http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/552.html
Tweet |
(回答先: [事故発生から2号機圧力抑制室損壊までの経緯:1] (その3) 投稿者 あっしら 日時 2011 年 4 月 19 日 12:44:39)
● 3月12日
0:00現在 東電が午前0時現在のレポートで1号機の原子炉水位の低下で放射性物質が放出される恐れがあるので上記の避難指示と屋内待機指示が出たと記述。2号機は冷却系の運転状態は不明だが仮説電源のおかげで原子炉水位が安定レベルであることを確認(たぶん電源がいらない隔離時冷却系はモニターできないだけで動き続けていたのだろう)。3号機は変わらず原子炉圧力容器に注水を続けている。
0:30 1号機の格納容器内圧が上昇:600kPaを示す。
※ 原子炉圧力容器をすっぽり覆う格納容器の圧力は通常運転時は5kPa(ゲージ圧なのでほぼ大気圧=1013kPa+5kPa)だから、600kPaは120倍の圧力で、設計圧力384kPaおよび最高使用圧力427kPaを大きく超えたことを意味する。
この事象が発生した時刻は不明。
国会でも、菅首相の福島原発訪問問題に絡んで、この事象にかかわるはずのベント処置の遅れが話題になった。午前1時30分、海江田万里経産相名で正式にベントの指示を出したという。格納容器損壊という危機的事態を恐れた原子力安全委員会の助言によるものだろう。
※ この急激な圧力上昇という事象がさらに進み、1号機の格納容器の蓋をわずかに押し上げて隙間をつくり、水素と放射性物質(希ガスやヨウ素など揮発性のものやセシウムなど微粒子状のもの)を格納容器の外に漏えいさせ、12日午後には水素爆発まで引き起こしたと推測している。
格納容器のこのような激しい圧力変化は、原子炉圧力容器(こちらは通常運転時70気圧=7MPa近くになる)の調整的な逃がし安全弁の動作によるレベルを超えていると思われるので、地震のせいなのか燃料棒損壊に伴うものなのかはわからないが配管のどこかに亀裂が生じた結果ではないかと思われる。この時点で原子炉圧力容器自体が損壊したということはないと考えている。
※ 3月12日の3時09分22秒のタイムスタンプが付いた東電の「福島第一原子力発電所原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置の実施について」で、「原子炉隔離時冷却系による所定の注水がなされていることが確認できない号機については、安全に万全を期すため、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置を行うことといたしました」と公表し、ベント(放射性物質を含む蒸気が放出される)実施の“決意”(たぶん苦渋の)を表明している。
この時点でのベント対象号機は、状況説明の内容から、1号機と2号機だったと推定される。
3:30現在 保安院レポートは1号機の格納容器内圧がさらに上昇し、800kPa(設計圧力の2倍)まで達していると記述。
4:00現在 東電レポートは、『1号機で非常用復水器での冷やしが停止』、格納容器の圧力は高めだが安定、原子炉水位も低いながら安定と説明している。
4:40 モニタリングカーが放射線量の上昇を検出。正門付近で4:00までは60nGy/h台だったものが、4:40に866nGy/h(およそ0.6μSvか)になり、6:30からは正門でずっと3μSvを超え続け、他の場所の線量値も上昇した。
5:44 内閣総理大臣が福島第一原発の10Km圏内の避難指示(おそらく敷地境界での線量上昇を踏まえた措置)
6:00現在 1号機はアラート状態のはずだが、東電は“安定”と説明。2号機は原子炉隔離時冷却系で注水していることが確認できたようだが、原子炉水位は通常より低いながら安定と説明。3号機は変わらず。
6:01 福島第二の1・2・4号機で15条通報(福島第二は冷温停止状態まで修復したのでこの問題はとりあえず省略)
10:17 1号機でベント実施
10:20 正門の放射線量が180.2μSvに跳ね上がる。10:30に385μSvを計測したのち正門の放射線量は10μSv台に低下する。
※ 保安院は「地震被害情報(第15報)」(3月12日午後16時30分現在)」では12日14:40にベント(格納容器の圧力を減少させるために蒸気を放出)実施と記しているが、3月24日「地震被害情報(第47報)」(3月24日8時00分現在)」ではベント操作(12日10:17)に説明なく変更されている。首相訪問が終わった直後にベントでは後々まずいと思ったからなのかどうかはわからない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
- 1号炉の格納容器の激しい圧力上昇について sumichan 2011/4/20 07:59:18
(0)
- [事故発生から2号機圧力抑制室損壊までの経緯:3] (その5) あっしら 2011/4/19 16:13:55
(1)
- [事故発生から2号機圧力抑制室損壊までの経緯:4] (その6) あっしら 2011/4/19 21:23:06
(0)
- [事故発生から2号機圧力抑制室損壊までの経緯:4] (その6) あっしら 2011/4/19 21:23:06
(0)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素9掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。