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「働き方改革」の正体は、国民を安価に
使い捨てするための「働かせ方改悪」だ !
過労死の推移は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/02/25より抜粋・転載)
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1)安倍政権が推進する、「働き方改革」の正体
・「働かせ方改悪」を断固阻止すべきだ !
安倍政権が「働き方改革」と「印象操作」している「働かせ方改悪」を断固阻止しよう。
安倍政権が提示している「働かせ改悪」は、
1.長時間残業の合法化、2.正規労働と非正規労働の格差の維持
3.年収1075万円以上の労働者を対象とする残業代ゼロ制度の創設
4.残業代ゼロの裁量労働制度の範囲拡大、を柱とするものである。
そのすべてが、資本の側に立つ制度変更(利益増大のための改悪)である。
2)安倍政権が従属する、大資本は、労働者を最小の費用で酷使し、
使い捨てにする事を目指している !
大資本は、労働者を最小の費用で酷使し、使い捨てにすることを目指している。
この大資本の要請に応えて制度を創設しようというのが安倍政権の「働き方改革」であり、その実態は「働かせ方改悪」なのである。
安倍政権が、「改革」と表現しているのは、安倍政権の立ち位置が、大資本の側にあるからだ。
大資本の側から見れば、上記の制度変更は、すべて歓迎するべきものであり、これをプラスの意味を持つ言葉で表現するのは適正なのである。
3)「働き方改革」を、国民の側に立って、制度変更を評価すれば、
「改悪」である !
しかしながら、労働者である国民の側に立って、これらの制度変更を評価するならば、そのすべてが現状を悪化させるものであって「改悪」と表現するほかないものばかりである。
制度変更は、「大資本が大資本の利益拡大のために、労働者をどのように働かせるか」という視点に立って提示されたものであり、この現実を踏まえるならば、安倍政権の提案は、「働かせ方改悪」としか表現できないのである。
4)残業時間の上限設定の内容が問題である !
残業時間に上限を設定して、違反に対しては、罰則規定を設けることは、正しいが、何よりも問題になるのは、どのような上限を設定するのかである。
高速道路で猛烈なスピードで走行する暴走車による重大事故が相次いだとしよう。
これらの事故を踏まえて、新たに高速道路の制限速度を設定して、この限度を超えた車を処罰する制度を導入したとしよう。
この法定速度上限を、たとえば80キロに設定するなら、暴走車の発生を抑止する効果を発揮するだろうが、ここで設定する法定速度上限を時速300キロに設定するなら、制度を創設する意味はないことになる。
逆に時速300キロまでは、合法化されたとして、暴走車が、激増することになる可能性が高い。
5)NHKでも電通でも長時間残業による
過労死の事例が多数発生してきた !
NHKでも電通でも長時間残業による過労死という痛ましい事例が発生してきた。
このような悲惨な事例の再発を防ぐことを目的に制度を設計するなら、安倍政権が提示するような案は出てくるわけがない。
安倍政権が提示している新たな法定上限は、月残業時間100時間未満というものである。
2〜6ヵ月の平均値でも、月残業時間80時間を容認するものである。
これらの水準は、これまでの裁判事例でも過労死が認定された水準である。
6)「働き方改革」法案は、過労死が生じる
長時間残業を合法化している !
つまり、過労死が生じる長時間残業を合法化するというのが、今回の安倍政権の提案内容なのだ。
労働基準法では1日8時間、週に40時間を超える労働時間は原則的に認められていない。
しかしながら、会社と労働者が協定を結ぶことによって、いわば「例外」として残業をさせることが認められているのである。その上限は、月45時間、年間360時間である。
したがって、安倍政権が「働き方改革」として、動労者の側に立って、新たに罰則規定のある残業時間の上限を定めるというのであれば、当然のことながら、この、月45時間、年間360時間を法定上限として設定するべきなのだ。ところが、安倍政権が選択した上限は、月100時間である。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
過労死で毎日1人以上の労働者の命を奪い続けている日本、
電通過労自死事件は氷山の一角 !
(blogos.com:2016年10月17日 10:10より抜粋・転載)
今大きな問題になっている「電通過労自殺(自死)事件」については、日本労働弁護団メンバーの以下の記事をぜひお読みいただきたいと思います。
◆―ついに電通に立ち入り調査―人はなぜ過労で死ぬのか(渡辺輝人弁護士)
◆電通過労自死事件から真の「働き方」改革を考える(佐々木亮弁護士)
◆電通過労自死事件〜労基署の立件より有効な秘策、それは公契約法・公契約条例〜
(嶋崎量弁護士)
10月7日には、政府が初の「過労死白書」(過労死等防止対策白書)を閣議決定しました。この「過労死白書」には様々なデータグラフが掲載されていますが、私ならこのグラフを掲載すると思ったものを以下アップしておきます。
(※以下は、すべて厚生労働省が毎年度に発表している「過労死等の労災補償状況」のデータから作成したグラフです)
http://static.blogos.com/media/img/8108/free_m.jpg
上のグラフは、厚生労働省が毎年度に発表している「過労死等の労災補償状況」から「脳・心臓疾患」と「精神障害」の労災請求件数の推移を見たものです。
10年前の2006年度は、「脳・心臓疾患」の方が「精神障害」よりも多かったのですが、2007年度から逆転し、直近の2015年度は「精神障害」が「脳・心臓疾患」の1.9倍と2倍近くにまで増えていることが分かります。
こうして増大している過労による「精神障害」を年齢別に見たものが下のグラフです。
http://static.blogos.com/media/img/8109/free_m.jpg
上のグラフにあるように、この10年間で30〜39歳の件数が最も多いなど若年層に過労による「精神障害」が多発しています。
ただし、「精神障害」の年齢別推移を見ると、下のグラフにあるように、2014年度から40〜49歳が一番多くなり、2015年度には50〜59歳が20〜29歳を上回るなど、中高年層にも「精神障害」が広がっていることが分かります。
http://static.blogos.com/media/img/8110/free_m.jpg
下のグラフは、死亡に至った労災請求件数の年度推移を見たものです。
http://static.blogos.com/media/img/8111/free_m.jpg
上のグラフの数字を合計すると、2006〜2015年度の10年間で、過労死は2,839人、過労自殺(過労自死)は1,776人、計4,615人が仕事によって命が奪われてしまっているのです。そして、直近の2015年度の482人というのは、366で割ると1.3ですから、日本では毎日1.3人が過労死・過労自殺(過労自死)によって命を奪われて続けているのが現状なのです。
下のグラフは年齢別に見たものです。
http://static.blogos.com/media/img/8112/free_m.jpg
上のグラフにあるように、30〜39歳、20〜29歳は、過労死よりも過労自殺(過労自死)の方が多くなっています。
佐々木亮弁護士が指摘しているように、過労死をなくすために、いますぐ、「労働時間の上限規制の法定化」と「インターバル規制の制定」の真の働き方改革が必要です。これを直ちに実行しないどころか、長時間労働を助長する「残業代ゼロ法案」を狙う安倍政権は、毎日1人以上の労働者の命を奪い続けている上にさらに命を奪う労働者の人数を増やそうとする人命軽視政権だと私は思います。
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