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安倍政権下、正鵠を射る、元外務省孫崎享氏の日韓問題への指摘 !
日本人慰安婦の話と、美輪明宏氏の主張
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/01/16より抜粋・転載)
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1)韓国政府は、何より、慰安婦の被害者の尊厳と、
名誉を回復しなければならないと、肝に銘じた !
安倍首相が非難し、御用メディアが、提灯をぶら下げている、日韓合意に関する、韓国文在寅政権の新方針は、次のものだ。韓国の康京和外相が、1月9日発表した。
外交省や女性家族省を中心に、被害者や関係団体の声に、耳を傾ける一方、隣国である、日本との関係を、正常に発展させていく方法を、真剣に検討してきた。
その過程で、何より被害者の尊厳と、名誉を回復しなければならないと、肝に銘じた。
2)韓国政府:普遍的な人権問題・慰安婦問題は、
人類の歴史の教訓である !
また、両国関係を超えて、普遍的な人権問題である、慰安婦問題が、人類の歴史の教訓であり、女性の人権を拡大する運動の、国際的な道しるべとして、位置づけられるべきだとの点も、重視した。あわせて、北東アジアの平和と繁栄に向け、両国の正常な外交関係を、回復しなければならないことも念頭に置いて、政府の立場を、慎重に検討した。
(1)韓国政府は慰安婦被害者の方々の名誉と尊厳の回復と心の傷の癒やしに向けてあらゆる努力を尽くす。
(2)この過程で、被害者や関係団体、国民の意見を幅広く反映しながら、被害者中心の措置を模索する。日本政府が拠出した「和解・癒やし財団」への基金10億円については韓国政府の予算で充当し、この基金の今後の処理方法は日本政府と協議する。財団の今後の運営に関しては、当該省庁で被害者や関連団体、国民の意見を幅広く反映しながら、後続措置を用意する。
(3)被害当事者たちの意思をきちんと反映していない、2015年の合意では、慰安婦問題を本当に解決することはできない。
(4)2015年の合意が、両国間の公式合意だったという事実は、否定できない。韓国政府は、合意に関して、日本政府に再交渉は、求めない。ただ、日本側が自ら、国際的な普遍基準によって、真実をありのまま認め、被害者の名誉と、尊厳の回復と心の傷の癒やしに向けた努力を、続けてくれることを期待する。被害者の女性が、一様に願うのは、自発的で心がこもった、謝罪である。
(5)韓国政府は、真実と原則に立脚して、歴史問題を扱っていく。歴史問題を、賢明に解決するための努力を傾けると同時に、両国間の未来志向的な協力のために、努力していく。
3)孫崎享氏:日韓合意、韓国の見直しを非難する
安倍首相の方が異常で非常識だ !
この問題について、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が見解を公表している。
「公式文書すらない日韓合意、韓国の見直しを非難する安倍首相のほうが異常で非常識」
http://biz-journal.jp/2018/01/post_22002.html
孫崎氏は駐イラン全権大使も歴任した外務省のトップエリートの一人である。
日本のあるべき外交について、客観的な視点で適正な指摘をすることで知られている。
本ブログ、メルマガで何度も取り上げてきた2015年12月28日のいわゆる「日韓合意」は、日本の岸田文雄外務大臣と、韓国の尹炳世外交部長官による、外相会談が行われて、従軍慰安婦問題について合意したというものである。
4)従軍慰安婦問題の合意内容について、日韓が、
公式な文書を交わしていない !
しかし、合意内容について、日韓が公式な文書を交わすことは、していない。
日韓の両外務大臣が共同記者会見を開いてそれぞれが合意内容を発表するという形式で行なわれたものである。
この合意のなかに、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」との表現が盛り込まれたが、日本側が強く求め、いまも求めていることは従軍慰安婦少女像の撤去である。
5)韓国は、日本に対して、慰安婦少女像の撤去を確約していない !
