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※写真 転載元より
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2010年10月 3日 (日) 10:16
地検特捜部長逮捕報道を遮断する逮捕タイミング
大阪地検特捜部の主任検事前田恒彦容疑者が押収した証拠を改ざんした疑いで逮捕された事件に関連して、大阪地検特捜部前部長の大坪弘道容疑者と前副部長佐賀元明容疑者が証拠改ざんの事実を知りながら、この犯罪を告発しなかった犯人隠避の疑いで、最高検にようやく逮捕された。
客観的な証拠の構造から大坪容疑者と佐賀容疑者の逮捕は免れなかった。
大坪容疑者と佐賀容疑者の逮捕によって、今回の証拠改ざんが検察の組織ぐるみの犯罪であったことが確認された。
無実の人間を犯罪者に仕立て上げるために、証拠の改ざんまで行っていた事実が明らかにされた。
政治的な目的を達成するため、無実の人間を犯罪者に仕立て上げる警察当局や検察当局の犯罪行為は、これまでも広範に実行されてきた疑いが濃厚である。
今回は、証拠のフロッピーディスクへの改ざんであったが、通常の事件捜査、公判での立証においては、関係者の供述が極めて重要な証拠として用いられる。
この関係者の供述が、警察、検察当局の誘導により、歪められることは日常茶飯事で行われていると考えられる。
これらの行動も、その内容によっては証拠物への改ざんと同種のものである。
検察当局がこのような証拠の改ざんを防止していれば、村木厚子氏は本年2月の段階で無罪放免されていたはずである。無実の人間の基本的人権を侵害したことに対しても厳正な対処が必要である。
また、特捜部長から大阪地検の次席検事、検事正にも証拠改ざんの報告が上がっていたことが確認されている。検察上層部の犯罪に対しても厳正な対応が不可欠である。
今回の逮捕は当初から週末にずれ込むことが決められていた。逮捕状が請求されてから逮捕が実行されるまでにも異例の長い時間がかかった。
結局、大坪容疑者と佐賀容疑者の両名が逮捕されたのは10月1日午後10時を過ぎてからであった。なぜこのような時間帯が選択されたのかについても考察しておく必要がある。
金曜日の深夜の逮捕が、各種情報報道番組での問題の掘り下げが最も減少するタイミングなのである。NHK「ニュース9」もテレビ朝日「報道ステーション」も十分な報道を行えない。
例えば月曜日の逮捕になれば、その週を通じて、早朝から深夜まで情報報道番組は検察幹部逮捕報道一色になる。今回の逮捕は大阪である。事件捜査は東京で進められている。容疑者の身柄が大阪から東京に移送されなければならない。メディアはこうした容疑者移送を格好の映像情報とする。
イギリス人英語教師殺人事件で指名手配されていた男性が逮捕されたとき、容疑者の身柄が新幹線で大阪から東京に移されたとき、捜査当局はメディアに東京駅での映像情報撮影の機会を提供したのである。
これに対して、今回は土曜日朝の報道番組でも検察事件の報道は極小だった。土曜日夜の唯一の報道番組である、TBS「ニュースキャスター」は番組改編時の特別番組枠に切り替わり放送がなかった。
NHKは、今回、検察当局と結託して、犯罪もみ消しに動いていた。しかし、大阪地検の同僚検事などの内部告発による詳細な証言を封じ込めることができず、犯罪の立件に動くことになった。
その後のNHK報道は、NHKが犯罪もみ消しに動いてきたことを踏まえて、大坪、佐賀両容疑者の否認の弁解を中心に報道を展開しており、極めて歪んだ報道を繰り返している。
10月3日午前の「日曜討論」でも、この重大事件に触れることすらしなかった。
フジテレビ「新報道2001」も中国外交問題が軸で検察大不祥事をほとんど放送しない。テレビ朝日「サンデーフロントライン」がわずかに取り上げるだけである。月曜日以降は、検事逮捕のニュースがやや色あせて、番組での取り扱う時間が短縮される。
警察・検察・裁判所がメディアによる報道を十分に認識していることが明らかになった。逆に言えば、マスメディアの土石流のような情報洪水で、イメージ報道を蔓延させる場合には、正反対のタイミングが選択される。
今回の事案で身柄移送の映像がメディアに提供されたのか。大坪容疑者と佐賀容疑者の身柄は東京に移送されたのか。移送されたとすれば、どのような交通機関が用いられたのか。メディアはまったく報道を行っていない。容疑者の検察への身柄送検の際の映像提供についても、映像遮蔽措置にランクが幾通りもある。
事件報道はマスメディア各社の最重要報道であると同時に最重要映像情報であり、この面での検察と報道機関の癒着が極めて深刻な状況になっている。
取り調べ過程の全面可視化と合わせ、検察とメディアの癒着の問題にもメスを入れなければならない。今回の報道タイミングは、検察当局がメディアの報道の在り方について熟知しており、報道による情報の拡散が最小になるタイミングを狙っていることが明白に示されている。また、各メディアがこの問題を可能な限り小さく報道するとの姿勢も明確である。
各報道機関が検察最高幹部OBを顧問弁護士として受け入れている、いわゆる「天下り」を通じる癒着も大きな背景である。
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