A5%ED">マクロhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%D0%BA%D1">経済の安定の手段と見做すこともできる、と

Rognlieは言う。だがその場合、マンキュー=Reishref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%C0%CA%B8">論文の枠組みで考えるならばclass="footnote">*2

マクロclass="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%D0%BA%D1">経済href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%D1%BF%F4">変数としてhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/S/N%C8%E6">S/N比の低い価格や、伸縮性の高い価格のウェイ

トは低めるべき、ということになる。それはまさにコアhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレで除外されている価格

である、とRognlieは指摘する。


また、ブラードが、2008年後半から2009年に掛けて総合href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレ率がマイナスになるま

で低下したことは米国経済

が受けたインパクトを良く表わしていた、と述べたのに対し、Rognlieは、当時食糧やエネルギー価

格が有用な情報を提供していたとは思えない、href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%F4%B2%C1">株価や予想href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレが急激に低下していた

のは誰の目にも明らかだった、と疑問を呈している。さらに、むしろ2008年前半にはエネルギー価格が上

昇したことが総合インフレ率を通じて真の問題を覆い隠し、href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/FRB">FRBが10月までhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/FF%B6%E2%CD%F8">FF金利を2%に維持するという深刻な過ちを

招いたのではないか、と指摘している。



最後にRognlieは、href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレ率を安定させる理由と

して名目価格による契約の重要性を挙げ、href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%C4%CC%B3">債務の制約href="/himaginary/20110524#20110524f3" name="20110524fn3" title="cf.

[http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20110523/The_stickiest_price:title=昨日のエント

リ]。">*3を考えるならば、賃金の安定性を考えるべきではないか、と述べている。その場合、class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%CC%FD%B2%C1%B3%CA">原油価格が3%

上昇したからといって他の価格をおしなべて3%href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%EC%A5%F3%A5%C9">トレンドより下に押し下げれば

、結果として賃金も3%

下落させることになる(∵

賃金

油価格に連動せずに他の価格に連動する)、それは理屈に合わないのではないか、と指摘している。



コメント欄にはスコット・サムナーが姿を現し、諸手を挙げてRognlieの意

見に賛成している。そして、雇用の安定性を考えれば名目href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GDP">GDP目標よりhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%BE%CC%DC%C4%C2%B6%E2">名目賃金目標が良いと以前論じ

たことがあったがname="20110524fn4" title="cf. 「[http://econdays.net/?p=4289:title=コメント欄でサムナーが嫌な

こと言ってますねえ。]」">*4href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%C4%CC%B3">債務問題を考えれば時間当たりclass="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%C2%B6%E2">賃金目標よりも名目class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GDP">GDP目標の方が良いかもしれない、い

ずれにせよ総合インフレ率目標は下策だ、と付け加えている。

また、デビッド・href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%C3%A5%AF">ベックワースも姿を見せ、君も名目class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GDP">GDP目標に賛成と考えてよいのかな、

オルグ活動ま

がいのコメントを残している。



ちなみにModeled BehaviorのNiklas Blanchardもhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A1%BC">ブラードの総合href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D5%A5%EC">インフレ率重視の姿勢にhref="http://modeledbehavior.com/2011/04/18/james-bullard-headline-inflation-the-proper-

target/" target="_blank">疑問を呈している。ただしそれはNYU講演への反応ではなく、そのちょう

ど1ヶ月前のケンタッキー州ルイビルでのhref="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A1%BC">ブラードのhref="http://research.stlouisfed.org/econ/bullard/pdf/Bullard_KY_Day_with_the_Commissioner_18_

April_2011_Final.pdf" target="_blank">講演資料に反応したものである(Blanchardのエントリの

日付も4/18)。そこでBlanchardは以下の点を指摘し、恰もRognlieのエントリを先取りしたような格好に

なっている。




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