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なぜ自公連立政権は誕生したのか ? ―その歴史的経緯を追う !
自公連立前の公明党の本来の理念・路線は ?
(10mtv.jp:2016/06/30より抜粋・転載)
著者・佐高信が語る『自民党と創価学会』佐高信評論家:
『自民党と創価学会』(佐高信著、集英社)
辛口評論家としておなじみの佐高信氏が、現在発売中の新著『自民党と創価学会』(集英社新書)の中からとっておきの秘話を明かす。果たして自公連立政権にはどのような問題があるのか。連立政権誕生への歴史的経緯を追いながら、その危うさを佐高氏が語る。
≪全文≫
●1998年以前、自民党と公明党は
そもそもとんでもなく仲が悪かった !
最近、『自民党と創価学会』という題の本を書きました。この5月に集英社新書から出る予定です。自民党と公明党が連立政権を組んで17年ほどになりますが、実は、そもそもはとんでもなく仲が悪かったのです。
いまから20年あまり前の1994年、自民党が野党だった時、「自由新報」という自民党の機関紙で計20回にわたって激しい公明党批判、創価学会批判を行いました。
私はこの現物を手に入れて読みましたが、公明党、創価学会がどのように日常の活動をしているか、いかに税金の問題を恐れているかなど、微に入り細にわたった批判をしていました。
それから自民党と公明党が連立政権を結ぶまで、わずか5年です。1999年に、小渕恵三と、官房長官などの役割を果たした野中広務が連立政権をスタートさせています。
その後、自由党と自民党と公明党の自自公、自由党から分かれた保守党が加わった自公保連立が間にはさまりますが、基本的には自民党と公明党の連立が続いてきました。
しかし、この連立は、1994年の「自由新報」の批判を読むと、まったく水と油の野合といわざるを得ないわけです。
●公明党は完全に自民党に屈服した !
では、それほど激しく全否定された公明党、創価学会がなぜ自民党と手を結んだのかといえば、そこには「密会ビデオ問題」が絡むのです。
後に喧嘩してしまいますが、公明党のバックにある創価学会が当時「本山」と呼んでいた日蓮正宗・大石寺が、静岡県富士宮市にあります。
その富士宮市を中心とする暴力団に、山口組きっての武闘派と言われた後藤組がありました。後藤組は、本山の墓石、墓苑の土地問題におけるいざこざを収めるボディーガードの役割を果たしていたのです。
しかし、後藤組と本山、そして創価学会の間が近すぎたために問題が起こります。それを収めるために、公明党の都議会議員を異例に長く務めた藤井富雄と、後藤組組長の後藤忠政が密会した現場を映したビデオテープがあるというのです。
これを嗅ぎつけたのは、自民党の亀井静香だといわれています。
そして、亀井、野中の間で密会ビデオの存在が明らかになってから、公明党は一も二もなく自民党の軍門に下ったというわけです。
だから、表向き、公明党は自民党と対等関係だといっていますが、密会ビデオ問題を考えると、実際には、公明党は完全に自民党に屈服したのです。
野中広務が、後に回想録の中でどうやって公明党を籠絡したのかと聞かれて、たたきにたたいたら、向こうからすり寄ってきたと言っています。
また、後藤忠政という暴力団の組長は、その後、山口組の本部といざこざを起こし、破門されて引退して、『憚りながら』というすごい本を書いています。
この中に「創価学会との攻防」という章を一つ設けています。
自民党と公明党は、理念で結び付いたわけではないのです。笑止なことに野党共闘は野合だと自民党と公明党が言っていますが、自民党と公明党以上の野合はありません。
1994年の自民党の公明党批判を読み返してみれば、「自民党と公明党以上の野合はない」ことがよく分かります。
●タカ派自民党と公明党が結び付いたのが、現在の自公連立政権だ !
もう一つ大事なのは、藤原弘達の『創価学会を斬る』という本についてです。これは予言的な本で、出版当時(1969年)には誰も考えもしなかった自民党と公明党の連立を予想しています。
そして、自民党と公明党の連立が実現したら、自民党のタカ派的、右翼的、ファシズム的要素と、公明党、創価学会の宗教的ファナティックな要素が結合して、日本はとんでもなく恐ろしいことになるだろうと予言しているのです。
すさまじい指摘だと思います。
田中派の流れをくむ、小渕恵三が首相の時に、自公連立が始まったため、田中派と創価学会が近いように考えられています。
確かに、『創価学会を斬る』という本の問題では田中角栄が動きますが、もともとは、岸信介と創価学会第二代会長の戸田城聖の関係の方が深いのです。
当時の聖教新聞に出ている話だ、ということですが、岸信介(安倍首相の祖父・戦犯)は、首相の時、創価学会の儀式に招かれ、その儀式が出席しようとしていました。
さすがに現役の首相が出ては問題になりますから、思いとどまった方がいいと言う人がいて、夫人の良子と、娘の岸洋子、その旦那の安倍晋太郎、つまり安倍晋三のお母さんとお父さんが出たのです。
事実、安倍晋三自身が、その後、首相になってから公明党の大会に出て、「御党と岸家の関係は、自分の祖父の代にまでさかのぼる」と言っています。
つまり、岸信介、福田赳夫から小泉、安倍へとつながる清和会、いわば、右翼的なタカ派の流れに対して、宏池会をつくる池田勇人、田中角栄のハト派のリベラルな流れが、自民党にあるとすれば、公明党は、タカ派と結び付いたことになるわけです。
(参考資料)
T 自公連立前の公明党のスタンス:政権交代で改革実現 !
(1) 自民党一党支配を打破し、 新政権軸を目指す !
