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Morganは、逆に-0.6%と見ている
最近のMorganは良く外して損失を出しているから
あまり信用はできないが、今回は、日銀よりも、信用できるかもしれない
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Q:1209への回答、ありがとうございました。ゴールデンウィークがはじまり、
大震災後の沈んだムードが少し改善しつつある印象を受けます。もちろん、いまだ避
難所での生活を余儀なくされる人たち、福島第1原発周辺の人々の苦難は続いていま
すが、たとえば東京のわたしの定宿のホテルでは、わずかですが外国からの個人の観
光客を見るようになりましたし、部屋の稼働率も少しずつ上がってきているそうです。
海外メディアからのインタビューで、「この未曾有の大震災はあなたの作品にどう
いった影響を与えますか」と聞かれ、わからないと答えました。本当にわからないか
らです。東日本大震災は衝撃的な大惨事でしたが、今後、復興がどのように進むか、
経済がどうなるのか、政府や民間企業をはじめ、人々の考え方がどう変わるのかで、
影響は大きく違うものになるからです。
被災者の支援と復興に関して、政府による最優先事項はいまだ示されていないよう
に見えます。数え切れないほどの「会議」が招集され、「東北の被災地を新エネルギ
ー中心のエコタウンに」などいった耳に心地よい言葉が聞こえてきます。被災地の人
々、また被災を免れた地域で必死に働こうとしている人々が本当に欲しいのは、そん
な絵に描いた餅のようなプランではないような気がします。
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■今回の質問【Q:1210】
日銀は先週の金融政策決定会合で、今年度の経済成長見通しを大幅に引き下げまし
た。ただし秋以降は回復に向かうと見ているようです。秋以降の回復予想の根拠は何
なのでしょうか。
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村上龍
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■ 真壁昭夫 :信州大学経済学部教授
日銀が、今年秋口以降、わが国の経済が回復基調を辿ると予想している主なファク
ターは、大震災の影響で落ち込んだ生産活動が回復することに加えて、復興需要が本
格化すると予想されることがあります。その見方に賛同します。
まず、大震災以降のわが国経済の状況について考えると、東北地方に展開している
製造拠点の被害が大きかったことに加えて、部品などの供給網=サプライチェーンが
大きく痛手を受けたことによって、かなり大きく落ち込んでいます。今年3月の国内
自動車メーカーの生産台数は、前年対比マイナス57.5%と過去最大の下落幅に
なっています。その背景には、東北地方の自動車工場が直接被害を受けたことと、重
要な部品、特にマイコンと呼ばれる小型の制御装置の供給に制約が発生したことがあ
るといわれています。
そうした部品の供給への制約が発生したことによって、国内の自動車メーカーのみ
ならず、海外の自動車メーカーにも大きな影響が出ているようです。一部の米国や欧
州の自動車工場では、操業を停止せざるを得なかったり、操業度を落とさざるを得な
いところもあると報道されています。その他に、IT関連の部材にも隘路=ボトル
ネックが発生してといわれています。それは、台湾や中国などの企業にもマイナスの
影響を与えています。
また、夏場の電力供給に懸念があることも、わが国企業の生産活動に大きな支障に
なることが考えられます。アルミの精錬など、安定した電力供給があって初めて生産
活動を続けることが可能になります。また、一部のIT関連の工場などではクリーン
ルームと呼ばれる施設が必要ですが、そうした施設を維持するためにも、電力の安定
供給が必要になります。基本的に、電力を使わない工場は殆どありませんから、電力
の供給に大きな制約があるようだと、わが国企業の生産活動が元の水準に戻るまでに
は、予想以上の時間を要することも懸念されます。
最近の調査によると、被災を受けた工場等の生産活動は、現在、震災前の5割から
6割程度の水準まで戻っているようです。問題は、今後、工場など生産施設の復旧、
サプライチェーンの再構築、さらには電力供給の制約などを抱えて、どれだけ早期に
生産活動を復元できるかです。
その点に関して、いくつかの企業にヒアリングしてみました。復興の早い企業で、
7月、あるいは8月までに、ほぼ完全に復旧できるとの答えが返ってくる一方、「今
年年末までには、何とかしたい」との声もありました。特に、自動車メーカー各社は
震災の痛手が大きかったようです。現在、約3万点の部品の内、100点から150
点の部品に欠品が発生する可能性があり、それを回復するまで今年いっぱいかかるこ
とも考えられるようです。
ただし、わが国の経済活動全般で見ると、秋口までには、多くの分野で活動水準は
恢復することが想定されます。そのため、今年1〜3月、4〜6月のGDPはマイナ
スに落ち込むと思いますが、早ければ、7〜9月期からのGDPはプラスに転換する
ことが考えられます。また、秋口以降、東北地方中心に、復興需要が本格化すること
が期待されます。
政策当局は4兆円程度の第一次補正予算を考えていますが、今後、それを上回る第
二次補正予算が組まれることが想定されます。その予算案が通って、実際に予算の執
行が行われることになると、その分の需要が被災地中心に広がるはずです。そうした
効果を考えると、日銀が予想するように、わが国の経済は秋口以降、徐々に回復に向
かう可能性は高いと考えます。
ただ、一つ考えるべきポイントは、今までのわが国の経済政策の様に、費用対効果
をあまり考えることなく、単に雇用を維持したり、地方への所得移転を念頭に置いた
施策を打つべきではありません。わが国の厳しい財政状況を考慮して、長い目で見た
費用対効果の視点を忘れるべきではないと思います。
信州大学経済学部教授:真壁昭夫
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