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東京電力が自らの賠償負担を値切る為、暗闘していることが分かった。東電は自社の持つ独占企業としての利権を維持し、企業として存続さえできれば「やり返せる」と思っている。東電は損害賠償紛争審査会に要望書の提出という形で圧力をかけはじめた。
東電は電力の安定供給という口実で「独占禁止法」の適用を免れてきたが、ここへきて、払えない分を国で払ってくれとワメキだしている。
なお、「原子力損害賠償紛争審査会」について説明すると、それは原賠法を根拠法として、原発事故が広範囲かつ多数に影響を及ぼすことから、迅速な救済の為に本来は被害者の側にある被害・損害の「立証責任」を賠償範囲を設定することで免除することを想定して作られた組織です。
まずは本文を読んで頂きたい。
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出典 http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201105040358.html
東電「賠償能力に配慮を」1次指針策定直前、紛争審に(朝日)---この泥棒!
2011年5月5日3時12分
福島第一原発の事故に伴う損害賠償の目安をつくる原子力損害賠償紛争審査会に対し、東京電力が要望書を提出していたことが4日、分かった。
風評被害を広く認定する方向で審査会の議論が進むなか、東電は賠償能力を考えて目安となる判定指針を策定するように注文。審査会や政府の関係者は、東電のこの対応を疑問視している。
審査会は、4月22日の第2回会合で当面の被害救済をめざした1次指針案を示し、28日に決定した。要望はこの間の25日に、清水正孝社長の名前で出された。
審査会は、東電の原発事故を受けて文部科学省に設置された。指針を策定する段階での要望は組織の中立性を侵しかねず、朝日新聞の取材に能見善久会長(学習院大教授)は、不適切な対応と話した。一方、東電は「補償の当事者として配慮してほしい事項を要望した」とコメントしている。
要望書によると、東電が求めたのは、(1)極めて多数の被害の申し出を受ける方策の検討(2)原発事故と因果関係があると的確に判断する基準の設定(3)どんな証拠なら損害を認定できるかの基準の提示の3点。そのうえで、東電が賠償できる限度を念頭に置き、1次指針を策定するよう注文した。
賠償に対する姿勢も、要望の中で明らかにした。
数兆円の賠償が見込まれるなか、東電は、全額を負担すると最大限のリストラをしても賠償費用を払うことは困難と主張。被害救済には「国による援助が必要不可欠」とし、援助がない賠償の枠組みは「原子力損害賠償法(原賠法)の趣旨に反する」と指摘した。
さらに、援助の具体的な方策が確定しない中では、1次指針に基づいて全額を払うことは「早晩困難になる」との見方を示した。
また、「異常に巨大な天災地変」で原発事故が起きた場合、事業者は免責されるという原賠法の例外規定に、今回の事故が該当するという解釈も「十分可能」とした。だが、「事故の当事者であることを真摯(しんし)に受け止める」とし、国の援助を受けて賠償する準備を進める方針を明確にした。
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[コメント]
以下に憤懣ものの内容を説明する。
1.原子力賠償法の趣旨を勝手に捻じ曲げるている。
通常、法律上の賠償責任の立証する義務は被害者にあり、証拠を加害者側が示さなければならないが、原子力賠償法では被害が広範囲に及ぶこと、立証が難しいことから、迅速な被害者の救済の為に加害者の立証責任を免除している。
しかし東電はそれを捻じ曲げている。そもそも、原子力損害賠償紛争審査会は、個別の立証責任を免除して迅速に賠償を払うために被害の範囲や考え方を明確にするために開かれているのにも係わらず、それに対して事実上意義を述べている。
具体的にはこの部分が特に問題だ。
>>(2)原発事故と因果関係があると的確に判断する基準の設定
>>(3)どんな証拠なら損害を認定できるかの基準の提示の3点。
(2)について分かりやすく言えば、5年後、10年後に福島県民の多数がガンになっても、放射能の影響で奇形児が生まれても、その責任は東電にありませんと言いたいから、基準を作ってくれという意味。
(3)証拠がないものは払いたくないから、その基準を作ってくれという意味。
2.国の援助(税金)が決まるまで払わないと逆ギレ・・・
事故を起こした本人が、国の援助(税金)が決まるまで賠償を払わないと言っている。こんなの被害者が聞いたらデモが起きるぞ。言っていることは逆ギレそのもの。
>>被害救済には「国による援助が必要不可欠」とし、
>>援助がない賠償の枠組みは「原子力損害賠償法(原賠法)の趣旨に反する」と指摘した。
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援助(国民の税金)がないと払わないと・・・それに原賠法の趣旨は「被害者の迅速な救済」を第一義にしている。 こんなバカな話があるか!
>>援助の具体的な方策が確定しない中では、1次指針に基づいて全額を払うことは「早晩困難になる」との見方を示した。
潰れるから早くカネ(国民の税金)を出せよ・・・と盗電は言っています。
>>また、「異常に巨大な天災地変」で原発事故が起きた場合、
>>事業者は免責されるという原賠法の例外規定に、
>>今回の事故が該当するという解釈も「十分可能」とした。
本来なら、国が払うものを「払ってやるぞ」と言ってます。
いっそ、ブッ潰して国営にしてしまえ・・・・・。
国営化し徹底的にリストラすれば、莫大な利益を産む会社になる。国が一時的に賠償金を立て替えても長期で十分に回収できる。しかも賠償金を払い終わったら、送電会社と発電会社に分離して再上場すれば損はない。
だれもそれを言わないのが不思議だ。
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オマケ
今回の大震災・原発事故で多くの方々がいろいろな事を感じられたと思う。政治や官僚、巨大企業の癒着とマスコミを囲い込むことによる隠然たる支配と利権の構図に幻滅と怒りを少なくない方々が感じられたと思う。
掲示板で意見を交換するのも結構だし、様々な考えを投稿されるのも結構だ。貴重な意見や見識が混沌の中から生まれる様はまるで生命体が進化する様を感じるようなエネルギーに溢れている。
しかしそうして生まれた意見がここだけで埋ずもれてしまうのは、余りにももったいないし、惜しいことだと思う。
我こそは思う方々は直接にインターネット上の首相官邸、各府庁の意見・要望窓口に投稿されることを望む。
私は掲示板に投稿される諸氏の意見の一部でも正面きって政治の場に伝えられることが民主主義の改善と前進につながると考えている。
無視されるかもしれないが、官僚、公務員の中にも良心と信念を持って行動する人が少なくないと信じたい。
首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
各府省への意見・要望の伝達窓口
https://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose
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