ところが、日本サイドが最もこだわっている、従軍慰安婦少女像の撤去について、日韓外相合意では、韓国外相が、「韓国政府は、日本政府が、在韓国日本大使館前の少女像に対し、空間の安寧、威厳の維持といった観点から懸念しているという点を認知し、韓国政府としても可能な対応方法に対し、関連団体との協議等を通じて適切に解決されるよう努力する。」と発表しただけで、慰安婦少女像の撤去を確約していない。
日本政府が、外相合意で慰安婦少女像の撤去の確約を取っていないから、慰安婦少女像が、そのまま設置されることを、問題としないのなら、これで「最終的かつ不可逆的に解決」ということが、覆されることにはならない。
しかし、日本政府が、慰安婦少女像の撤去を求めるということであれば、2015年12月の外相合意で、最終的な解決になることは、もとより期待できることではなかった。
6)慰安婦少女像の撤去実現には、日本政府が、
新たな韓国政権と新たな約束を、取り付けるしか、方法はない !
孫崎享氏は、国際約束の形式に、(1)条約、(2)行政レベルでの合意書、(3)署名なしの合意、の三つがあると指摘する。
そのうえで、(2)や(3)の拘束は、基本的に行政機関の存続期間に限られるため、新たな政権に順守を求めるなら、新たな政権と新たな約束を、取り付けるより、方法はないと指摘する。
米国はTPP最終合意文書に署名したが、トランプ大統領は大統領に就任すると直ちにTPPからの離脱を表明した。国と国の間で交わした合意を、一方的に破棄したことについて、安倍首相は、トランプ大統領の行動を非難していない。ところが、韓国に対しては、合意の見直しを、激しく非難している。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
美輪明宏氏の話:日本人慰安婦の話と、美輪明宏氏の主張 !
(kajipon.sakura.ne.jp:2015.1.14より抜粋・転載)
【日本人慰安婦の話〜橋下“維新の会”は聞け ! 美輪明宏】
(2013年6月のライブドアニュースより)
今日はですね、橋下さんが発言しちゃって問題になっております、従軍慰安婦問題。
あれは若い方はトンチンカンで、何の話だか全然お分かりにならないんじゃないかと思いますね。10代後半20代30代の方なども。
従軍慰安婦というのは、もう60年以上前の、つまり半世紀以上前の第2次大戦の戦争中のお話でしょう。
◆韓国と中国の従軍慰安婦だけでなく、
日本人の従軍慰安婦の人たちもいた !
これでいろんなメディアが昔を語るという、終戦記念日に近くなると、よく昔の焼け跡だとか兵隊さんの話とか色々なものを聞いて、爆撃でやられた話とか、そういった人たちを取材した話ができますでしょう。でも従軍慰安婦の人たちというのは、直の話を聞けないんですよね。
そして、聞けるのは、大体、韓国と中国の従軍慰安婦の人ばかりが取り上げられますけれども、日本人の従軍慰安婦の人たちもいたんですよ。いっぱいいたんです。
でもそういった人たちは何故取り上げないのかといったら、その人たちが、もう酷い目に遭ったんですね。
まず、私が何故そんなことを知っているかと言いますと、終戦後にその人たちが満州、つまり今の中国から引き揚げてきたんですね。
引き揚げてきて、私、長崎でございましょう、長崎には、丸山遊郭という有名な、女郎さん遊女たちがいて売春する、そういう街があったんですね。
坂本龍馬なども遊んでいたような有名な所ですね、日本の3大遊郭という。
これが、戦争中に遊興の場所というのは、カフェやバーも遊郭もみんな閉店させられて、全部が商売営業停止になったんですよ。そしてその人たちは、行き場が無くなったんですね。
その人たちは、どういう人たちが遊女になっているかというと、主に、人身売買が当たり前になっていた時代でしたから。
◆貧しい農家の娘さんとか、貧しい家の子供たちが、
家族の生活維持のために、身を売っていた !
貧しい農家の娘さんとか、貧しい家の子供たちが、自分が売られていけば、お父さんもお母さんも弟たちも飢え死にしないで済むからといって、女衒(ぜげん)と言われる、人買いの人に話をしてもらって、遊郭に身を売られて、身を売っていったんですね。
一家の犠牲になっている貧しいお嬢さんたちが多かったんです。
閉鎖されて行き場が無くなった時に、軍の出先機関で大政翼賛会(たいせいよくさんかい)という組織があったんです。
そこの人に声をかけられて、満州に良い仕事があるぞ。カフェとか遊郭があるから、そっちへ行って稼げばいいということで、そして喜んでそちらへ行ってみたらなんと、話が違って従軍慰安婦だったというんですね。
◆従軍慰安婦は、表には兵隊たちが木札をもって
ズラリと並んで、それを一人ひとり相手をしていた !