(石田委員長)公明党の基本路線:
1993年7月、総選挙に臨む基本姿勢について、石田委員長は「自民党の一党支配の下で、『政治腐敗が起こる 改革が叫ばれる 改革が実現しない 選挙で政権が動かない また腐敗が起こる』というような“悪循環”が何度となく繰り返され、今まさに政治不信はその極に達している。
この『“悪循環”を繰り返してきた最大の原因』は、“自民党に代わる政権の受け皿がなかった”ということであると思う」と日本プレスセンターで発言しました。
さらに、「政治を刷新して、緊張感を持たせる、また、政・官・財の癒着を断ち切るには、どうしても二つの問題が重要になってくる。
1つは“政権交代のシステム”であり、もう1つは“抜本的政治改革”だ」と主張しました。
(1998年まで、この政権交代を目指す路線を続け、自民党・マスコミから昭和32年の大阪事件以来、迫害・誹謗中傷をうけていました。公明新聞1993年7月6日号3面)。
(2)政権を選択できる、二大政党制をつくりたい !
(浜四津敏子代表):日本が構造改革のできない行き詰ったシステムになったのは、自民党一党支配の政治できたからです。これを脱却し、健全で成熟した民主主義を発展させるには、一党だけが長期に政権を握り続ける体制は好ましくありません。
つまり、国民が政策・政治姿勢を判断し、「今回は、こちらの政権に日本の政治を任せてみよう」という、政権を選択できる二大政権政党もしくは二大政権勢力が日本に存在することが、中長期的に好ましいと思います
(浜四津敏子代表「公明新聞1998年8月16日号1面」)。
U 公明党・創価学会攻撃のため、自民党がつくった主な組織
*30年超、政官業癒着・自民党政権を打倒して、改革政権樹立を目指していた
公明党・創価学会攻撃のための組織:
*宗門事件は、日蓮正宗と創価学会への分断工作であり、黒幕は、自民党・米国CIAだ。
★「創価学会等の社会的不正を糾す議員連盟」:中心者:三塚博元大蔵大臣
★「民主政治研究会」:代表:島村宜伸(しまむら・よしのぶ)元文部・農林大臣
★「憲法二十条を考える会」:代表:亀井静香・元運輸・建設大臣
★「四月会」(死学会):代表幹事:俵孝太郎(評論家)
顧問:勝部真長(お茶の水女子大学名誉教授)、秦野章(元法務大臣)、
藤原弘達(評論家)
V 自民党権力に迎合・屈服した公明党
魚住昭氏の主張:
(魚住昭『差別と権力』講談社2004年、295〜296頁より抜粋・転載)
後に、野中広務元幹事長が、自公政権作りを成し遂げた後、有力支持者の1人が「どうやって学会・公明党とのパイプをつくったんですか」と野中に聞いた。すると野中はこう答えたという。
「叩きに叩いたら、向こうからすり寄ってきたんや」
と著書にしるしている。
W 公明党元幹部が、安保法案強行採決に
「公明党の行動は万死に値する」と怒り
元公明党副委員長の二見伸明氏が批判 !
(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/:2015年7月23日より抜粋・転載)
公明党元幹部 安保強行採決に「公明党の行動は万死に値する」と怒り〈週刊朝日〉
※イメージ
安保法制をめぐって国会前や全国各地で広がるデモ。政治と縁遠い若い世代が声を上げているのが印象的だ。強行採決を受け、元公明党副委員長の二見伸明さん(80)は公明党の罪を指摘する。
* * *
公明党から「平和の党」という看板は完全に失われました。山口那津男代表をはじめとする執行部は、総退陣すべきです。
山口代表が1990年に初当選したあと、私の議員事務所に来て、集団的自衛権について議論したことがあります。そのとき彼は、「集団的自衛権の行使は、長い間にわたって政府が違憲と判断してきた。それを解釈改憲で認めることはできない」
と話していました。弁護士らしく、筋の通った話でしたよ。それがなぜ、安倍政権の解釈改憲に賛成するのか。いつ変節してしまったのか。まったく理解できません。
今でも私と付き合いのある公明党の党員や支持者は、本心では全員が反対です。法案の意味を理解しようと思っても、意味がわからないからです。
今こそ党員や支持者は、昨年7月の集団的自衛権の行使を認めた閣議決定から強行採決に至るまでの経緯を検証して、公明党執行部がどういう役割を果たしたかを総括すべきです。
今回の安保法案は、審議に116時間もかけたのに、安倍首相からはまともな回答は一つもなかった。それに協力した公明党の行動は、万死に値します。
※週刊朝日 2015年7月31日号
X 戸田創価学会第二代会長の苦悩:
◆獰猛・狡猾・甘美な権力の魔性に全員負けるだろう !
創価学会本部における、文化部員の任命式で、戸田会長が、「今日、ここのいるのは、わが愛弟子たちである。しかし、“ほとんど全員が退転する”だろう。獅子は千尋の谷に子を突き落とし、這い上がらせて訓練をする。
ここにいる皆も、千尋の谷に落とさざるを得ないのだ。だが、“ほとんどの者が二度と這い上がれない”だろう。それを思うと、私は余りの辛さに――涙がこぼれるのだ」と述べています。
戦時中、牧口会長を獄死させた政治権力への怒り。いまだ誰も果たしたことのない、日蓮仏法の「立正安国」「王仏冥合」という見果てぬ夢の実現。
時期は来た。打つべき手は打った。だが、「権力には魔性が棲んでいる。
ここに居並び、これから政界に送り出さねばならぬ弟子たちの、誰一人として気づかぬほどの獰猛で狡猾で、甘美な魔性が」と記述されています。
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