従軍慰安婦というのは、街ならその街にずっと居着いて遊郭にいて、そして男の人たちの相手をするというだけではなくて、従軍慰安婦の人たちは「従軍」と言いますでしょう、軍に従うと書いてあって第一線を付いて周るんですね。
そして筵(むしろ)みたいなものを敷いて、筵みたいなものを立てて、コーリャンという麦よりももっと不味い穀物で作った、真っ黒いおにぎりですけれど、私も長崎で食べたことがありますけれど、食べられた物じゃないです。
それを枕元に置いて食べながら、表には兵隊たちが木札をもってズラリと並んで、それを一人ひとり相手をして。
そして、鉄砲の練習をさせられて、敵が来たら身を守るためといって銃の練習をさせられて、敵が押し寄せてきますでしょう、馬賊(ばぞく)とか匪賊(ひぞく)とか。
そうすると兵隊と一緒に戦うんですって。
◆従軍慰安婦は、死んだら、埋めてももらえない、
焼いてももらえない、野ざらし雨ざらしで、
山犬の食い荒らすままになっていた !
戦って、流れ弾に当たって死んだら、今度は、日本婦人がそういうことをしていたというと恥になるからといって、モンペやなにかを脱がされて支那(しな)服に着替えさせられて、そして放り出されるんですって。そして、埋めてももらえない、焼いてももらえない、野ざらし雨ざらし。山犬の食い荒らすままになっていて。
そして終戦後引き揚げてくるときに、まず軍人の将校たちと家族がトラックに乗って逃げて、自分たちは置いてきぼりになったんですって。
他の移民団、開拓団の人たちと一緒になって、命からがら引き揚げてきて村に帰ったら、村の恥さらしとか面汚しとか言われて。
そして家へ帰ったら、自分はお父さんお母さん、一家のために売られて行ったのに、
「お前のやっていたことが世間様に知られたら、家の恥になる、出て行ってくれ。」と。
もうそれはどこに恨みを持っていったらいいのか、それは、悲憤慷慨(ひふんこうがい)ですね。
それを行き場所が無いから、自分が従軍慰安婦だったというのを隠しているんですよ。
だから日本人の従軍慰安婦は一人も出てきませんでしょう。そういう事情があるんですね。
◆女郎屋さんが再開して、進駐軍の米国人
・兵隊たち相手に遊郭が復活した !
そして、女郎屋さんが再開して、進駐軍の兵隊たち相手に遊郭が復活したんですよ。
日本人は、出入り禁止で、進駐軍だけのセックスの処理として、遊郭がまた再開して、そこで働いていたんですね、また戻ってきて。
そこでも内地の女郎さんには、白い目で見られて、さんざん馬鹿にされて、ところが3人の人たちはバラバラに引き揚げてバラバラのところにいたのだけれども仲良くなって、それでいろんな思い出話をするんです。それを私は、脇でじっと聞いていて「はぁー、どんなに辛いことだろう。」と思ったんですね。
それで私は、もうものすごく頭に来ちゃって、義憤(ぎふん)に駆られて、「祖国と女たち」という歌を作って。今度のコンサートでも歌いますけれど。
◆もっと人間には、尊厳があるということを、
維新の会の人たちは、もっと知るべきだ !
みんな政府や右翼の人たちが怖くて、その歌を歌わないし、言いもしませんけれど、やはりそれは、その人たちの供養のためにも、表に出してあげることが、必要だと思います。
ですからその辺を、橋下さんは、何にも知らないで、それで軽々しく、あんなことを言ったり、また沖縄の兵隊たちも、風俗を利用してやってくださいと、あんなことを言うべきじゃないんですよ。
一遍であの人のことを大嫌いになりました。
ですから、もっと人間には、尊厳があるということを、維新の会の人たちは、もっと知るべきだと思います。
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